チャールズ・サンダース・パース(1839~1914)とは、19世紀に活躍した哲学者であり、プラグマティズムの創始者ともいうべき存在である。
アメリカのマサチューセッツ州ケンブリッジ生まれで、大学教授の息子として生まれた。ハーバード大学で数学・物理学を学び、卒業後はハーバード大学天文台や合衆国沿岸測量所の技師として活動しながら、「形而上学クラブ」を創設。しかしいくつかの論文を発表したものの、離婚をめぐるスキャンダルで教授にはなれず、貧困状態で長い時間を過ごした。
まず、パースにとって何かに対する知識とは、その何かに対する行動の結果予測である。そのため知識は検証可能なものに限られ、こうした立場からプラグマティズムと呼ばれる哲学の新たな潮流が誕生した。
パースは、これまでの哲学と異なり日常の実験や観察などで得た納得いく説明のできる知識を真理とみなしていった。この立場は、「真理」が絶対的な真理ではなく実験や観測などによって絶えず更新される、という可謬主義と呼ばれるものである。
加えて、プラグマティズムでは、抽象的な問題ではなく、実際に起きている問題を取り扱う。そこで思考方法として用いられたのがアブダクションである。アブダクションとは、何かに遭遇した時仮説を立てていく推論方法のことで、一般的原理から個別の真理を突き止める演繹法、たくさんの事実から一般論を導き出す帰納法と異なり、新しい知識を獲得するのに適しているのだ。
こうしてパースによって導入された諸概念により、英米哲学の一大潮流が作られたのである。
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最終更新:2025/12/05(金) 20:00
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