バーバリライオン 単語

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バーバリライオン

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バーバリライオンとは、食ネコ科に分類されるライオンの一亜種
かつては北アフリカモロッコ周辺に生息していた。モロッコの現地等で使われるアトラスライオンという別名も有名。

概要

全長はなんと3メートルあり、体重は200キロほど。この大きさはライオン仲間の中でもかなり大きな部類に入る。胴体まで伸びる長い鬣と厚い胸が特徴的なライオンであり、反面脚はやや短め。

ローマ帝国が栄えていた時代、北アフリカに乗り出したローマ軍は、たくさんのバーバリライオンを戦利品として捕獲した。見たからし明らかにでかくて強そうなバーバリライオンは、見世物には打ってつけだった。
そのためバーバリライオンは、余としてコロッセオなどにおいて闘士とデスマッチをやらされていた。観客の奮ときたら、その熱気がにも昇るかのような勢いだったらしい。

また、初代ローマ法王は死刑執行者としてこのバーバリライオンを重宝した。当時弾圧の対となっていたキリスト教徒や、犯罪者などの処刑する者として、バーバリライオンはよく用いられていたようだ。

ローマ帝国が衰退した後も、バーバリライオンに安寧の時代は訪れなかった。次々と列強が進出してくると、今度は単純に趣味ハンティングの対としてバーバリライオンは狙われた。
こうして生息地を減らしていったバーバリライオンはアトラス山脈へと逃げこむことになった。厳しい自然環境の土地だったため、人間の開拓の手が及ばないそこは人の手が入りにくかった。が、それはバーバリライオンにとって試練の土地にして最後の砦でもあった。
だが、ハンティングの手は緩むことはあっても絶えることはなく、1922年に最後の個体が射殺されたことで野生絶滅種となった。

1996年にまさかの再発見の報がもたらされる。が、純血種かどうかはかなり怪しいという判定であり、しかも1頭しか発見されなかった。よって、どの絶滅判定がやや先送りになるだけでしかなかった。
飼育下のバーバリライオンもほとんど混血種しか存在せず、実質絶滅状態のライオンだった。

奇跡の純血種生存

これまでバーバリライオンは混血種か、純血種っぽい個体しか発見されてはいなかった。しかし、2012年なんとかつてのモロッコ国王ムハンマド5世の私設動物園において、純血種のバーバリライオンが飼育されていることが判明した。

当時、内の各部族は王への忠としてこのバーバリライオンを献上しており、そんなバーバリライオンを集めて飼育していたのが、ムハンマド5世の個人的動物園だった。
現在、後にモロッコ首都に開設されたラバト動物園において個体数の約半数が飼育されており、しかも開園直後に3頭のバーバリライオンが生まれるなど、明るいスタートとなった。

現段階で純血のバーバリライオンが地球上に生き残っていたというニュースは「あの動物も生き残っているかも……」という一縷の望みを人類に抱かせるに至った。
しかし、判明したのが2012年とかなり最近なったためか、そのことを知る人は少ない。また生き残っていたとはいえ、生存数は100頭以下という繁殖体系はいつ野生絶滅してもおかしくなく、依然厳しい状況であることに変わりはない。
現在飼育員を担当するアブルラヒム・サヒル氏は、AFP通信の取材に対し「大きな挑戦だ」と意気込んでいる。

なお、この動物園とバーバリライオンは、かつての植民地支配を受けてもなお現存する、モロッコの数少ない歴史文化財のひとつである。1956年独立以降その存在はより注を集め、現在では同民的人気スポーツであるサッカーモロッコ代表が「アトラスライオンズ(Atlas Lions)」の称で呼ばれるほどである。

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純血種生存が知らされたのが最近であったため、今でも絶滅という表記のままの文献などは多い。

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最終更新:2024/11/08(金) 17:00

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