オリエンタルアートとは、ステイゴールドの正妻1997年生まれの日本の競走馬である。
競走馬としては条件馬止まりであったが、繁殖牝馬として2頭の優駿を産み出した名牝。
父メジロマックイーン、母エレクトロアート、母の父ノーザンテーストという血統。
父は天皇賞(春)連覇などGⅠ4勝を挙げた名優。種牡馬としては異系系統として期待されていたが、長距離血統だったせいか多くの活躍馬を輩出することはできず、重賞馬を数頭出す程度に留まった。
母は中央競馬で4勝を挙げている。母の父はフォレ賞の勝ち馬で、種牡馬として日本に輸入されて通算10回もリーディングサイアーに輝いた大種牡馬である。
1997年5月19日に北海道白老町の社台コーポレーション白老ファームにて誕生。馬主は一口馬主の法人であるサンデーレーシング。所属はダートで重賞2勝を挙げたタケスケーポイントを管理する田所清広調教師の厩舎となった。
デビューしたのは4歳の春と遅く、2月26日の阪神競馬場のダート1800mの4歳新馬戦にセバスチャン・サンダースを背に6番人気で出走。2番手の追走から最終コーナーで先頭に立って押し切りを図るも後続に交わされ3着。
続いて3月18日に阪神競馬場のダートの1800mの4歳新馬戦に主戦騎手となる池添謙一騎手を背に1番人気で出走。2番手の追走から直線で突き抜けて4馬身差の圧勝で初勝利を飾った。
クラシック競走を目標として優駿牝馬の前哨戦である忘れな草賞(OP)に7番人気で出走。初芝だったせいか全く勝負にならずに13着と惨敗している。
その後は4歳500万以下を4戦するもすべて大敗。しかし、初の古馬との対戦となる12月の阪神競馬場の4歳以上500万以下の一般戦に8番人気で出走すると、ハナを奪ってそのまま逃げ切り勝ち収めて2勝を挙げた。
続いて12月下旬の阪神競馬場の4歳以上900万の一般戦に11番人気で出走して6着になっている。
古馬初戦は1月14日の京都競馬場の4歳以上900万以下の一般戦に8番人気で出走。番手の追走から後続の追撃をクビ差で振り切って3勝目を挙げた。
続いて格上挑戦で重賞初参戦となり京都牝馬ステークス(GⅢ)に秋山真一郎騎手を背に出走。以前出走した芝の忘れな草では大敗していたため人気がなく最低人気の16番人気であった。レースでは最後方待機から上がり2位の34.5秒で追い上げるも10着に敗れた・
続いても格上挑戦で中山牝馬ステークス(GⅢ)に嘉藤貴行騎手を背に10番人気で出走。前走とは違い先行での競馬をするも、踏ん張れずに後続に交わされてしまい11着に大敗。重賞挑戦は苦いものとなった。
その後は自己条件に戻って1600万以下の特別戦を3戦するも何れも大敗する。
再び格上挑戦を行って愛知杯(GⅢ)に酒井学騎手を背に11番人気で出走。中団後方での競馬となるが伸びることなく13着に惨敗した。
自己条件に戻ってタイラントカップ(1600万以下)に田島信行騎手を背に出走。9番人気という低評価であったが、逃げの手を打って後続を牽引して粘り込みを図るもフサイチユーキャンに差されて3/4馬身差の2着。ちなみに後に府中牝馬ステークスを勝つことになるマルカキャンディとクイーンステークスを勝つことになるミツワトップレディには先着して未来の重賞馬を負かしていた。
その後は降格して1000万以下の条件戦に年を跨いで出走するも何れも大敗。2002年7月7日の加古川特別(1000万以下)11着を最後に引退。通算成績23戦3勝。勝利は全てダート戦かつ池添騎手が騎乗していた。引退後は繁殖牝馬となった。
引退後は生まれ故郷である白老ファームで繁殖入りとなる。なお、産駒は種付けをする前から、開業予定の新人調教師である池江泰寿(池江泰郎の息子)の厩舎に入厩することが決まっていた。このため、初年度は白老ファーム産で父泰寿の管理馬でもあったステイゴールドが交配相手に選ばれた。
2004年にステイゴールドとの間に生まれた第1仔ドリームジャーニーは2006年に朝日杯フューチュリティステークスを制して早くも産駒GⅠ初制覇となる。その後はやや低迷するも復活を果たして2009年には宝塚記念と有馬記念を制して春秋グランプリ制覇を達成した。
2007年にはディープインパクトを交配するも、3度種付けを行っても受胎しなかった。仔がいない空胎を避けるために、既に実績を出していたステイゴールドとの交配を再び行い見事に受胎した。
こうして翌2009年に誕生した第5仔オルフェーヴルは中央競馬のクラシック競走である皐月賞・東京優駿・菊花賞を全て制して七代目の三冠馬となった。その後も有馬記念2回優勝・宝塚記念を制するなどの勝ち星を挙げ、他にも凱旋門賞を2着2回と好走した。
ドリームジャーニー・オルフェーヴル兄弟が成功したことにより、2009年以降の交配は全てステイゴールドが相手となったが、そう上手くはいかないのが競走馬の繁殖。5頭誕生したが、若駒ステークスを勝ったリヤンドファミユとフィリーズレビューで3着に入ったデルニエオールがいい方で、何れも2頭には遠く及ばなかった。
2015年3月4日に第11仔となる牝駒を出産するも、その3日後の3月7日に子宮穿孔による腹膜炎のために現18歳で死去。相性の良かったステイゴールドも同じ年の2月5日に亡くなっており、後を追う形となった。
出産した産駒11頭、内8頭が勝利(勝てなかった3頭の内1頭は未出走馬)。中央競馬で産駒が挙げたGⅠ勝利数は9勝で、これはダイワメジャー・ダイワスカーレットを輩出したスカーレットブーケに匹敵するものである。
牝馬産駒は死亡した第9仔エストソルシエール以外は全て繁殖牝馬となっている。また、ドリームジャーニーは馬格の小柄さと粗末なちんちんで苦労するも優秀な産駒を送り出しており、オルフェーヴルは適性が割と謎だが複数のGⅠ馬を含む重賞馬を輩出しており、リヤンドファミユは早期に引退したが産駒が勝ち星を挙げた。オリエンタルアートの血はこれからも受け継がれていくだろう。
メジロマックイーン 1987 芦毛 |
メジロティターン 1978 芦毛 |
メジロアサマ | *パーソロン |
*スヰート | |||
*シェリル | *スノップ | ||
Chanel | |||
メジロオーロラ 1978 栗毛 |
*リマンド | Alcide | |
Admonish | |||
メジロアイリス | *ヒンドスタン | ||
アサマユリ | |||
エレクトロアート 1986 栗毛 FNo.8-c |
*ノーザンテースト 1971 栗毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Lady Victoria | Victoria Park | ||
Lady Angela | |||
*グランマスティーヴンス 1977 栗毛 |
Lt. Stevens | Nantallah | |
Rough Shod | |||
Dhow | Bronze Babu | ||
Coastal Trade |
太字は記事のある競走馬。
掲示板
3 ななしのよっしん
2024/01/27(土) 13:24:35 ID: Hiu/wxmg9Y
ステゴの父サンデーとアートの父マックイーンは恋人同士
ステゴが初めて勝ったその日に母が産気づいて翌日に産まれた
全兄のシュペルノーヴァはステゴの後輩(同じ厩舎)
(国内)最後の勝利がどちらも2001年1月14日
ステゴの引退式の日にも京都のレースに出走している
鞍上が池添(後に産駒のドリジャ、オルフェにも騎乗)
繁殖としては社台放出の話もあったが全兄の好馬体を理由に残留
後から見ると伏線が張り巡らされていることに気付くタイプの名作
4 ななしのよっしん
2024/02/04(日) 11:23:12 ID: TGGedn/IhW
更に初仔がいきなりGⅠ3勝+グランプリ春秋制覇、その全弟がクラシック3冠+凱旋門賞2年続けて2着+顕彰+毎年のように産駒がGⅠを積み上げる究極のサクセスストーリーで自身が勝った相棒と挙げてゆく。
そして本人?は相性抜群だった片割れの後を追うかのように世を去る…競馬の神様筆ノリ良すぎるだろ
5 ななしのよっしん
2024/08/24(土) 04:00:42 ID: v5rtmVSyPb
「来世も二頭が一緒にいられますように」とオリエンタルアートの墓の中にステイゴールドの鬣が納められたという話を聞いて泣いた
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最終更新:2025/04/02(水) 19:00
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