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レギュラーメンバー(Regular Member)とは、1997年生まれの日本の競走馬。黒鹿毛の牡馬。
グレード制導入後史上初のGⅠ級大差勝ちなど交流GⅠ3勝を挙げた、*コマンダーインチーフの代表産駒にして名牝ロジータの孫。競馬ファンからの愛称(?)は「ラーメン」。
主な勝ち鞍
2000年:ダービーグランプリ(GⅠ)
2001年:川崎記念(GⅠ)、JBCクラシック(GⅠ)
父*コマンダーインチーフ、母シスターソノ、母父*ナスルエルアラブという血統。
父はデビューから2ヶ月で英愛ダービーを制した、*ダンシングブレーヴの欧州での代表産駒。日本で種牡馬入りし、スエヒロコマンダー、アインブライド、ラスカルスズカなどを輩出した。レギュラーメンバーは3年目の産駒。
母は地方の超名牝ロジータの初仔で、ヒシアマゾンが勝った1993年の阪神3歳牝馬Sで1番人気に支持された(11着)馬。レギュラーメンバーはその第2仔。
母父はアメリカで芝を中心にGⅠ4勝を挙げ、日本で種牡馬入りしなかなかの期待をかけられたが中央重賞馬は1頭のみと残念な結果に終わった。
ちなみに2代母ロジータの代表産駒カネツフルーヴは同牧場産の同期で、同じ厩舎の所属、主戦騎手も同じであった。
1997年6月16日、新冠町の高瀬牧場で誕生。競走馬としては相当な遅生まれで、グレード制以降で彼より遅生まれのGⅠ馬は6月18日生まれのアグネスフローラのみである。
オーナーは今やおなじみノースヒルズだが、当時はまだGⅠ馬は自家生産のファレノプシスだけであった。
栗東の山本正司厩舎所属。主戦騎手は山本厩舎の所属でノースヒルズの主戦だった松永幹夫。
一部の競馬ファンの間ではサイレンススズカを「ススズ」、セイウンスカイを「ウンス」といったように、主に馬名が冠名+よく使われる単語のときに名前の中間部分を略称として使う風潮があるが、レギュラーメンバーの場合は「ラーメン」になる。ウ○コとかイ○モーよりははるかにマシではあるが……。
※本馬の現役期間は2001年の馬齢表記変更を挟みますが、本記事では現表記(満年齢)に統一します。
これだけの遅生まれなのでデビューも遅れ、3歳の2月、京都・ダート1800mの新馬戦で松永幹夫を鞍上に出走すると、逃げを打って2着に2.9秒差という大差圧勝デビューを飾る。
あまりの勝ちっぷりに次走で芝のアーリントンカップ(GⅢ)に向かったが、あえなく最下位12着に撃沈。500万下のゆきやなぎ賞(阪神・芝2000m)でもう一回芝を試すが、逃げたものの9着に沈み、芝を諦めてダートに戻ると、中京・ダート1700mの沈丁花賞(500万下)を逃げて7馬身差で再び圧勝する。
これで完全にダート路線へ進むことになり、続く端午ステークス(OP)も3馬身差で逃げ切り楽勝。一躍3歳ダート戦線の本命候補に躍り出た……が、ここから一転、しばらく苦戦が続く。
単勝1.5倍に支持された昇竜ステークス(OP)で逃げられず5着に沈むと、名古屋優駿(GⅢ)では熱発明けでコンディションも整わず、逃げたものの3コーナーでもう捕まってアグネスデジタルの6着。
夏休みを挟んで当時は3歳ダート三冠の第1戦だった9月のユニコーンステークス(GⅢ)に向かうが、ここは2番手で追走したのに4コーナーで上がってきた馬たちに進路を締められてしまい、再びアグネスデジタルの5着。ジャパンダートダービーをパスして向かったエニフステークス(OP)でも逃げ切れず2着と、どうにも冴えないレースが続く。
そんなこんなで迎えた三冠第3戦、盛岡のダービーグランプリ(GⅠ)。レギュラーメンバーは単勝5.5倍の4番人気だった。しかしここで、レギュラーメンバーは圧巻のレースを見せる。
大外8枠14番からグイグイ押してハナを切ったレギュラーメンバーは、後ろを離してマイペースの単騎逃げに持ち込むと、余裕の手応えのまま後ろを突き放して直線へ。松永騎手が追い出すと、後ろは全くついてこられない。後ろとの差は開く一方で、終わってみれば2着ミツアキサイレンスとの間につけた着差は衝撃の2秒1。交流重賞ではホクトベガのエンプレス杯以来、グレード制導入以降では中央含めて史上初となるGⅠ級競走での大差勝ちとなった。2024年現在も他にレモンポップの2023年MCS南部杯(2秒差)があるのみで、2.1秒差は現在もGⅠ級競走での最大着差記録である。
この圧勝でこの年から新設されたジャパンカップダート(GⅠ)に乗りこんだが、前走はメンバーが弱かったと見られたか23.1倍の8番人気。レースは逃げたもののあえなく直線で沈み、勝ったウイングアローからは2.5秒遅れの10着に大敗した。
続いて東京大賞典(GⅠ)へ。JCDを勝ったウイングアローは不在でやや手薄なメンバーであり、レギュラーメンバーは帝王賞を勝った牝馬ファストフレンドに次ぐ2番人気。レースはいつも通り逃げると見られていたが、松永騎手はハナにこだわらず、大井のイエローパワーを行かせて2番手でのレースを選択。直線で逃げるイエローパワーを捕まえにかかったが、そこへ外からいつもの勝ちパターンの早仕掛け捲りに持ち込んだファストフレンドが襲いかかり、あっさりかわされて1馬身半差の2着。逃げずとも古馬GⅠ級相手に勝ち負けの実力は見せたが、6歳の女傑に貫禄を見せつけられたレースとなった。
明けて4歳は川崎記念(GⅠ)から始動。ここでは再びファストフレンドとの2強対決となり、2.5倍の2番人気に支持される。
不良馬場となったレース、レギュラーメンバーと松永騎手は大外の8枠10番から、今度は果敢にハナを主張していく。ファストフレンドが早くもホームストレッチで2番手まで上がってきてガッチリとマークしてきたが、レギュラーメンバーは気にせずマイペースに逃げる。そのまま完全なファストフレンドとのマッチレースとなり、今度は絶対に譲らんとばかりにファストフレンドを半馬身振り切って逃げ切り勝ち。女傑にリベンジを果たして古馬GⅠ級初勝利を挙げた。
この勝利で陣営は果敢にドバイワールドカップ(GⅠ)に挑戦。しかしレースでは逃げるトゥザヴィクトリーを2~3番手で追ったものの、4コーナーでもう力尽き、トゥザヴィクトリー2着の後ろであえなく12頭立て9着に沈んだ。
帰国後は夏まで休み、7月の函館のマリーンステークス(OP)で復帰した。しかしトップハンデ59kgはしんどかったか、逃げたものの勝ち馬に4馬身半離されての3着。
続いて旭川のブリーダーズゴールドカップ(GⅡ)に出走するも、勝ったウイングアローから3馬身半差の3着に敗れた。
そして10月31日、この年から新設された第1回JBCクラシック(GⅠ)へ参戦。相手関係は同年のフェブラリーS優勝馬ノボトゥルーと、レギュラーメンバーと同じ*コマンダーインチーフ産駒で前走のブリーダーズゴールドカップで2着だった東海S勝ち馬ハギノハイグレイド、船橋所属の帝王賞勝ち馬マキバスナイパーといった面々。ノボトゥルーはこの時点でのダート現役最強馬とはいえどもダート2000mは初挑戦でいかにも距離が長過ぎ、前走で敗れたウイングアローもおらず、やっぱり今回もさほどのメンバーではなかった。レギュラーメンバーは2.2倍の1番人気に支持される。
レースは笠松のフジノコンドルがハナを主張し、レギュラーメンバーは無理に競り合わず内から2番手を選択。3コーナーで力尽きたフジノコンドルをかわすと、競り掛けてきた12番人気ゴールドプルーフを直線であっさり振り落として粘り込みを図る。後ろからはマキバスナイパーが猛追してきたが、内ラチ沿いで粘り腰を発揮したレギュラーメンバーはクビ差追撃を振り切ってゴール板を駆け抜け、栄えあるJBCクラシック初代王者に輝いた。
続いて昨年のリベンジを目指してジャパンカップダート(GⅠ)に向かったものの、海外馬2頭が逃げるのを3番手で追ったものの3コーナーでもうずるずる後退、クロフネの歴史的圧勝のはるか後ろ、5秒以上離されて14着に撃沈。
そしてこの後、レギュラーメンバーは理由は不明だが、1年以上の長期休養に入ることになる。
5歳を棒に振り、6歳となった2003年、1月の平安ステークス(GⅢ)で1年2ヶ月ぶりに復帰したレギュラーメンバーだったが……その後の彼の戦績に語るべきことはほぼない。逃げることもままならず掲示板にも載れない惨敗が続き、芝に戻ってみたり短距離に挑戦してみたりと試行錯誤したが結果は出せず、6月の大沼ステークス(OP)で最下位の8着に沈んだところで現役引退となった。
通算24戦6勝 [6-2-2-14]。GⅠ級3勝、うち1勝は大差勝ちという戦績は立派だが、ぶっちゃけ勝ったGⅠ3戦はどれもメンバーが手薄で、倒した相手としてめぼしいのは次々走でとどかにゃい!してしまう程度には衰えが見えていた7歳のファストフレンドと2000m以上では勝利経験のない距離が長すぎたノボトゥルーぐらい。観客の多い中央のジャパンカップダートとフェブラリーSでは3戦とも2桁着順の大敗ということもあって、GⅠ勝利数のわりに影が薄い印象は否めない。
引退後は2004年から優駿スタリオンステーションで種牡馬入り。地方で重賞14勝を挙げたウルトラカイザーや地方ダービー馬2頭などを輩出したものの、中央では僅か2勝に留まり、2009年からは青森の山内牧場に移動。腰を痛めたことで種付けは2010年が最後で、2012年限りで種牡馬を引退した。
代表産駒のウルトラカイザーが2020年から種牡馬入りしており、2023年からは九州に移動、種付け数はごく少数ながら血を繋いでいる。
その後は功労馬繋養展示事業の対象となり、引き続き山内牧場で功労馬として繋養され、2017年7月に20歳で死亡した。
*コマンダーインチーフ 1990 鹿毛 |
*ダンシングブレーヴ 1983 鹿毛 |
Lyphard | Northern Dancer |
Goofed | |||
Navajo Princess | Drone | ||
Olmec | |||
Slightly Dangerous 1979 鹿毛 |
Roberto | Hail to Reason | |
Bramalea | |||
Where You Lead | Raise a Native | ||
Noblesse | |||
シスターソノ 1991 黒鹿毛 FNo.4-m |
*ナスルエルアラブ 1985 鹿毛 |
Al Nasr | Lyphard |
Caretta | |||
Coral Dance | Green Dancer | ||
Carvinia | |||
ロジータ 1986 鹿毛 |
*ミルジョージ | Mill Reef | |
Miss Charisma | |||
メロウマダング | *マダング | ||
スピードキヨフジ |
惨敗したドバイWCしか動画がない!YouTubeには勝ったGⅠ3つ全部あるのでそっちで見てください。
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最終更新:2025/03/27(木) 00:00
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