日商簿記とは、日本商工会議所(日商)が認定している、簿記に関する検定試験である。
概要
簿記検定には日商簿記の他にも全商簿記実務検定(商業高校生)向けや全経簿記能力検定(専門学校生向け)などがあるが、日商簿記は大学生や社会人にも人気があるので、最も知名度が高い簿記検定となっている。
また国家資格ではないものの、2級以上に合格すると就職・転職活動で有利になる可能性があり、民間資格としてはTOEICや英検(2級以上)などと並びオススメと言われることが多い。
1級、2級、3級があり、2級以上では商業簿記(会計学)だけでなく工業簿記(原価計算)の問題も出題される。特に1級は分野毎の足切り制度もあるため、極端に苦手な分野がある人は要注意。
最難関の1級に合格すると税理士国家試験の受験資格が得られる。
また、3級より下位の初級(旧4級)というのもある。こちらは経理を目指す人向けではなく、社会人全般を対象者としている。
現在では従来のペーパー試験だけでなく、ネット試験(CBT)も併用して実施されている。ただし1級は今まで通りペーパー方式でのみ実施される。逆に初級はネット試験のみ実施されている。
難易度
1級は難関資格であり、全経の上級とほぼ同じくらいの難易度(あるいは日商簿記1級の方がやや難しい)とされる。ちなみに全経上級は日商1級と同様に税理士国家試験の受験資格となっている。
2級は全商1級・全経1級より少し難しいとされる。日商簿記自体が社会人向けの試験であるのもあってか難易度は意外と高く、偏差値50以上の名門商業高校ならともかく、一般的な商業高校では卒業までに日商2級に合格できる人はあまり多くないと言われている。また、2017年以降は(それまで日商簿記1級の出題範囲だった)連結財務諸表などの内容が追加されているので要注意。一部のサイトや資格ガイドブックでは、日商簿記2級を準難関資格(B級資格)と位置付けている場合もある。
3級は全商2級・全経2級と同じくらいの難易度とされる。簡単と思われがちだが、ガチの簿記初心者から見るとこの程度のレベルでも50時間以上の勉強は必要だと言われている。
税理士試験(簿記論・財務諸表論)>日商簿記1級>全経簿記上級>>日商簿記2級>全経簿記1級・全商簿記1級>日商簿記3級>全経簿記2級・全商簿記2級
社会的評価
一般的に経理職・事務職を正社員で狙うなら2級以上の取得が望ましいとされる。もっと言えば、試験合格だけでなく実務経験があると良い。公務員試験でも2級以上の合格者は加点対象となる場合がある(ちなみに他に加点対象となり得る資格としてはITパスポートや基本情報技術者、英検2級以上などがあげられる)。
一応3級でも履歴書には書けるのだが、個人商店やパートの事務職で多少有利になるくらいで、一定規模以上の企業ではあまり有利にならないことが多い。
また、2級以上を取得していると大学受験(特に推薦入試)で有利になる場合がある。難関国立大学として知られる一橋大学商学部でも日商簿記1級の合格者に対して出願を認めている(ちなみに他にも応用情報技術者試験や英検1級なども対象である)。
関連動画
関連項目
- 簿記
- 難関資格
- 資格の一覧
- 経済に関する記事の一覧
- 建設業経理検定(建設業経理士)…建設業界向けの簿記検定。日商簿記と異なり建設業界以外ではあまり評価されないが、その代わり2級以上であれば建設業界では高く評価される。
- BATIC(国際会計検定)…かつて実施されていた、問題文が全部英語で書かれた簿記検定。
- ビジネス会計検定試験…大阪商工会議所が主催している検定試験。
- ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP検定)…日商簿記と並んで有名なお金の資格。ただしこちらは国家資格である。
- eco検定(環境社会検定試験)…東京商工会議所主催の検定試験。
- 大原学園(資格の大原)
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