豊穣を祝うエレシウスの秘義にも使われたとされる、古代ギリシャの代表的な料理…なのだが、基本的に神話にしか登場しないこと、エレシウスの秘義の情報が門外不出とされたこと、などから具体的なレシピは残っていない。
という、穀物をベースにした粘性の高い液状の料理、つまり麦粥として紹介されている。
オリンポス十二神の一柱であるデーメーテールにはゼウスとの間にコレー(経緯は後述するがペルセポネーのことである)という娘がいた。しかしある時コレーは冥界の神ハーデスに連れ去られ、ゼウスの口約束もありハーデスの妃にされてしまう。デーメーテールは怒り狂い豊穣の神としての仕事を放棄し、娘を探しに人間界に降りる。
思いつめ飲まず食わずのデーメーテールであったが、ある時エレシウス領のとある民家へとたどり着く。その家で家人のもてなしを受け、ようやく食べ物を口にした。その食べ物こそキュケオーンだったのである。そして見かねたゼウスによって、コレーは一年の三分の二は戻ってくることとなり、デーメーテールは再び神の職務に戻ったのである。
…というギリシア神話で季節の起源とされる、ペルセポネーの略奪と呼ばれる極めて有名な神話に、キュケオーンは登場するのである。
古代ギリシャのホメーロスが記したとされる叙事詩『オデュッセイア』には、次の話が載せられている。
トロイア戦争から国に変えるために海をさまようオデュッセウスであったが、ある時キルケーの住むアイアイエー島にたどり着く。キルケーはオデュッセウス達を歓待するふりをして料理に毒薬を混ぜ、まずオデュッセウスの部下たちが豚に姿を変えられてしまう。
次にキルケーは毒薬を混ぜたキュケオーンをオデュッセウスに差し出すが、ヘルメースから薬草モーリュを受け取っていたオデュッセウスは魔法を打ち消し、観念したキルケーはオデュッセウスの部下たちも元に戻した。
オデュッセウスは結局キルケ―とともに1年を過ごし、部下の帰還を望む声でようやくキルケ―のもとを去ることを決意し、キルケーはセイレーンやスキュラといった危険を忠告し彼らを見送ったのであった。
…というオデュッセウスの冒険譚のひとつの話の中に、キュケオーンは登場するのである。
掲示板
19 ななしのよっしん
2019/06/22(土) 22:54:11 ID: OCwxFKjx5W
20 ななしのよっしん
2019/09/08(日) 19:01:13 ID: hOyueQujDL
当時の大麦は麦角菌に感染したものが少なくなかったから、麦角菌由来の化学物質が向精神作用をもたらしたと聞いたが
その作用が理由でエレウシスの秘儀に使われてたとかなんとか
21 ななしのよっしん
2020/01/12(日) 04:20:46 ID: OzztytQ4Px
作った人もいる
>>sm34797515
>>sm36192486
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最終更新:2024/05/12(日) 00:00
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