全親が泣いたとは (ゼンオヤガナイタとは) [単語記事]

全親が泣いたとは、世間一般の子をもつ親を、あらゆる意味で泣かせてしまう様な内容の動画、およびあらゆる意味で泣かせてしまう様な育ち方をしたうp 主の動画に貼られるタグである。
そしてそれは両親にとって、これまでの子育ての苦労が一瞬で消える瞬間、あるいは苦労が報われた感動的な瞬間でもある。

また、「親」という表記ではあるが、ここには血のつながった実の親以外にも、祖父母、叔母叔父等、実際に子供の養育にあたっているすべての「保護者」を含める事とする。

概要

その日、私たちは見てはいけないものをみてしまった…

夫は崩れ落ち、私は泣き続けた。

思い返せば　長く濃密な我が子との日々。
この世に生まれ落ちたその瞬間から　愛情込めて育てて来た…
　
夏の暑い日差しにもめげずに広場ではしゃぎまわってた幼稚園時代。
授業参観、若干照れくさそうにやや緊張した面持ちで作文を発表していた姿が
昨日の事ように目に浮かぶ、あれは小学校5年生。
中学生になると会話も少なくなり顔を合わせれば口喧嘩ばかり。
けれども、眠い目をこすり夜遅くまで受験勉強をする背中にそっと心の中で励ましの言葉を送り、
そして「どうか、合格出来ますように…！」と祈り続けた。
長い冬を超え、努力が実って希望の高校生へと歩みを進める事が出来た時には
自分の事以上に喜び、我が子の頑張りとすべての巡り合わせに感謝した。

しかし、今、目の前にしているものは、そのすべてを忘れさせてしまう様な衝撃と圧倒的な現実感を持って
静かにたたずんでいた…

我が子のためと思い、これまであらゆる苦しみや困難に迷い無く立ち向かって来た。
が、いまのこの信じがたい現状は、それらとは到底比べ物にならないほどの大きな問題である事を
経験から直感させている。

暫くは二人で励ましあう事で精一杯だった。

「これは、　なんだろう…　　何故、こうなってしまったんだろう…」

　　　　　　　　　　　　　その時、全親（祖父母含む）　が　泣いた

両親を泣かせてしまったあの日から、もう３年がたとうとしている。

さすがに親を泣かせてしまった、あの出来事はこたえた。
それまでのうのうと親のすねかじっては堕落した生活を送っていた自分が、
いいかげん変わらなきゃならないという事実に焦りだしたのもその事がきっかけだった。
三年寝太郎よろしく、それまでのだらけきってた反動で、めきめき働きあっというまに大金をを稼ぎ…
とはいかなかったけれど、　

地道にバイトでお金を稼ぎつつ、
（部屋のコレクションも「これは！」というもの以外はヤフオクですべて売り少しでも貯金の足しにした（涙））
死にものぐるいで頑張って2年たち、ようやく某中小企業の内定を取り付けた。
失敗ばかりで怒られてばかりの毎日ではあったけど、
真剣に、真面目に、ひとつひとつが大事な勉強だと思って取り組んだ。
（もともとなにか一つの事に集中して取り組む事には定評があったんだ。
　けど熱中してた対照が理解されずらかったせいで親泣かしちゃったんだけど。）

初めてもらった給料の半額を家に入れた。ちょっとうれしそうな顔してる親見て「あーよかったな」とか思う。

そして3年経った今日、この家を出て行く。
　
この部屋の前の廊下で母さんがが泣き崩れたんだっけ。
父さんの信じられないといった表情が悲しかったな…

部屋はすっかり整理し、引っ越しはほぼ済んでる。
これが最後の実家の朝ご飯だ。
（まあ最後って訳でもないんだろうけど）

３人の食卓で、こう2人に言う。

「あのときは泣かせてしまってごめん。　　あと、その、ありがとう…
これは　まあ、餞別みたいな感じ。　　来週で結婚30周年だったよね。
父さんも適当に会社休んで、都合いい時二人で旅行したらどうかなって。ここの温泉腰痛に効くんだって。」

　　　　　　　　　　　　そして、全親（祖父母含む）が　泣いた