宇宙生物学(うちゅうせいぶつがく、Astrobiology, Exobiology または Xenobiology)とは、宇宙全体での生命体に関して考察し、生命の起源や生命の実態を明らかにしようとする学問である。
「宇宙生物学」と言うと、宇宙人やエイリアンという単語に表されるように、地球外の知的生命に対する学問と思うかもしれない。しかしこの学問は、広く一般に「地球外に存在する生命に関する問題」を考察する学問である。そもそも宇宙生物を宇宙人とイコールにして語るのは、人間とミジンコをイコールで語るのに等しい。
また、「地球の生命が宇宙に進出したときの問題」についての学問でもある。現在、特に断りもなく「宇宙生物学」といえばこちらのことである。倫理問題や食糧問題の観点から植物に対して研究が進んでいる。
近年、iGEMという大会の合成生物学の国際コンペティションにおいて火星で生きられる微生物という題材で研究もおこなわれている。リンク
2010年12月3日(日本時間)「宇宙生物学上重要な発見があった」とする会見がNASAであった。ニコニコ生放送でも公式放送で中継し、9万2000人も人が来た。
そこでの発表は「リンをヒ素に置換した微生物」の発表であったため、「NASAの壮大な釣り」などと揶揄された。しかし、それはあくまで「宇宙生物に関する発表だから宇宙人かも」という間違った前提の元での誤解である。NASAはどこにも宇宙人なんて書いて無いし、タイトルの「宇宙生物学」を調べれば、少なくとも宇宙人ではないことははっきりする。釣りではなく勝手に釣りと認定しているだけである。
また、「アメリカで発見されたのにどこが地球外生命体だ」という意見も間違いである。地球外生命体という言葉も一言も言っていない。宇宙生物学はたしかに地球外生命体に関する学問でもあるが、そこを誤解していたのだと思う。
ちなみに研究員自体がNASA所属であり、予告の必要性はともかく、NASAが会見を開くという点ではおかしい点は無い。
現状の生命において「リンをヒ素に置換した微生物」というのは突飛なものとして様々な科学者から疑問の声が上がっていた。リンク:「砒素で生きる細菌」に疑問の声
そして入念な科学実験の結果、2報の科学論文が発表され、生育・増殖にはリンが必須でありヒ素に耐性をもつ極限環境微生物であることが判明した。またヒ素を利用した新規の代謝経路が発見され、微生物としては面白い生物であることには変わりはない。
リンク:GFAJ-1 Is an Arsenate-Resistant, Phosphate-Dependent Organism
リンク:Absence of Detectable Arsenate in DNA from Arsenate-Grown GFAJ-1 Cells
NASAのヒ素細菌の論文の解説枠をニコニコ生放送にて行った。
掲示板
4 ななしのよっしん
2012/01/04(水) 06:22:14 ID: Fqhsv/ho9z
うん。記事の言いたいことは分かるが、この発見は「分子生物学的」に重要な発見であって、「宇宙生物学的」に重要な発見ではないと思う。ヒ素をリンの代わりとして使うというのは生物進化上の適応の一つに過ぎないわけで、「地球の生命が宇宙に進出したときの問題」とは関係ないし、かといって宇宙生物の存在を肯定するようなものでもない。
だから俺は釣りというよりも宇宙生物探索を推し進めるためのNASAこじつけだと思っている。
5 ななしのよっしん
2012/01/09(月) 23:40:52 ID: l7tvQ89BOa
>>4
まぁ「こじつけ」という見方も出来ないが、NASAだって研究機関だし、常に予算を取り続けないと研究が滞る。つまり多少無理矢理でもいいから、一般大衆にわかりやすくインパクトのある言い方をして、少しでも関心を引き寄せておかないと、たちまち予算縮減の憂い目にあってしまうんですよね。
欧米で「面白いけど役に立たない」研究が多いのは、その辺のところをよく知っているからだと思う。
6 ななしのよっしん
2017/02/05(日) 17:46:04 ID: Zue1deI/aL
グレイでもノルディックでも何でも良いけど有機体なのかどうか、だよねまずは。
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最終更新:2025/12/10(水) 09:00
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