キュケオーン 単語

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キュケオーン

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キュケオーンとは、古代ギリシャ料理である。

概要

を祝うエレシウスの秘義にも使われたとされる、古代ギリシャの代表的な料理…なのだが、基本的に神話にしか登場しないこと、エレシウスの秘義の情報が門外不出とされたこと、などから具体的なレシピは残っていない。

一応様々な情報を手掛かりとして関連商品にある本などでは、

  1. 材料大麦の挽き割り粉とミントを調合する
  2. 食べ物と飲み物の中間のような料理
  3. はかき混ぜて濃くする

という、穀物をベースにした性の高い液状の料理、つまりとして紹介されている。

デーメーテールとキュケオーン

リンポス十二の一柱であるデーメーテールにはゼウスとの間にコレー(経緯は後述するがペルセポネーのことである)というがいた。しかしある時コレーは冥界ハーデスに連れ去られ、ゼウスの口約束もありハーデスの妃にされてしまう。デーメーテールは怒り狂い豊としての仕事を放棄し、を探しに人間界に降りる。

思いつめ飲まず食わずのデーメーテールであったが、ある時エレシウス領のとある民家へとたどり着く。その人のもてなしを受け、ようやく食べ物を口にした。その食べ物こそキュケオーンだったのである。そして見かねたゼウスによって、コレーは一年の三分の二は戻ってくることとなり、デーメーテールは再びの職務に戻ったのである。

…というギリシア神話で季節の起とされる、ペルセポネーの略奪と呼ばれる極めて有名な神話に、キュケオーンは登場するのである。

キルケーとキュケオーン

古代ギリシャのホメーロスが記したとされる叙事『オデュッセイア』には、次の話が載せられている。

トロイ戦争からに変えるためにをさまようオデュッセウスであったが、ある時キルケーの住むアイアイエーにたどり着く。キルケーはオデュッセウス達を歓待するふりをして料理毒薬を混ぜ、まずオデュッセウスの部下たちがに姿を変えられてしまう。

次にキルケーは毒薬を混ぜたキュケオーンをオデュッセウスに差し出すが、ヘルメースからモーリュを受け取っていたオデュッセウス魔法を打ち消し、観念したキルケーはオデュッセウスの部下たちも元に戻した。

オデュッセウスは結局キルケ―とともに1年を過ごし、部下の帰還を望むでようやくキルケ―のもとを去ることを決意し、キルケーはセイレーンやスキュラといった危険を忠告し彼らを見送ったのであった。

…というオデュッセウスの冒険譚のひとつの話の中に、キュケオーンは登場するのである。

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