評論家とは、評論行為を職業とする者、あるいは評論を行う人その者のことである。批評家とも言われる。
特定の物事・分野についての評論を行う人として、一定の知識や立場を持っている人が自然とそう呼ばれたり、または自称したりする。それぞれの扱う分野によって「○○評論家」などとして扱われることが多く、該当分野に対する分析や解説などの役割を担うことが多い。名乗るのに厳密な条件があるわけではないため、評論家と呼ばれる人々の出自や経歴、さらには質すらも様々である。
評論家の主な活動場所は雑誌や新聞、TVやラジオなどのメディアである。評論家側にとっては自分の言葉を広く影響力を持って伝えることが出来るメディアを、メディアの側にとっては専門分野に対して一定の知識を持ち、それらの解説などを投げることの出来る評論家を重宝している関係にあるのである。また、メディアに登場する際には「有識者」「論客」「文化人」「オピニオンリーダー」「エコノミスト(経済関連の場合)」など、別の様々な表現で紹介されることもある。
その後インターネットの普及に伴ってあらゆる人々が自ら情報発信をすることが容易な環境になると、従来のマスメディアに頼らず自らネットで評論を発信したり、またネットメディアを活用する評論家も増えるようになっていった。
専門分野に対する知識と世間への影響力を高め、それぞれを行使して活動するのが評論家であるが、例によってそれらが悪用される事態にも事欠かない。
多少個人的な感性が込められることは当然あることとしても、評論家には基本的には客観的かつ冷静な評論が求められるのだが、個人的な好き嫌いを優先した評価を意図的に下したり、不評な流れの作品叩きに後乗りすることによる売名などの影響力目当ての行為が問題視されている。特に地位の高い評論家がそのような行動を取った場合の影響は計り知れない物となり、一部では訴訟や賠償問題にまで波及することもある。
そこまでの規模でなくとも、これらの身勝手な行動を続けていけば不評を買って信頼を損ねる事になっていくのだが、同じ嗜好を持つ者達からは支持を集めてしまうため、とにかく常に批判的姿勢を採り続けるという手法は評論家の定番としてそのまま絶えることなくむしろ日に日に増加し続けているのが現状である。
常に不安や批判を挙げ続けていれば、それが的中した時にはこれ幸いと稼ぎ時となる上に、逆に外れた場合でも杞憂に終わった分指摘されにくいということもあり、そうしたあくまで責任を負わない立場の物言える外野に居続けようとする姿勢をする人物などはよく批判の的になったりもする。また、批判ばかりの路線の評論家はそれが平常運転として扱われるので、正しい話でも聞き流されやすくなってしまう場合もある。
そもそも評論家もあくまで一個人であり、評論で食っていかないといけない立場でしかないのは聞く側にもより広く認識されるべき事実であるとも言える。
そもそも活動内容からして外野から突っ込みや批判を繰り返すことが多くなるため非常に嫌われやすい上に、上記のような問題も相まって「評論家」という言葉自体にマイナスイメージが大昔から蓄積され続けていることもあってか、現代では皮肉や揶揄を目的とした蔑称としても幅広く使われるようになっている。
責任を負わずに物事を大上段から物を言うような姿勢や、まともな評論のように個人的感想を語る様、攻撃的で自己顕示ありきの態度などを指して評論家(「自称」と付いたり「様」が付いたりも)と呼ばれたりするが、それらの性質もまた上記にある評論家自身の性質・問題と類似しているのは正に皮肉である。
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最終更新:2024/11/09(土) 09:00
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