お金で買えない価値がある。 買えるものはMastercardで。
(There are some things money can't buy. For everything else, there's Mastercard.)
Mastercardは、アメリカ合衆国に本社を置く国際金融サービス事業会社、及び同社が提供する各種カードの通称である。
概要
VISAに次ぎ、クレジットカードの国際ブランドとしての知名度が高い。日本でクレジットカードを作ろうとすると、楽天カードやクレディセゾンのように、「VISA」「Mastercard」「JCB」の3つの中からブランドを選択できる会社が多い(左記のうち選択肢が1つないし2つのみの会社もある)。
国際ブランドとしては、やはりVISAに次いで世界2位の地位を持っている。
日本においては、JCBやVISAブランドを牽引していた住友クレジット(→三井住友カード)に対抗するような形で、ダイヤモンドクレジット(DCカード、現在は三菱UFJニコスに統合)やユニオンクレジット(UCカード、現在はクレディセゾンに統合)などが最初に発行を行った。
かつて、発行会社と加盟店契約会社が異なる場合、日本国内ではMastercardのマークが提示されていてもMastercardを利用できないケースが存在したが(マイナーマスター問題)、現在ではよほど古い端末が残されているような店舗を除き、ほぼ生じることはなくなっている。
なお表記は「M」のみ大文字の「Mastercard」が正しい。以前は「MasterCard」だったが、2016年に現在の表記へと変更された。
発行カードの種類
Mastercardのブランドがついたカードは日本でもよく知られたクレジットカードの他、銀行口座から預金が引き出される形で即時決済がされるデビットカード、それに事前に専用口座へ入金した金額の範囲で買い物ができる、贈答品(ギフト)として用いられることもあるプリペイドカードが存在する。
ただし、Mastercardという企業自体は直接それらのカードを発行せず、Mastercardからライセンスを受けた銀行やカード会社が、そのブランドを冠してカードを発行するという形態をとっている。またデビットカードに関しては、オンライン決済に利用を限定するものに関して、Maestro(マエストロ)の独自ブランドを付与している。
なお、カードの種類にデビットやプリペイドがあり、ブランドを管理する会社がカードを直接発行しない形態をとっているのは、VISAと同様である。
しかしながら、VISAブランドのカードはデビット・プリペイド共に日本においても昨今になって発行する企業がある程度見られるようになってきたのに対し、Mastercardブランドのそれらカードは日本で一時発行されていても、現在ではその取扱いをやめてしまったケースが存在した。
日本で発行されるMastercardブランドのクレジット以外のカードとしては、auペイメントが提供する「au Pay プリペイドカード」と「WebMoneyCard」と呼ばれるプリペイドカード、それに楽天カードが提供する「楽天バーチャルプリペイドカード」というオンライン専用カード、更にアクセスプリペイドジャパンが提供する「キャッシュパスポート」という海外旅行専用プリペイドカードが存在する。デビットカードはVisaやJCBより少なく、住信SBIネット銀行とトマト銀行くらい。
インターネットを通じたり、海外旅行先で銀行口座を開設するなどして、日本人であっても海外で発行されたMastercardブランドのデビットカードないしプリペイドカードを入手することは可能である。
例えば、英王室領のマン島に本社を置く資金決済企業のNETeller(ネッテラー)が発行する「Net+カード」は、日本語版のサイトも用意されており、日本人でも入手することが容易なプリペイドカードの代表的な存在である。
Mastercardブランドのクレジットカードには、Mastercardが5つのランクを設定している。具体的には以下の通りである(下へ行くほどランクが高くなる)。
- Standard Mastercard(スタンダード、一般)
- Gold Mastercard(ゴールド)
- Titan Mastercard(チタン)
- Platinum Mastercard(プラチナ)
- World Mastercard(ワールド)
また、非接触型電子マネーとしてはMastercardコンタクトレス(旧名:PayPass)を開発しており、世界中で普及を進めている。日本においてFeliCa規格のVisa Touchを独自導入したVISAとは異なり、MastercardはISO/IEC 14443 TypeA(MIFARE)規格(IC通信の国際標準規格)のPayPassを日本においてもそのまま導入した。
コンタクトレスを搭載したカードは、オリエントコーポレーション(オリコ)やジャックスが初期から力を入れていたほか、2020年以降は楽天カードも発行を行なうようになったが、TypeAはFeliCaとは通信規格が異なっている。そのため当初、おサイフケータイでの利用は不可能であった。
現在ではiPhoneのApplePayにカードを登録することで、コンタクトレスのサービスが利用可能となっている。
CMとキャッチコピー
Mastercardが日本を含む世界で流しているCMには、以下の様な共通するワードが頻繁に登場する。
"There are some things money can't buy. For everything else, there's Mastercard."(お金で買えない価値がある。買えるものはMastercardで)
日本においても、VISAが提唱する"World Currency"(世界通貨)と同様に、Mastercardを象徴するワードとして高い認知度があり、ニコニコ動画を始めとして、このワードやそれが登場するCMをもじった動画が作成・投稿されたりしている。
関連動画
関連項目
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