二次創作のガイドラインとは (ニジソウサクノガイドラインとは) [単語記事]

二次創作のガイドラインとは、原作によって定められた二次創作物への公式なガイドラインである。

概要

原則として二次創作とは一次創作、すなわち原作者の作品を二次利用して制作された創作物であり、著作権法的にはものすごくデリケートな問題である。極端な事を言えば「原作者が違法だ！と訴えれば二次創作者は受け入れなくてはならない」という状況にあり、建前としては「二次創作は認めない」というのが原作のスタイルである。しかし実体としては「二次創作はファン活動の一環」として公式から黙認されているというのが現状である。

一方で原作を扱う企業にはどうしても二次創作に対して法的に動かざるを得ない状況が発生する事がある。度の過ぎた二次創作を黙認することで原作のブランドが失墜する恐れがあったり、公式の製品・商品であると勘違いされる恐れがあったりする場合には法的措置がとられる事もある。（「ドラえもんの最終回」として謳った同人誌を巡る騒動などは有名である）

しかし二次創作とは日々無数に生み出されるもので、毎日甚大な数のイラストや動画などが制作される。それらひとつひとつにすべて法的に動くことは企業にとって現実的ではないし、一方ファンにとっても自由に二次創作ができないことでよい影響はない。「あの作品は二次創作を許してくれない」という評判になれば作品のファンも離れてしまう可能性も考えられる。

そこでごく一部の原作において、二次創作のガイドラインを定める企業が現れてきた。「このガイドラインの範囲内であれば二次創作はしてもいいですよ」という公式に決められた文章である。二次創作のガイドラインの出現は、ファンによる二次創作が原作のブランドを向上させる一因であることの現れなのかもしれない。問い合わせがいっぱい来ていちいち対処するのが面倒だからという線もなくはない。

ニコニコと二次創作のガイドライン

ニコニコ動画に投稿される動画にも二次創作物は多く、中には権利者からの異議申し立てにより削除された動画もたくさんある。

そんなニコニコにも動画として二次創作が認められているものがいくつかあり、実質的なガイドラインとして機能しているものもある。
任天堂株式会社のゲームはクリエイター奨励プログラムの一環として、申請を出して許諾が得られればゲーム映像を動画として利用できるようになっていたが、2018年 11月に「ネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドライン」として改訂。いわゆるゲーム実況やゲーム映像を使用したMAD動画などが二次創作として認める方針を定めた。