欠とは、欠けるという字である。
漢字として
欠は、二つの異なる漢字に対応している。缺(ケツ)の新字体の欠と、欠(ケン)である。ここでは缺(ケツ)、欠(ケン)の順で説明する。
缺・欠(ケツ)
- 意味
- 旧字は缺で、新字体は欠。
- 欠ける、欠点、破れる、不足する、キズ、欠場する、空位、という意味がある。缺は〔説文解字〕に「器の破るるなり」とある。
- 歇を代用する。
- 字形
- 夬声の形声、缶+夬の会意説がある。夬には切る、欠けたという意味がある。
- 音訓
- 音読みは、ケツ、ケチ、キ、訓読みは、かける、かく。
- 規格・区分
- 欠は常用漢字であり、小学校4年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。
- 缺は、JIS X 0213第二水準。
- 語彙
- 欠員・欠画・欠陥・欠如・欠席・欠場・欠損・欠点・欠本・欠落
異体字
- 𡙇は、〔康煕字典〕にある異体字。JIS X 0213第四水準。
- 𡚆は、〔康煕字典〕に𡙇の異体字。
- 缼は、JIS X 0213が欠の異体字とする字。JIS X 0213第四水準。
- 𦈫は、〔康煕字典〕が本字とする字。
欠(ケン)
- 意味
- あくび、くしゃみ、不足、少ない、滞納、負債という意味がある。〔説文解字(段注本)〕には「口を張りて、气悟(もと)るなり。气、儿上より出づるの形に象るなり」とある。
- 字形
- 口を開いた人の象形。
- 音訓
- 音読みは、ケン、訓読みは、あくび、かける。
- 声符
- 欠を声符とする漢字には、坎、芡、などがある。
- 部首
- 欠は部首である。口を開ける、声を発することを表す意符として用いられる。旁に置かれ、あくびなどと呼ばれる。
- 異体字
- 𣣓は、〔玉篇〕や〔集韻〕にある古文。
- 㐸は、〔集韻〕に異体字とある。
- 互換文字
- ⽋はUnicodeにおいて欠と互換とされる字で、部首としての欠を表す。
- 語彙
- 欠伸
- 4
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