unbirthday(アンバースデー)とは、誕生日以外の364日(うるう年の場合は365日)のこと。誕生日を意味する「birthday」に、否定の接頭辞「un-」をつけた造語である。
概要
ルイス・キャロルの児童小説『鏡の国のアリス』に登場する単語。作中では、登場人物に贈られた「un-birthday presents(非誕生日のプレゼント)」についての言及があるのみで、特に誕生日ではない日を祝う描写はないようだ。
ディズニー映画『ふしぎの国のアリス』(原作の『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』が一緒になったもの)では、「unbirthday party(非誕生日のパーティー)」のシーンが描かれており、「A Very Merry Unbirthday to You!(非誕生日おめでとう!)」という歌とともにお祝いの「unbirthday cake(非誕生日ケーキ)」が贈られている。
ちなみに、東京ディズニーランドにはふしぎの国のアリスをモチーフとしたレストラン「クイーン・オブ・ハートのバンケットホール」があり、そこで「アンバースデーケーキ」が実際に販売されている。ケーキのプレートには「Happy Unbirthday」と書かれているが、キャストに頼むと「Happy Birthday」に変更してもらうことも可能である。
日本語でどう訳すか
鏡の国のアリス/ふしぎの国のアリスの翻訳は数多く出版されているが、unbirthdayの訳語は一定していない。「非誕生日」「不誕生日」「誕生日じゃない日」「誕生しない日」などと訳されているほか、「アンバースデイ」とカタカナ表記しているものもある。
これらは活字であれば特に違和感なく読めるものの、実際に声に出すと違和感があったり歌の文字数に合わなかったりする。そのため、ディズニー映画では曲名の「Unbirthday Song」を「お誕生日じゃない日のうた」とした上で、「A Very Merry Unbirthday to You!」という歌詞は「なんでもない日ばんざい!」と訳された。この一文からは「誕生日以外の日」という意味合いは読み取れないため、物語の文脈を離れた場面で言及する際には注意が必要である[1]。ちなみに「Today is my unbirthday」という台詞は「今日は私の生まれない日」と訳された。さすがに「今日は私のなんでもない日」では意味が通らなかったようだ。
これに対し、詩人で翻訳家のアーサー・ビナードは「誕じゃない日(たんじゃないび)」という訳語を選択している。「誕生日以外の日」という意味を保ちつつ、「たんじょうび」との語感のバランスも考慮された名訳ではないだろうか。もちろんこれが正解というわけではないので、あなたも良い訳が浮かんだら掲示板に書き込んでいただきたい。
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関連項目
この記事を誕生日じゃない日に見に来た人へ・・・
お誕じゃない日おめでとう!
脚注
- *ディズニーの日本公式Twitterアカウントが、多くの日本人にとってなんでもない日ではないとされる日に「なんでもない日おめでとう」と投稿し、物議を醸した事例
が有名。問題となった日以外にも366日すべてがどこかの誰かに何かがあった日であり、「なんでもない日」はどこにも存在しないことから、不特定多数に向けて「なんでもない日おめでとう」と発信することは非常に困難だと結論づけることもできる。
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