フィンガーシフトとは (フィンガーシフトとは) [単語記事]

フィンガーシフトとは、マニュアルトランスミッション車、特にバスに搭載されているシフトレバーである。

概要

1984年ごろより普及し始めた物。それまでは運転席の床から生えている長いシフトレバーがシフトリンケージを通じて変速機とつながっていたが、リアにエンジンを搭載するバスの場合、シフトリンケージが長くならざるを得ず、変速時に大きな力を要する上、シフトミスも多かった。そこでシフトチェンジの指令を電気信号で送り、ギアを油圧か圧縮空気で変速しドライバーの負担軽減を図ろうとしたのがこのフィンガーシフトである。その名前の通り、指で操作できるぐらい軽い。

運転席に設けられたシフトレバーと変速機は信号ケーブルで繋がっており、運転手がシフトチェンジするとその信号がケーブルを通じて変速機に送られ、変速が行われる。ギアは圧縮空気か油圧で変速され、変速が完了すると運転席のパネルの表示が変化する

販売開始当初は三菱ふそう、日野自動車、いすゞ自動車、日産ディーゼル（UDトラックス）の何れもオプション設定としていることが多かったが、シフトリンケージを通すスペースがない低床バスやダブルデッカーバス、スーパーハイデッカーバスでは標準装備となり、今や自家用バスや大型二種免許の教習車にもフィンガーシフト車が存在している。

メーカーによって名称が異なる。

フィンガーシフトはエンジンの回転数とギアが合わない状態にシフトチェンジすると強制的にニュートラルにさせられる。例えば下り坂で強力なエンジンブレーキを効かせようと、エンジンの回転数や車速が高いまま一気に低いギアへシフトダウンすると、ギアがニュートラルになりエンジンブレーキが効かなくなる。ただし順番に落ち着いてシフトダウンすれば何の問題もない。

また駐車時にエンジンを止めてギアを入れっぱなしにすると、空気圧が下がってしまいエンジンが再始動できなくなる恐れがある。このため駐車時には必ずギアをニュートラルにする必要があるが、数時間程度であればギアを入れたままで問題ない。