Hattenとは、Flashムービー創成期に登場した作品「Hatten är din」の通称である。同作に使用された楽曲「Miin Ma Kenti」を指している場合もある。
概要
レバノンの歌手、アーザール・ハビブ[1]が「Miin Ma Kenti(原文:من ما كنتي تكوني)」というラブソングを1981年に発表。その16年後、パトリック・ニューベリ(Patrik Nyberg)、ユーハン・グレンダール(Johan Gröndahl)、ペート・バッゲ(Pet Bagge)という謎のスウェーデン人3人組が、この曲がスウェーデン語の空耳として聞こえることを発見し、空耳歌詞が作られた。
そこから、酔っぱらいに帽子をかぶせて冷やかす歌「Hatten är din」へと発展し、Flash動画が世界中を駆けめぐった。トルコの伝統衣装を着た人々の頭を帽子が飛び交い、頭上に葬式の道案内のような指差しマークが現れるのが印象的な作品である。
9.11直後にWTCの掲示板に同作品が貼られ、追悼記帳をするなどのために訪れると、いきなりアラブ語の音楽が鳴り響くというカオスな状態になった。
原曲・空耳の日本語訳は、故・ミケネコ氏による「わかりやすい Hatten の話」に掲載されている。
日本でのHattenの登場~今に至るまで
Hattenが日本のインターネット上で周知されるのにはそれほど時間がかからなかった。
2chモナー板でこのフラッシュが紹介され、Flashムービーに衝撃を受けた住民たちが「自分も作ってみたい」とFlash作成に精を出し、後の有名作品を生みだした。当時は「ネット上における動画=GIF」という認識だったため、長時間かつ音が出る動画を軽容量で簡単に見られること自体衝撃的だったのである。
それにより、文字と写真が主流だったインターネットに「動画」という新しいスタイルの楽しみが増え、Flashの無限の可能性というものをネット住民に知らしめた。
Flashが広く知れわたると、動画だけでなく、ページの装飾・インターフェイス・広告などにも柔軟に使用できるものと理解され、より一層日本のインターネット技術の向上・普及が進んだ。
そして、Flash黄金時代が終焉を迎え、サポートも終了した現在・・・・・
Youtube・ニコニコ動画など配信サイトが主流の現在においても、Flashによって培われた空耳、MAD、パロディ、オリジナル作品・・・型に囚われない『面白いの追求』はネット文化の根幹を担っている。
Hatten・・・それはまさしく今日を「発展」させたFlashなのだ。
関連動画
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関連項目
脚注
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