伝染病(でんせんびょう)とは、病気を起こした人間や動物などから病原体が別の人間や動物などへと到達し、連鎖的に感染者数が拡大する感染症の一種である。
感染経路の究明が進んでいない近代までは、人間や家畜など特定の動物種の集団内で、同じ症状を示す者が短時間に多発した状態(集団発生・疫病)を指していたため、2021年(令和3年)現在でも「集団感染」との混同される。
主な伝染の経路
人間または動物同士の接触
皮膚同士のふれあい、または手すりや聴診器など物体の表面を通じての間接的なふれあいで病原体が皮膚に付着し感染が成立するもの。
医療現場ではMRSAなどの薬剤耐性菌の伝染の主要な経路である。
人間の伝染病
一定の限定された空間に感染者や保菌者が存在し、飛沫などを介して次々と病原が伝染してゆく可能性があることから、対策には環境的あるいは大衆的な対応が効果的とされ、公衆衛生学的手法として感染者や保菌者を隔離することでそれ以降の伝染を予防することがある。
社会基盤に打撃を与えるほどの被害を及ぼした伝染病は疫病(えきびょう)と呼ばれる。
歴史上はペスト、スペインかぜなどの重大な伝染病が流行して非常に多くの死者を出したことが有名である。
また、天然痘は古代から撲滅されるまでの間、長期にわたって全世界で死者を出し続けてきた。
2019年(令和元年)から進行中の伝染病
2019年(令和元年)11月に中華人民共和国湖北省武漢市付近で発生が初めて確認され、数々の変異種を遂げて全世界に猛威を振るい続けている「SARSコロナウイルス2(新型コロナウイルス)」も伝染病の一種であり、感染すると臓器にダメージを与えたり最悪の場合、死に至る。
2021年(令和3年)現在、特定の治療薬が無く、一度感染すれば一命をとりとめたとしても軽度から重度の後遺症や死の危険にさらされる。
関連項目
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