一発試験とは、運転免許の取り方の一つである。
概要
教習所を使わず、免許センターで技能試験と学科試験に合格して取得する取り方。飛び込み試験、飛び入り試験とも呼ぶことがある。
通常、何も前提となる資格を持たない人が運転免許(第一種普通運転免許)を取得するには
- 教習所へ申し込む
- 適性検査を受ける
- 所定の学科・技能の講習を受ける
- こなした後に学科・技能試験を受ける(修了検定)
- 合格して仮免許を取得する
- 再び本免に向けて学科・技能の講習を受ける
- 卒業試験を受ける
- 合格して本免実技試験の免除を受ける
- 各都道府県の免許センターに行って適性検査と学科試験を受ける
- 合格すれば免許取得。
という手順を踏まなければならない。これにはMTの場合は50分✕60時限、ATの場合は50分✕57時限受けねばならない上に、費用も20万から30万円と相応の金額を支払わねばならない。日数も通いで最低でも一ヶ月、合宿で二週間とかなりの時間を必要とする。
これがいわゆる一発試験だと
- 運転免許センターへ行って仮免試験の申し込みをする
- 適性検査を受ける
- 仮免の学科・技能試験を受ける
- 合格した後、5日間(最低10時間)の路上練習を行って本免の学科・技能試験を受ける。
- 合格して取得時講習を受ければ、晴れて免許取得。
と大幅に手順がカットされる。早い話が、教習所に通えば免除される試験(と講習)を、敢えて免許センターで全て受けるのが一発試験の要なのだ。
費用も試験に直接かかわるものだけでいえば、試験料と試験車使用料、取得時の講習料のみでいいので都道府県により上下はするが、24000円から26000円と大幅なコストカットになる。日数についても試験自体は2日でおわり、路上練習も最短5日ですむのでうまくすれば一週間程度で取れてしまう(実際は予約が取れないことも多いのでもう少しかかる)。
一見このようにいいことづくめのように見えるが、実際はそれほど甘くはなく、多くの人が教習所で免許を取得している。
実際
まず費用についてだが、路上練習で3万5000円から4万円程度上乗せされる。
この路上練習というのは一応法律上は3年以上の運転経験を持つ人を同乗(第一種普通免許の場合)させれば公道でやっても良いのだが、危険度が高く、そう都合よくつかまるものでもない。そのため、多くの場合は教習所が設けている路上練習コースを使って練習する。証明書も発行されるのでその方がお手軽である。
中には練習をめんどくさがって虚偽申告する人もいるらしいが、同乗者に確認の電話が入る事があるのと、練習に使った車の車体番号なども記載しなければならないので嘘はすぐにバレてしまう。
そして肝心の試験についてだが、何よりもこれが鬼門である。学科試験はそう難しいものでもなく、問題集を真面目に回してれば問題ないが、技能試験が教習所の比ではないほど難しい。
教習所と異なり助手席には警察官が乗って、一挙手一投足を厳しくチェックされるし、減点項目に触れれば容赦なく引かれていく。教習所の卒業試験は指導員が同乗して同じようにチェックするが、さっさと追い出したいのかミラー調整し忘れや、目視忘れなどの多少のミスは見ないふりをしてくれることが多いが一発試験はそんな生易しい温情などなく容赦なく点が引かれ、あれよあれよという間に不合格となるのである。実際に合格率は卒業試験は70%程度なのに対し、一発試験は5%(免許未取得の場合。2015年)
とかなりの狭き門であることがわかる。
人の命に関わるものなので当たり前の事だが、そう簡単に取れるほど甘くはないことは記憶しておいたほうが良いだろう。合格出来ている人はもともと免許を持っていた人が失効して取りにきているか、もしくは家の敷地内で相当な練習を積んで取れてるケース(もしくは何十回も落ちまくってようやく)なので、結局のところ教習所をパスして免許を取る場合と取得までのコストはそう変わらないものと考えるのが筋だろう。
ただ、これは免許未取得者が取りに行く場合の話で、普通免許を持っている人が準中型や大型免許を取得するために一発試験を受ける場合は少しは分がよくなるので、よほど腕に自信があればチャレンジしてみるのもいいかもしれない。実際に、届出教習所などでコースを申し込んで一発試験を受けに来る人は少数だが存在する。
関連項目
- 0
- 0pt

