アクア・マスターとは (アクアマスターとは) [単語記事]

｢己の弱さが敗北させるのだよ！｣

---アクア・マスター

アクア・マスターとは、TCG「デュエル・マスターズ」に登場するカードである。

能力

マナコスト6　水文明　クリーチャー　パワー4000
リキッド・ピープル
■このクリーチャーが相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかった時、相手のシールドをひとつ選び、表向きにする。（シールドゾーンにある間、そのシールドは表向きのままプレイする）

概要

初出は第9弾「覇道帝国の絆（インビンシブル・ブラッド）」。レアリティはスーパーレア。
恐らく、デュエル・マスターズにおいて「ボルシャック・ドラゴン」「ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン」「無双竜機ボルバルザーク」らと並んでかなりの知名度を誇るカードである（もっとも、それらとはベクトルがかなり違うが）。

相手プレイヤーへの攻撃がブロックされなかった場合、相手のシールドを1枚、それがブレイクされるまでの間表向きにするという、一風変わった能力を持つ。…のだがこの能力には突っ込みどころがかなり多い。

第一に、この能力は攻撃しないと発動しないアタックトリガーであるということ。よって、場に出てから1ターン経たなければこの能力を使うことができない、つまりタイムラグが存在するのである。
第二に、このクリーチャーのパワーがたったの4000であり、攻撃を当てるだけでも苦労するということ。相手の場にブロッカーがいればまず攻撃は当たらない、そのブロッカーのパワーが4000以上であれば尚更である。よって、攻撃の前に他のクリーチャーの効果や呪文でそれらを処理してからでないと効果を使うことは難しい。
第三に、実際に攻撃を当てて効果を使ったとしても、直接的なアドバンテージは取れていないということ。デュエル・マスターズにおいて「相手のシールドを確認する」という行為は、手札が増えるわけでもマナが増えるわけでもないため、基本的に得にはならない。一応、相手のシールドを確認することによって攻撃の順番を工夫することができなくもないが、そもそもそうしたいのならば

2コストで相手のシールドを3枚見れる水呪文「マインド・サーチ」
4コストで相手のシールドと手札を見れる水呪文「リキッド・スコープ」
5コストで場に出たときにシールドを表にできる光エンジェル・コマンド「処罰の精霊ウラルス」

といった明らかにこいつよりもコストパフォーマンスの良いカードが多数存在し、それらを使った方が手っ取り早い。つまり、わざわざこいつでこんな面倒くさいことをする必要がない。

己の弱さが敗北させるのだよ（笑）

…と、前述の通りこのカードには数多くの突っ込みどころが存在し、はっきり言ってしまえば弱い。しかしどういうわけか、このカードのレアリティはスーパーレアである。とりわけ初期のデュエル・マスターズのスーパーレアは「派手だが使いづらい」というパターンが多いのだが、このカードも間違いなくその一枚である。
更にはこのカードの初出時のテキストが

■このクリーチャーが相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかったとき、相手のシールドを1枚選び、表向きにしてプレイする。

というなんだかよくわからないものであったために、解釈に苦しんだプレイヤーも少なくない。
挙句の果てには、「アクア・マスター」本人の台詞そのままのフレーバーテキスト（この記事冒頭の文章）すら自身に対する自虐であると見えてしまう人も多く、とにかくネタに事欠かない1枚であると言えるだろう。

…しかし、その弱さに反してタカヤマトシアキ氏によるイラストは美麗で秀逸であり、一見の価値アリ。

まさかの再録

そんな「アクア・マスター」だが、どういうわけか2013年に発売された「ブラック・ボックス・パック」にて初めて再録されることとなった。2004年に初収録となって以来、実に約9年ぶりのパック収録である。
これにより、最近になってデュエマを始めたという新参プレイヤーも簡単にこのカードを手に入れることができるようになった。ハズレアいうな

…のだが、新規に書き起こされたフレーバーテキストは、もはや見える見えないの問題ではない完全な自虐になってしまっている。