複利とは、お金の貸し借りに関する用語で、利子の計算方法の1つである。関連語は単利。
借り入れたお金を元金Aとして、1回目に利子が発生するときは元金Aのみに利率を掛けて利子を計算し、2回目以降に利子が発生するときは元金Aに発生した利子を加えて「新しい元金」を計算してから「新しい元金」に対して利率を掛けて利子を計算することを複利という。
100円を借り、年利3%利率で1年ごとに複利で利子を発生させ、3年後に元金・利子をまとめて支払うとする。
2年目は元金100円に「1年目の利子3円」を加えて新しい元金を103円と扱い、利子を103円×0.01×3=3.09円と計算する。
3年目は元金103円に「2年目の利子3.09円」を加えて新しい元金を106.09円と扱い、利子を106.09円×0.01×3≒3.18円と計算する。
最終日に返済するお金は、元金106.09円と3年目の利子3.18円を足して109.27円になる。
100円を借り、年利3%利率で1年ごとに複利で利子を発生させ、n年後に元金・利子をまとめて支払うとする。
n年後の元金と利子がいくらになるかを表にすると以下のようになる。
単利 その年の元金 |
単利 その年の利子 |
複利 その年の元金 |
複利 その年の利子 |
|
1年 | 100 | 3 | 100 | 3.00 |
2年 | 100 | 3 | 103 | 3.09 |
3年 | 100 | 3 | 106.09 | 3.18 |
4年 | 100 | 3 | 109.27 | 3.28 |
5年 | 100 | 3 | 112.55 | 3.38 |
10年 | 100 | 3 | 130.48 | 3.91 |
20年 | 100 | 3 | 175.35 | 5.26 |
普通の数式で表現する場合、複利で計算する場合のn年後の元金=「借りたお金」×「(1+0.01×利率)のn-1乗」という数値になる。
普通の数式で表現する場合、複利で計算する場合のn年後の利子=複利で計算する場合のn年後の元金×0.01×利率という数値になる。
エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルに元金を入力し、B2のセルに利率(年利 %)を入力し、B3のセルに年数を入力する場合、n年後の元金を複利で計算すると=B1*(1+0.01*B2)^(B3-1)になり、n年後の利子を複利で計算すると=B1*(1+0.01*B2)^(B3-1)*0.01*B2になる。
100円を借り、年利3%利率で1年ごとに複利で利子を発生させ、n年後に元金・利子をまとめて支払うとする。
n年後の返済総額(元金利子合計金額)と、返済総額から借りた100円を引いた数値を表にすると以下のようになる。
単利 返済総額 (元金利子合計) |
単利 返済総額から 借りた100円を 引いた数値 |
複利 返済総額 (元金利子合計) |
複利 返済総額から 借りた100円を 引いた数値 |
|
1年 | 103 | 3 | 103.00 | 3.00 |
2年 | 106 | 6 | 106.09 | 6.09 |
3年 | 109 | 9 | 109.27 | 9.27 |
4年 | 112 | 12 | 112.55 | 12.55 |
5年 | 115 | 15 | 115.93 | 15.93 |
10年 | 130 | 30 | 134.39 | 34.39 |
20年 | 160 | 60 | 180.61 | 80.61 |
普通の数式で表現する場合、複利で計算する場合の返済総額=「借りたお金」×「(1+0.01×利率)のn乗」という数値になる。
エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルに元金を入力し、B2のセルに利率(年利 %)を入力し、B3のセルに年数を入力する場合、n年後の返済総額を複利で計算すると=B1*(1+0.01*B2)^(B3)になる。
複利というのは、借りたお金を元金とするだけではなく、その元金に利子が付いて元金自体が増加していくというものである。このため「雪だるま式に返済額が増える」と表現される。
複利というのは、債務者にとって返済額が増えやすくて厳しいものであり、債権者にとって資産が増えやすくて美味しいものである。
物理学者のアルバート・アインシュタインは「複利は人類最大の発明。 知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う」と語ったと言われる。
複利は、「利子が発生する期間」のたびに借り換えを行っているのと同じである。「100円を借り、年利3%利率で1年ごとに複利で利子を発生させ、n年後に元金・利子をまとめて支払う」ということと、「100円を借りて年利3%で1年後に返済することを約束して、1年後に返済総額を借り換えして年利3%で1年後に返済することを約束して、さらに1年後に返済総額を借り換えして年利3%で1年後に返済することを約束して、それを繰り返してn年経った」というのは、同じことである。
複利は、利子が発生する期間というものが重要になる。そして利子が発生する期間に合わせて利率を換算することが大事な作業になる。一般的に利率は年間利率で表現されるので、利子が発生する期間が1日おきなら利率を年間利率を「1日あたりの利率」に換算する。
「利子が発生する期間が●日間隔で複利の金利を付ける」ということを●日複利と表現する。10日複利、100日複利といった表現になる。
「利子が発生する期間が●ヶ月間隔で複利の金利を付ける」ということを●月複利と表現する。1月複利、2月複利といった表現になる。
「利子が発生する期間が半年間隔で複利の金利を付ける」ということを半年複利と表現する。この表現は特に多く見かける。
利子を計算する利率は、年利の百分率(%)で表示することが一般的である。
1日あたりの利率がn%で複利計算をするとき、これを年利に換算するには、(1+0.01×n)を365乗して数値Aを計算し、その数値Aから1を引いて数値Bを計算し、数値Bに100を掛ける。エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルに1日あたりの利率(%)を入力する場合、年利(%)を複利で計算すると=((1+0.01*B1)^(365)-1)*100になる。
1月あたりの利率がn%で複利計算をするとき、これを年利に換算するには、(1+0.01×n)を12乗して数値Aを計算し、その数値Aから1を引いて数値Bを計算し、数値Bに100を掛ける。エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルに1月あたりの利率(%)を入力する場合、年利(%)を複利で計算すると=((1+0.01*B1)^(12)-1)*100になる。
年利の利率がn%で複利計算をするとき、これを1日あたりの利率p%に換算するには、(1+0.01×n)の365乗根=(1+0.01×p)という式を立てて、これを解く。エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルに1年あたりの利率(%)を入力する場合、1日あたりの利率(%)を複利で計算すると=((1+0.01*B1)^(1/365)-1)*100になる。
年利の利率がn%で複利計算をするとき、これを1月あたりの利率p%に換算するには、(1+0.01×n)の12乗根=(1+0.01×p)という式を立てて、これを解く。エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルに1年あたりの利率(%)を入力する場合、1月あたりの利率(%)を複利で計算すると=((1+0.01*B1)^(1/12)-1)*100になる。
10日あたりの利率がn%で複利計算をするとき、これを年利に換算するには、(1+0.01×n)を36.5乗して数値Aを計算し、その数値Aから1を引いて数値Bを計算し、数値Bに100を掛ける。36.5乗というのは365÷10で計算した数字である。エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルに10日あたりの利率(%)を入力する場合、年利(%)を複利で計算すると=((1+0.01*B1)^(365/10)-1)*100になる。
k日あたりの利率がn%で複利計算をするとき、これを年利に換算するには、(1+0.01×n)を「365/k」乗して数値Aを計算し、その数値Aから1を引いて数値Bを計算し、数値Bに100を掛ける。エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルにk日あたりの利率(%)を入力し、B2のセルに利子が発生する間隔の日数を入力する場合、年利(%)を複利で計算すると=((1+0.01*B1)^(365/B2)-1)*100になる。
年利の利率がn%で複利計算をするとき、これを10日あたりの利率p%に換算するには、(1+0.01×n)の36.5乗根=(1+0.01×p)という式を立てて、これを解く。36.5乗というのは365÷10で計算した数字である。エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルに1年あたりの利率(%)を入力する場合、10日あたりの利率(%)を複利で計算すると=((1+0.01*B1)^(1/(365/10))-1)*100になる。
年利の利率がn%で複利計算をするとき、これをk日あたりの利率p%に換算するには、(1+0.01×n)の「365/k」乗根=(1+0.01×p)という式を立てて、これを解く。エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルに1年あたりの利率(%)を入力し、B2のセルに利子が発生する間隔の日数を入力する場合、k日あたりの利率(%)を複利で計算すると=((1+0.01*B1)^(1/(365/B2))-1)*100になる。
3ヶ月あたりの利率がn%で複利計算をするとき、これを年利に換算するには、(1+0.01×n)を4乗して数値Aを計算し、その数値Aから1を引いて数値Bを計算し、数値Bに100を掛ける。4乗というのは12÷3で計算した数字である。エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルに3ヶ月あたりの利率(%)を入力する場合、年利(%)を複利で計算すると=((1+0.01*B1)^(4)-1)*100になる。
kヶ日あたりの利率がn%で複利計算をするとき、これを年利に換算するには、(1+0.01×n)を「12/k」乗して数値Aを計算し、その数値Aから1を引いて数値Bを計算し、数値Bに100を掛ける。エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルにkヶ月あたりの利率(%)を入力し、B2のセルに利子が発生する間隔の月数を入力する場合、年利(%)を複利で計算すると=((1+0.01*B1)^(12/B2)-1)*100になる。
年利の利率がn%で複利計算をするとき、これを3ヶ月あたりの利率p%に換算するには、(1+0.01×n)の4乗根=(1+0.01×p)という式を立てて、これを解く。4乗というのは12÷3で計算した数字である。エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルに1年あたりの利率(%)を入力する場合、3ヶ月あたりの利率(%)を複利で計算すると=((1+0.01*B1)^(1/4)-1)*100になる。
年利の利率がn%で複利計算をするとき、これをkヶ月あたりの利率p%に換算するには、(1+0.01×n)の「12/k」乗根=(1+0.01×p)という式を立てて、これを解く。エクセルやオープンオフィスといった表計算ソフトを使い、B1のセルに1年あたりの利率(%)を入力し、B2のセルに利子が発生する間隔の月数を入力する場合、kヶ月あたりの利率(%)を複利で計算すると=((1+0.01*B1)^(1/(12/B2))-1)*100になる。
元金100円の場合、利息制限法第1条で年利20%以下と定められている。
この規制を遵守するような利率を単利の考えや複利の考えに従って計算してみると、次のようになる。
単利 | 複利 | |
1日あたり利率(%) | 0.054 | 0.049 |
10日あたり利率(%) | 0.547 | 0.500 |
20日あたり利率(%) | 1.095 | 1.004 |
1月あたり利率(%) | 1.666 | 1.530 |
2月あたり利率(%) | 3.333 | 3.085 |
4月あたり利率(%) | 6.666 | 6.265 |
6月あたり利率(%) | 10.000 | 9.544 |
8月あたり利率(%) | 13.333 | 12.924 |
10月あたり利率(%) | 16.666 | 16.408 |
12月あたり利率(%) | 20.000 | 20.000 |
トイチの金利という言葉があり、「10日で10%の金利が付く」という意味である。トイチの金利は単利で計算しても複利で計算しても利息制限法第1条に違反している。
利率1%といっても、その「利子が付く期間」で大きく異なってくる。
単利 | 複利 | |
1日あたり利率(%)である場合の年利換算 | 365.00 | 3678.34 |
10日あたり利率(%)である場合の年利換算 | 36.50 | 43.79 |
20日あたり利率(%)である場合の年利換算 | 18.25 | 19.91 |
1月あたり利率(%)である場合の年利換算 | 12.00 | 12.68 |
2月あたり利率(%)である場合の年利換算 | 6.00 | 6.15 |
4月あたり利率(%)である場合の年利換算 | 3.00 | 3.03 |
6月あたり利率(%)である場合の年利換算 | 2.00 | 2.01 |
8月あたり利率(%)である場合の年利換算 | 1.50 | 1.50 |
10月あたり利率(%)である場合の年利換算 | 1.20 | 1.20 |
12月あたり利率(%)である場合の年利換算 | 1.00 | 1.00 |
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最終更新:2024/05/26(日) 16:00
最終更新:2024/05/26(日) 16:00
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