月食(lunar eclipse)とは地球の影に月が入り込む現象である。本来の表記は「月蝕」であるが、「蝕」の字が常用漢字ではないため「食」で書きかえられることが多い。
月食のシステムは並び順が【太陽―地球―月】の時の満月のときに地球の影に月が入りこむ事で起きる。位置関係によって半影月食・部分月食・皆既月食とがある。日食とは関わる天体やその交点が絡むといった部分で共通しているが、発生の原理が大きく異なる。
並び順だけを見れば毎月月食があってもいいと考えてしまうが、太陽の通り道(黄道)と月の通り道(白道)は地球から見て、約5度ずれているため、例え位置関係が月食の条件に合っていても月が地球の影にかからなかったりする為、毎月の満月の時に起きるとは限らない。これは日食における関係とも同じである。
なお、地球の影という関係上、夜であればどこでも見る事が出来る。その為、感覚的に回数的に多いと思われがちであるが、実際は日食の方が起こる回数が多い。
月から見て、地球が太陽の一部を覆った際に出来た部分の影(半影)に月が入った状態をいう。一部を覆うといっても太陽の光は強大なので、肉眼で見る限りはその変化をとらえづらい。かかってる部分がちょっと薄暗くなる程度であり、カメラで調節してやっとその変化を実感できる。また、望遠鏡で見るとクレーターの凸凹がぼんやりして見える。
月から見て、地球が太陽を完全に覆った際に出来た影の部分(本影)に月が一部入った状態をいう。影にはいりこんだ部分は、影の形の関係で通常の満ち欠けの形とは異なり、欠けている部分は円の弧のような形をしている。また、三日月に近い状態になっても綺麗な弧を描いておらず、若干いびつな形状となっている。なお、通常の三日月で見られる月のクレーターは月食時においては凹凸が確認しづらくなっている。
月が本影にすっぽり入りこんだ状態をいう。月から見れば影の中の影に入り込んでいる為、地球側では月はまったく見えないと思うかもしれないが、太陽の光は地球の大気を通じていくつかの波長が散乱し、その中でも赤の波長はあまり散乱する事なく、地球の大気によって屈折しながら本影に入りこんだ後に月に反射するため、真っ暗ではなく赤く見える。なお、月の出や月の入りが赤いのも似たような理由である。それでも暗いことには変わりはないので、満月の時には月の光で見えない星空が良く見える。山の上に行けば、満天の星空の中で赤く光る月の姿に誰しも宇宙の神秘さを感じる事であろう。
なお、大気の状態によってはこの赤さに強弱が出てくる。火山の噴火など、大気中にチリが多い場合は太陽光の赤の波長も散乱しやすくなるので、暗く見えてしまう。
月の出の時点で月食が始まっている事を言う。一般的に月の出の際は大気のチリの関係で赤い月になるので、皆既月食の時は1度で2度おいしいとも言える。但し、皆既月食後に登ってくる事もあるのでその時はがっかりである。どうしても見たければまだ夜の地域である東の方へ行くとよい。行き過ぎるとお昼の地域となり見られないので注意
月の入りの時点で月食が継続中の事を言う。月没帯食とも言う。途中で月没になるので、がっかりである。もし引き続き見たい時は月出帯食とは逆に西の方に行くとよい。北海道の納沙布岬が月没帯食でも沖縄の与那国島やその他のアジア地域ではバッチリ全過程が見れる事がある。但し、こちらも行き過ぎると昼間になるので注意。
直近の月食は2025年9月8日(7日深夜)の皆既月食だった。日本では1時27分から部分食が始まり、2時30分から3時53分までのあいだ皆既食となった。次回の月食は2026年3月3日に起こる皆既月食である。
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最終更新:2025/12/20(土) 20:00
最終更新:2025/12/20(土) 19:00
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