旅路
鉱脈があると知れば
足を運んで掘り起こした。
けれど本当に誇らしいのは
手に入れた無数の宝ではなく
この長い旅そのものだ。
ホッコータルマエとは、2009年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
東京大賞典連覇・川崎記念3連覇など、GI級競走10勝を誇り長らくダート戦線の主役の1頭であった。主戦騎手は幸英明。
主な勝ち鞍
2012年:レパードステークス(GIII)
2013年:かしわ記念(JpnI)、帝王賞(JpnI)、JBCクラシック(JpnI)、東京大賞典(GI)、佐賀記念(JpnIII)、名古屋大賞典(JpnIII)、アンタレスステークス(GIII)
2014年:川崎記念(JpnI)、チャンピオンズカップ(GI)、東京大賞典(GI)連覇
2015年:川崎記念(JpnI)連覇、帝王賞(JpnI)
2016年:川崎記念(JpnI)3連覇
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この記事では実在の競走馬について記述しています。 この馬を元にした『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するウマ娘については 「ホッコータルマエ(ウマ娘)」を参照して下さい。 |
父はすっかり大種牡馬のキングカメハメハ、母マダムチェロキー、母父Cherokee Run。近親に活躍馬はあまりおらず、牝系はあんまりよくなさそうである。一応UnbridledとかBlushing Groomのような有名な種牡馬も血統表には入っているのだが。
そんな馬なのでセリでは1,575万円という安値で購入され、テイエムオーシャンやカワカミプリンセスを管理した「世界の西浦」こと西浦勝一調教師に預託される。
最初のオーナーは苫小牧市の建設会社・北海土建工業の矢部幸一代表。2013年に亡くなったあとは息子の矢部道晃オーナーが権利を引き継ぎ、その後馬主名義は法人名義の「北幸商事㈱」となった。
馬名意味は「冠名+樽前山」。樽前山は苫小牧市にある火山である。
2012年1月、京都のダート1400m戦でデビューするが、血統が地味だったこともあってか単勝107.7倍の11番人気で、人気通りの11着という結果だった。
しかし2戦目で初勝利を挙げると、その後しばらくは勝ったり負けたりしながら徐々に力をつけていく。5戦目の500万下から幸英明が主戦騎手となり、6月に1000万下で古馬相手に勝つまでに7戦3勝。ジャパンダートダービーに挑戦するが2戦前にも負かされていたハタノヴァンクールらに全くついていけず5着。しかし続くGIIIレパードステークスで重賞初勝利を挙げる。今思えばハタノくらいしかいなかったJDDよりナムラビクターとイジゲン、フリートストリートがいたこちらの方がレベルが高かったのかもしれない…。
この後しばらく休養し、秋初戦はみやこSで3着。ジャパンカップダートでも9番人気に反発してニホンピロアワーズの3着に粘る。これならとOP特別のフェアウェルSは圧倒的1番人気に推されるが外からグランドシチーにあっさりかわされ2着。秋は善戦しながら勝てないまま終わる。
東海Sも1番人気に推されるがグレープブランデーの前に3着。フェブラリーステークスには向かわず地方交流へ歩を進めると佐賀記念、名古屋大賞典とGIIIを圧倒的な強さで連勝。中央に舞い戻るとアンタレスステークスでは前年JCDを勝ったニホンピロアワーズを直線で競り潰し完勝。勢いに乗ってJpnIかしわ記念に挑むと、逃げ粘る古豪エスポワールシチーをきっちり捉え快勝。4連勝でGI級初制覇を果たす。帝王賞でも不良馬場を先行したニホンピロアワーズとワンダーアキュートを外から差し切り、GI級2連勝。一気にダート王の座へ駆け上がっていく。
秋はマイルチャンピオンシップ南部杯から始動。こいつも通り先行策を取るが、今度はエスポワールシチーと後藤浩輝の魂の逃げに屈し2着。連勝は5で止まる。
余談だが、当時8歳で全盛期をとうに過ぎていたエスポワールシチーに一回でも負けたのは痛かった。現役時代、この馬がGI級を何勝してもいまいち人気が出なかったのと、引退したときに引退式も開かれなかったのもこの時の敗戦で「エスポワールシチーと同年代なら一つもGI勝てなかったのでは?」「レベル低い時代だからGI勝てたのでは?」とファンに疑念を持たれたことが大きい
しかしJBCクラシック@金沢競馬場では自分が逃げの手に出ると影すら踏ませず2馬身差で快勝。
ジャパンカップダートは直線で幸英明が馬上でマイケル・ジャクソンよりも激しく踊りながら焼きそばを焼き始めたためにゴール前で差し馬2頭に屈して2年連続3着に敗れるも、東京大賞典はワンダーアキュート以下を寄せ付けず勝利。
この年交流GI級4勝を挙げ、NAR特別賞を受賞する。ただし中央GIで勝てなかったのでJRA最優秀ダート馬は受賞できなかった。
川崎記念から始動する。メンバーが軽くなったこともあり単勝1.1倍の圧倒的人気に支持されると、これに応えるように自分をマークしていたムスカテールを振り切り優勝。堂々フェブラリーステークスに挑むが、2番手から抜け出した最低人気馬コパノリッキーをかわせず2着に敗れてしまう。それでも陣営はドバイワールドカップ遠征を決断するが、直線に入る前からすでに手応えが怪しくなり最下位に惨敗。ウイルス性腸炎を発症していたらしく、帰国後長期休養に入る。
休み明けぶっつけでJBCクラシック@盛岡競馬場に出走するが、ここはさすがに休養明けでは荷が重かったかコパノリッキーの前に4着。次走はジャパンカップダートから新装開店したチャンピオンズカップ@中京競馬場に出走。2番手から積極的に競馬を進め、直線は内に進路を取ると外から突っ込んできたナムラビクター、ローマンレジェンドを振り切り勝利。念願の中央GI制覇を成し遂げる。この後東京大賞典ではコパノリッキーを全く相手にせず4馬身差の圧勝。
中央GIを含むGI級3勝の活躍で、コパノリッキーを抑えJRA最優秀ダート馬の座をゲットした。オーナーが苫小牧の名士ということで、この活躍により翌年から「とまこまい観光大使」に任命される。
前年同様川崎記念から始動。今度は単勝元返しの圧倒的人気に推される。直線では捲ってきたカゼノコの追撃を受けて立ち、これを完璧に退ける貫録の競馬。GI級8勝目を手にする。今度こそと言わんばかりにドバイワールドカップに挑戦すると、逃げて見せ場はつくるが直線さすがに苦しくなり5着。なんでも周囲の車やスピーカーの音を怖がっていたらしい。
今度は体調も良好なようで、2年ぶりに帝王賞に出走。前に行った中央馬を見るように4,5番手で構えると3コーナー手前から早めに進出を開始、直線では粘るクリソライトとの競り合いを制し勝利。ヴァーミリアンとエスポワールシチーが持つGI級最多勝記録に並んだ。
秋はJBCクラシックで史上最多のGI級10勝目を狙う。絶好調だけに、この秋で記録更新は確実と思われた。
しかしぶっつけのJBCクラシック@大井競馬場ではもう1頭のダート王コパノリッキーの逃げに屈し3着。一叩きされて変わるだろうと見込まれ、連覇を狙って出走したチャンピオンズカップはタルマエとコパノリッキーに世代交代を狙う3歳の新星ノンコノユメを加えた三つ巴というのが戦前の予想だった。単勝オッズは予想通り前述の3頭が3倍台で人気を分け合う形、ホッコータルマエは3.3倍の1番人気だった。レース本番ではいつもどおりの先行策をとる。4コーナーで逃げていたコパノリッキーに並びかける接戦に持ち込んだが、直線で2頭揃って伸びを欠いて5着。コパノリッキーは7着。ノンコノユメはやや不利といわれた1番枠が影響したか、先行有利な中京ダートで内からよく伸びたが勝ち馬を捉えられず2着。勝ったのは12番人気の牝馬サンビスタ。JRAダートGI初の牝馬による勝利であり(このレースについては複勝圏すら初)、単勝6640円の波乱に場内は騒然となった。
連覇、そしてGI級新記録を目指して臨んだ東京大賞典。サンビスタは引退、2着のノンコノユメは回避ということで再びコパノリッキーとの二強決戦の様相で、単勝オッズは2倍台で人気を分け合う。
レース本番、逃げるコパノリッキーの後ろに付くホッコータルマエ。4コーナーから直線に入るとコパノリッキーを抜き去って突き放す。ついに記録更新か、と思われた……がしかし、外から猛然と突っ込んできた馬に差し切られまさかの2着。GI級勝利記録更新を阻んだのはサウンドトゥルー。初秋の日本テレビ盃(JpnII)でコパノリッキーを下し、チャンピオンズカップではノンコノユメよりコンマ1秒速い上がり最速の末脚で3着。出走歴の大半が複勝圏内かつ、メンバー中最速の上がりを持っていて、戦前ではオッズ1倍差の3番人気という不気味な存在だった。
かくして記録更新はおあずけとなったホッコータルマエ。JRA最優秀ダート馬もコパノリッキーにさらわれてしまう。
明けて2016年、陣営は懲りずに再びドバイワールドカップに挑戦することを表明。一叩きとして、3連覇がかかるJpnI川崎記念に出走。サウンドトゥルーと人気を分け合う。いつも通りに先行しじっくりと競馬を進める。3角で迫ってきたサウンドトゥルーが潰れた逃げ馬に一瞬煽られた隙を突いて一気に仕掛け、抜群の手応えで直線に突っ込み先手を奪う。しかしその外から、王座を奪取せんとするサウンドトゥルーが猛追。じわりじわりと差を詰められるが、ホッコーは最後まで譲らず、最後はアタマ差まで詰め寄られるが振り切ってゴール板を通過。ヴァーミリアンとエスポワールシチーを超える史上最多のGI級10勝目に川崎記念3連覇で花を添え、ドバイに向けて上々の滑り出しとなった。
GI級10勝を記念&3度目のドバイ挑戦を受けて、苫小牧では「ダートの星☆輝け!ホッコータルマエ」という応援歌が作られCDが全国販売されたりしたが、ドバイWCでは全くペースについていけず惨敗。
帝王賞では4番人気と評価を落とし、結果もコパノリッキーに大きく差をつけられた4着。休養明けの南部杯も、鉄砲で不向きなマイルとはいえコパノリッキーのレコード勝ちの後ろで3着。
続いてJBCクラシックでは3番人気に支持されたが、ダートの新星アウォーディーの2着に敗れた。
その後はチャンピオンズカップに出場の予定だったが、11月29日の調教後に左前肢に跛行が見つかり出走を断念。そのまま引退することになった。引退式は開かれることはなかった。
2020年には産駒がデビュー。中央や地方のダートで好成績を挙げ地方新種牡馬リーディングとなり、2022年にはブリッツファング(兵庫チャンピオンシップ)が産駒初のダートグレード競走勝ち馬となっている。
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo 1990 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Miesque | Nureyev | ||
Pasadoble | |||
*マンファス 1991 黒鹿毛 |
*ラストタイクーン | *トライマイベスト | |
Mill Princess | |||
Pilot Bird | Blakeney | ||
The Dancer | |||
マダムチェロキー 2001 鹿毛 FNo.9-e |
Cherokee Run 1990 黒鹿毛 |
Runaway Groom | Blushing Broom |
Yonnie Girl | |||
Cherokee Dame | Silver Saber | ||
Dame Francesca | |||
*アンフォイルド 1995 鹿毛 |
Unbridled | Fappiano | |
Gana Facil | |||
Bold Foil | Bold Forbes | ||
Perfect Foil | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Mr. Prospector 3×5(15.63%)、Northern Dancer5×5(6.25%)
リアルダービースタリオン | |
シュシュブリーズの2018 - オーバーザリミッツ - ファニーフラッシュ - クールフォルテ - モーメントキャッチ - レライタム - シュシュブリーズの2022 - シュシュブリーズの2023 |
|
繁殖牝馬 | シュシュブリーズ |
---|---|
種牡馬 | ホッコータルマエ - クロフネ - モーリス - サンダースノー - パイロ |
定点放送 タイムシフト |
今日のシュシュブリーズ - 今日のオーバーザリミッツ - 今日のファニーフラッシュ - 今日のクールフォルテ - 今日のモーメントキャッチ - 今日のシュシュブリーズの息子(次男) - 今日のシュシュブリーズの息子(三男) - 今日のシュシュブリーズの息子(四男) |
関連項目 | ダービースタリオン - フジキセキ - リアルダビスタ用語集 |
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掲示板
96 ななしのよっしん
2024/05/18(土) 22:11:54 ID: Ve6v5oQYR9
記事読んで、JCDの焼きそば云々が気になったから動画見たら、思ったより派手に動いてて草
97 ななしのよっしん
2025/02/16(日) 17:34:18 ID: 6zAaGgH8d4
メイショウフンジンの佐賀記念もあってまだ2ヶ月ながら地方リーディングは独走中
こうやってデータに現れてるんだからもう文句の付けようがないわな
強いて言えばあとはG1級の大物が出ればってとこね
98 ななしのよっしん
2025/03/30(日) 16:29:02 ID: UQeyInmqnp
中央でもちょこちょこGⅢくらいなら勝てる馬は出て来ているな
どうしてもGⅠで地味だから目立った印象があまりないが
提供: ちょこみんと
提供: こーう
提供: ていく
提供: 試製ガーリバス
提供: estimate
急上昇ワード改
最終更新:2025/04/02(水) 10:00
最終更新:2025/04/02(水) 10:00
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