パラソルをさしてとは、ライトノベル「マリア様がみてる」の第11巻、及びそのエピソードである。2002年7月1日に発売。
前回の「レイニーブルー」で、絶望のどん底にたたき落とされた福沢祐巳は、昨年度の白薔薇さま(ロサ・ギガンティア)の佐藤聖に救われる。聖とその知り合いである加東景の温かい励ましで立ち直った祐巳に対して、小笠原祥子は祐巳にしてしまった辛い仕打ちを悔やむ一方、ある悲しい別れが原因で再起不能なまでに打ちひしがれていた。そんな中、祥子の姉(グラン・スール)だった前の紅薔薇さま(ロサ・キネンシス)の水野蓉子が、祐巳の元を訪れる・・・
祐巳と祥子の仲直りを中心に描いたこのエピソードは、マリみての中でも最も人気の高い神回との呼び名が高い。前作で鬱になった読者の心も、重い雲の上には澄み切った青い空が広がっているように、晴れやかな気持ちにさせてくれる。第一作の出会いから、様々なすれ違いを乗り越えて絆を深めていった祐巳と祥子の物語は、実質上この話で完結したと言っても良い(なぜなら、本作以降の祐巳と祥子の関係は盤石で不動のものとなっているからである)。
新キャラの加東景や、久々の登場となった蓉子や柏木優、初めて祐巳にデレた松平瞳子、そして「つぼみ(ブゥトン)じゃなくても、祐巳さんの友達だからね」と祐巳との友情を深めた島津由乃など、脇役たちの活躍も見逃せない。なお、直接語られるのはずっと後になるが、細川可南子が祐巳に一目惚れしたのも、本編で見られた祐巳と瞳子のやり取りがあった時らしい。
アニメでは、第二期第12話「青い傘」と最終話(第13話)「パラソルをさして」に相当する。残念ながら、わずか2話しかないので話の大部分が省略されてしまい、原作を読んだ人にとっては物足りないという意見が多く聞かれた(その分、ドラマCDではしっかり補完されている)。物語のラスト、祥子が祐巳に「あなたが好きなの」と告白するシーンでは、背景に薔薇が咲き乱れるというシュールな演出が話題になった。ただ、祐巳の貴重なシャワーシーンはしっかり収められている他、朝っぱらから気まずくなるような百合シーンがいつも通り多めである。
そんな中、小さな悲劇も見られた。祐巳が山百合会の一員になる前から親しかった桂さんが、この話で祐巳を職員室に呼んだのを最後に、第22巻「薔薇のミルフィーユ」まで出番はおろか名前すら登場しない。原作の発売期間に直すと、実に丸3年も出てこなかったわけである。おまけに、アニメ版ではこの数少ない出番を、山口真美に取って代わられてしまった。やっぱり桂さんは不憫である。
ちなみに、この最終回でも上様は自重することなく、マツケンサンバを陽気に踊っていた。
掲示板
3 ななしのよっしん
2017/05/30(火) 08:39:19 ID: AL0+xPB4I9
ベルセルクの13巻みたいなもんだな!
4 ななしのよっしん
2017/08/12(土) 18:30:02 ID: PKgE3EJ29E
なぜ最後の方上様に言及した!言え!
5 ななしのよっしん
2019/09/28(土) 20:05:19 ID: 3kF9flFBoL
リアタイで読んでたけど、1みたいにこれが本編の最終回だとは思わんよ。確かに祐巳と祥子の関係はこの話以降揺るがなくなったけど、祐巳も祥子も個人としてはこれ以降もそれぞれ成長してる。個人の勝手な意見を押しつけんでくれ。
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最終更新:2024/04/20(土) 10:00
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