立皇嗣の礼(りっこうしのれい)とは、皇嗣(皇位継承順位第1位の皇族)となられたお方を、天皇陛下が公に宣明される一連の諸儀式・行事の総称である。
概要
令和2年(2020年)に執り行われる、「立太子の礼」に準じた礼関係行事等であり、次の14段階で構成されている。
- ○神宮神武天皇山陵昭和天皇山陵に勅使発遣の儀
- 神宮、神武天皇山陵及び昭和天皇山陵に立皇嗣の礼を行うことを奉告し、幣物を供える為に勅使を派遣される儀式
- ○神宮に奉幣の儀
- 神宮に立皇嗣の礼を行うことを勅使が奉告し、幣物を供える儀式
- ○賢所皇霊殿神殿に親告の儀
- 皇祖神(天照大神)を祀る賢所皇霊殿神殿に今上天皇が立皇嗣の礼を行うことを奉告される儀式
- ○神武天皇山陵に奉幣の儀
- 神武天皇山陵に立皇嗣の礼を行うことを勅使が奉告し、幣物を供える儀式
- ○昭和天皇山陵に奉幣の儀
- 昭和天皇山陵に立皇嗣の礼を行うことを勅使が奉告し、幣物を供える儀式
- ◎立皇嗣宣明の儀
- 文仁親王が皇嗣となられたことを公に宣明されると共に、之を内外の代表が寿ぐ儀式
- ○皇嗣に壺切御剣親授
- 壺切御剣を皇嗣に親授される行事
- ○賢所皇霊殿神殿に謁するの儀
- 立皇嗣宣明の儀の後、賢所皇霊殿神殿に皇嗣が拝礼される儀式
- ◎朝見の儀
- 立皇嗣宣明の儀の後、今上天皇が初めて皇嗣に会われる儀式
- ○一般参賀(記帳)
- 立皇嗣の礼の後、一般国民の祝福を皇居等で受けられる行事
- ◎宮中饗宴の儀
- 文仁親王が皇嗣となられたことを披露され、内外の代表と倶に祝われる饗宴
- ○神宮御参拝
- 立皇嗣の礼の後、神宮に拝礼される行事
- ○神武天皇山陵御参拝
- 立皇嗣の礼の後、神武天皇山陵に拝礼される行事
- ○昭和天皇山陵御参拝
- 立皇嗣の礼の後、昭和天皇山陵に拝礼される行事
「◎」は国の儀式(天皇の国事行為)、「○」は皇室の行事である。中心儀式は◎立皇嗣宣明の儀であり、皇族の方々をはじめ、国の三権の長ら国内の要人と外交団長が参列する。
法的根拠
前述の礼関係行事等は、令和2年(2020年)3月24日に閣議決定した「立皇嗣の礼を国の儀式として行うことについて」に基づく。以下引用。
- 国の儀式として、文仁親王殿下の立皇嗣の礼を行う。
- 立皇嗣の礼における各儀は、立皇嗣宣明の儀及び朝見の儀とする。
- 立皇嗣宣明の儀及び朝見の儀は、令和2年4月19日、宮中において行う。
- 立皇嗣の礼の各儀の細目は、宮内庁長官が定める。
◎立皇嗣宣明の儀、◎朝見の儀、及び◎宮中饗宴の儀は、日本国憲法第7条第10号の規定に基づく天皇の国事行為の儀式とされている。以下引用。
※原文は縦書きの為、引用文中の「左」の文言は「次」と同義である。下線は引用者による。
日本国憲法
〔略〕
第一章 天皇
〔略〕
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。
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関連項目