新井式廻轉抽籤器とは、商店街の抽選でよく見る、ガラガラ回す抽選器(「ガラポン」「ガラガラ」「ガラポン抽選器」、などと呼ばれる)の一種である。
概要
新井式廻轉抽籤器は東京の帽子屋であった新井卓也氏が客への抽選サービスのために開発したもの。六角形や八角形のものがあるのは、その形をした帽子の箱で試作したためであるという。関東では「ガラポン」、関西では「ガラガラ」と呼ばれているとのこと。[1]。
新井卓也氏は昭和4年から昭和28年にかけてこの方式の特許や実用新案を申請して、いずれも2年以内に認められている。ちなみにそれ以前にも別方式による回転式抽選器の特許は存在しているため「この新井式が初めての回転式抽選器である」というわけではない。また、既に特許期間は切れている。[2]
その後「東京抽籤器研究所」がこの方式の抽選器を製造販売していた。2006年の時点で新井卓也氏の孫が東京抽籤器研究所の社長(所長と呼ぶべきか?)であったとのことで、同研究所は新井卓也氏が創設した企業なのかもしれない。ただし上記のように既に特許は切れていることもあり、回転式抽選器は現在では様々なメーカーのものが販売されている。
とはいえ、この「東京抽籤器研究所」による抽選器の実物は現代でも使用されている。例えば亀戸十三間通商店街で2014年に使用されていたとのこと。その際の写真によると、その時使用された抽選器は今でこそメジャーな八角形ではなく円形のもの、そして「新井式廻轉抽籤器」という名称が書かれた金属プレートが貼られている。[3]
この「新井式廻轉抽籤器」が有名であるため、回転式の抽選器について、「東京抽籤器研究所」の製品でない、すなわち新井卓也氏の機構を使っているのかどうか不明なガラポン抽選機でも「新井式廻轉抽籤器」と呼ばれてしまうこともあるようだ。
構造
基本的には八角形の箱の中心に軸が付けられており、その軸の片方だけにハンドルが付いている場合が多い。
軸は新井式廻轉抽籤器全体を支えている台座と一体になっているが、受け皿は着脱可能、もしくは最初から付いていない場合が多い。
箱には玉を投入する入り口用のものと、ハンドルを回した時に玉が出てくる出口用の2つの穴があり、出口用の穴には複数の玉が同時に出てこないような工夫が施されている。
一般的には新井式廻轉抽籤器の大きさは30~45㎝であるが、稀に150㎝のものも存在している。
ニコニコでの新井式廻轉抽籤器
クトゥルフ神話TRPGのシナリオである『悪霊の家』のコービット邸の寝室にこの抽選器が置かれている動画が存在する(「関連動画」参照)。この記事がニコニコ大百科に作成された経緯も、その動画に触発されてのことのようだ。
投擲用の武器として使用できるが結構な重量があるのでバランスを崩して転倒しないように気をつける必要がある。
ハンドルを回して500円しか出てこなくても怒らないように!壊してもダメ!
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関連項目
脚注
- *みうらじゅん「アレの名前大百科」PHP研究所
- *ウィキを見ると新井式回転抽選器というのがあるのですが、日本で最初の回転抽選機なんですか? - 知財アナリストのひとりごと
- *「新井式廻轉抽籤器」の実物を見た! | ことみせ
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