成すために
映画のヒロインがつぶやく
何かを成し遂げるには
人生はあまりに短いと
なるほど時は否応なく過ぎ
チクタク針は止まらない確かにセリフはこう続く
けど何もしないでいるには
少し長すぎるのよだったら挑戦してみよう
自分にもできることを探そう
ティコティコタックとは、1997年生まれの日本の競走馬である。
特徴的な馬名の由来は、ショーロの名曲「Tico Tico No Fuba」の別名「ティコティコ」とスペイン語で時計の音や心臓を意味する「タック(Tac)」から。言いづらい馬名でも有名で、実況ではしょっちゅう「チコチコタック」と言われたが発音的にはまあ間違いでもなかったりする。
父サッカーボーイ、母ワンアンドバンブー、母父ブライアンズタイム。父は「弾丸シュート」と呼ばれた鬼脚を武器に活躍、種牡馬としても前年に菊花賞馬ナリタトップロードを出すなど内国産種牡馬のエース格に成り上がっていた。母はバンブー牧場ゆかりの血統で非常に古い牝系の出だが、この時期を以てしても全く活躍馬がいない斜陽の血統だった。したがって冠名はついていないがバンブー牧場の所有馬である。
デビューは遅れに遅れて旧4歳3月。2ヶ月で5戦して、やっと初勝利を挙げたその日にオークスも終わってしまった。春クラシックとは100%無縁だったのである。
夏は札幌に遠征し、古馬相手に4戦2勝。4戦連続で上がり最速と末脚に磨きをかけ、上がり馬として秋華賞に乗り込む。しかしここまで半年で11戦もしている・・・走りすぎや。
この年の牝馬戦線は混戦模様で、桜花賞馬チアズグレイス、オークス馬シルクプリマドンナ、2歳女王ヤマカツスズランがローズSで揃って馬券圏外に敗戦。そのローズSを6番人気の条件馬ニホンピロスワンが勝ち、11番人気のトーワトレジャーが3着に突っ込んでしまう波乱。紫苑Sすら1倍台の1番人気ジャックカガヤキが4着に撃沈し出走権を逃すなど、もはやどれを買ったらいいのかわからない状況だった。
そんな状況なら前走超スローの流れをすげえ末脚で押し切ったティコティコタックにも穴人気が集まりそう…だったが、蓋を開けたら10番人気。人気順に並べると確かにそうかな、って感じもするが、それを差し引いても人気がなかった。理由は明確。馬体重-20kgだったのである。ただでさえちっこい馬なのに、デビュー以来最低の420kg。そりゃ買えないですよ。まあ、鞍上が横山典弘から武幸四郎に変わったのも多少影響したかも…
本番、前走14着だった2歳女王ヤマカツスズランが逃げ、チアズグレイスが2番手。シルクプリマドンナやニホンピロスワンは後方に控える展開。ティコティコタックはインコースの4番手という絶好位につける。レースは淡々と流れ、そのまま直線へ向く。ここで幸四郎が仕掛け、力尽きたチアズグレイスの内を突いて一気に末脚を伸ばす。後方のシルクプリマドンナやニホンピロスワンは全然伸びてこない。逃げたヤマカツスズランが止まらずヤバいかと思われたが、確実に差を詰めて残り50mで逆転。そのまま半馬身差をつけてゴールイン。10番人気を覆す大金星を挙げた。2着にそのまま7番人気のヤマカツスズランが粘ったことで、馬連3万円の荒れた秋華賞となった。
鞍上の武幸四郎は5年目の初GⅠ。京都内回りのお手本になるような好騎乗を見せた。勝利後、インタビューで目を真っ赤にした幸四郎を覚えている人もいるかもしれない。泣いてたわけじゃなく結膜炎だったらしいけど、ドクターストップがかかっていたところを無理して乗ったそうだから期するものはあったのだろう。
その後ティコティコタックは10戦して勝ち星なしに終わったが、重賞で2着2回3着2回と安定した成績を残した。歴史に残る大接戦だった2001年のエリザベス女王杯でもトゥザヴィクトリーからハナ+ハナ差の3着に突っ込み、この年の二冠牝馬テイエムオーシャンとオークス馬レディパステルを差し切る激走を見せた。
引退後は故郷のバンブー牧場に戻り繁殖牝馬として繋養。子出しは非常に良いのだが、主流から弾き出された血統ゆえか活躍馬には恵まれていない。2018年に繁殖生活を終え、功労馬としてバンブー牧場で余生を過ごしている。
| サッカーボーイ 1985 栃栗毛 |
*ディクタス 1967 栗毛 |
Sanctus | Fine Top |
| Sanelta | |||
| Doronic | Worden | ||
| Dulzetta | |||
| ダイナサッシュ 1979 鹿毛 |
*ノーザンテースト | Northern Dancer | |
| Lady Victoria | |||
| *ロイヤルサッシュ | Princely Gift | ||
| Sash of Honour | |||
| ワンアイドバンブー 1991 黒鹿毛 FNo.4-g |
*ブライアンズタイム 1985 黒鹿毛 |
Roberto | Hail to Reason |
| Bramalea | |||
| Kelley's Day | Graustark | ||
| Golden Trail | |||
| ドロレスバンブー 1984 青鹿毛 |
*ジョンティオンブル | No Mercy | |
| Kirisana | |||
| シェンバンブー | *ヴェンチア | ||
| ブラックバンブー | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
せっかくなので、馬名の由来となった曲「Tico Tico」なんていかがでしょう。
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最終更新:2025/12/12(金) 12:00
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