エゾクロテンとは、動物の一種である。
イタチ科テン属の動物。英名は「Sable」、学名は「Martes zibellina brachyura」。ユーラシア大陸北部に広く生息するクロテンの亜種。日本に分布する唯一のクロテンであり、北海道の石狩以東の森林地帯に生息している。
頭胴長は30~50cm、体重は0.6~1.5kgほど。体毛の色は個体差があり、黄色っぽいものから茶褐色のものまで多種多様である。
食性は、ネズミやリスのような小型ほ乳類、昆虫、ヘビ、カエル、果実など幅広い。アイヌ民族からは「カスペキラ」(日本語で「しゃもじを盗むもの」という意味)と呼ばれており、たびたび集落に現れては食料を盗んでいたようだ。
明治時代の大規模な開拓に伴いエゾクロテンは乱獲され、1920年からは保護獣に指定された。戦後以降は北海道の森林伐採や人工林化、リゾート・ダムの開発により生息域が減少。さらには1940年前後に毛皮業者によって導入されたニホンテン(ホンドテン)との競合に敗れ、北海道南西部からは姿を消している。
日本の環境省のレッドリストでは、「準絶滅危惧種(NT)」と評価されている。早期に開発された石狩はテンが自生できるような森林が少ないため、ニホンテンの石狩以東への入植を結果的に防ぐことができている。
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最終更新:2025/12/06(土) 21:00
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