片翼の田代とは (カタヨクノタシロとは) [単語記事]

片翼の田代とは、2001年 12月24日に公開されたFLASHである。

概要

FLASH黄金時代を代表する作品の一つ。

当時のFLASH ムービー製作者の一人、madhatter氏によって製作され、自身のウェブサイト「裏路地」にて公開されていた。(サイトは既に存在しない)また当時氏のサイト以外でも相互リンクを行っている他のFLASH サイトにおいてミラーが公開されており、黎明期の当時の2chの時事ネタを扱ったことも相まって（後述）高い知名度を誇っていた。

内容は、田代まさしをアメリカの週刊誌「TIME」の「Person of the Year」の投票で1位にするという、所謂「田代祭」の様相を取り扱ったもの。ここで使用された音楽は、作品名の由来ともなっている「片翼の天使」である。

「片翼の天使」とは、ファイナルファンタジーVIIのラスボス「セーファ・セフィロス」戦で流れるBGMのタイトルである。『片翼の田代』では、この曲のコーラス部分の一節「Sephiroth(セフィロス)!」に「田代！」という空耳を当てたのが大きな特徴となっている。『片翼の田代』と、その印象的な空耳フレーズは、田代祭の盛り上がりと共に、黎明期のネットユーザーの多くに知れ渡ることとなった。

またFFVII版「片翼の天使」は、今でこそCDそのままの高音質音源をネット上で聴く事が可能であるが、動画配信サイトが影も形も存在しない当時におけるサンプリング技術は低く、当時のFLASHを保存したものを見て貰えば分かるが音源が潰れている箇所が散見され、「Sephiroth(セフィロス)!」などコーラス部分にはそれが顕著に表れている。このように滑舌が聞き取りにくい以上、曲を知らない人からすれば母音を頼るしかなく、その場合は確かに「tas hiro!」と聞こえてもおかしくはないのである。
この為、製作者自身が潰れて劣化したサンプリング音源を聴いた結果、空耳を思いついたのか、はたまた空耳に落とし込み易いよう意図的に音源を潰しているのかは定かではないものの、このネタがあくまで当時の低品質な音源によって成り立っている事は留意すべき事であると言えるだろう。

なお2009年4月1日にニコニコ生放送において、当時の2chの管理人ひろゆき（西村博之）と田代まさし（最初の出所当時）の生対談が行われたが、その際「なんか音楽入りでタシロ！って出てる奴とか…」と、本人もこのFLASHを取り上げ、「作者には感謝している。よければ会ってみたい」と比較的好意的な反応を示している。