マルクス・ガブリエル(1980~)とは、ドイツの哲学者である。
29歳でボン大学の教授に就任し、著作も多数出版している若き「天才」と評されている。専門はドイツ観念論であるが、多数の言語に精通し、フランスの構造主義・ポスト構造主義や、古代ギリシア以来の哲学の伝統を理解したうえで新たな哲学を築こうとしている。思想的には、イタリアのマウリツィオ・フェラーリスとともに「新実在論」の立場を推し進め、実在論的転回の旗手の一人となっている。
一般書である『なぜ世界は存在しないのか』にまとめられたガブリエルの思想は以下のとおりである。ポストモダンの問題点は、カントが源泉となっている「構築主義」にあるとする。それに代わる「新実在論」とは、世界は、古い実在論の「見る人のいない世界」だけでもなく、構築主義の「見る人の世界」だけでもない、とする立場である。つまり物理的な対象だけでなく、「思想」、「心」、「感情」、「信念」、「空想」を存在すると考えるのである。
それによって、全てを科学的に還元してしまう「自然主義」的な近年の傾向を、物理的なものやその過程のみ存在することとなり、それ以外は独自の意味を持たなくなる、と批判し、原理的な次元から「実在論」の再考を行おうとしてくのである。
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2 ななしのよっしん
2020/05/25(月) 12:31:30 ID: H2bENlsNBj
BSで見てたけど世界観が宗教じみてると思った
観念論哲学なんてそんなもんかもしれんが
3 ななしのよっしん
2023/02/09(木) 23:36:55 ID: yXFSIDoaGK
『なぜ世界は存在しないのか』は、「意味の場を認めれば、多様性は実在性として相対化される」ということを説明していると思うんだけど、肝心の「なぜ世界は存在は存在しないのか」については、ラッセルのパラドックスを借用しているにも関わらず、肝心のネタ元に触れていないから、哲学的には深化出来ていない印象。
4 ななしのよっしん
2024/03/16(土) 05:14:10 ID: 0PNgjANzhc
超越論的存在論を読むと、意味の場の存在論は、フレーゲの存在概念(存在はある概念の外延の量が概念の存在の範囲を決める)を基に哲学を作ったバディウの論理の欠陥を修正したものだし、無世界観も、世界=理念が認識不可能であることを示すカント以来のテーゼを反復してるに過ぎない。
哲学史的な知識がないと分かりづらいのは確か。
よく意味の場の根拠が曖昧と批判されるけど(ガブリエルもそれを認めている)、述語が意味の場を構成する以上、
それぞれ述語表現に意味の場が依存してしまうから仕方ない気がする。
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最終更新:2024/05/21(火) 22:00
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