講談 単語

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講談(こうだん)とは、人が語る演芸の一つである。それを演じる職業を講談師という。また、江戸時代は講釈と呼ばれ、その名残で、講談師を講釈師と呼ぶことがある。

概要

音吐朗々とり上げて調子をとりながら、読み物を読み上げ、聴衆に聴かせる話芸。テーマとなる題は軍記物、政談、武勇伝、人物伝、伝承などで、史実や伝承に基づいたものが多く、江戸時代から教養の側面を持っているのが特徴である。

また、演が1時間以上に及ぶものもあり、それを何回かに分けて話す演もある。これは、江戸時代講釈小屋にて客を引き込むために、これから更に盛り上がるところでお開きにして、聴衆をまた小屋に呼び込む商売術の名残である。

有名な屋号に一龍斎、神田堂、宝井などがある。また、後述する落語を演じる噺と違い、女性が多いのが特徴である。また、立川談志のように講談、落語の双方演じる噺もいたり、一龍斎貞友のように声優と講釈師の二足鞋もいたりする。

余談だが、講談は大手出版社「講談社」の由来にもなっている。

有名な講談師に神田伯山(旧号は神田)、一龍斎貞一龍斎貞山、堂南陵、宝井琴などがいるが、成り手が減少しており、今日では40数名という状況であり、これを神田伯山は、講談師は絶滅危惧種自虐し、それを啓材料にしている。

落語との違い

落語との違いは以下のようなものがある。

  • は極力、史実や伝承に忠実とされ、落語のように話を化したりはしない。これは教養という側面を持っているためである。また、新作講談であっても、フィクション的な創作話は少ない。
  • 教養の側面を持っているため、お笑いといった要素が薄い。だが、全くお笑いなしだと単調気味になり、聴衆に飽きられてしまうので、時々くすぐりを入れたり、豆知識の小話を入れたり、メタな話を持ってきたりする。
  • 前述したように、話を中断する(お開き)ことが多い。対して落語は、一度話した演は下げを演じるまで続ける(ただし、時間が押している場合は、途中の展開を巻いたり、端折ったりすることはある)
  • 登場人物の台詞最低限のものだけで、基本は語りがメインとなる。対して落語は語りは一部にとどまり、台詞メイン。今に言い換えるとドキュメンタリードラマの違いと言えるだろう。
  • 講談は基本、登場人物が変わっても、色を変えずに同一の調子で演じるのがセオリー。一方、落語色は極力変え、メリハリを付けるのが本寸法とされる。
  • 江戸でも上方でも、基本は江戸方言で演じる。重要人物は、当初どんなに訛っていても重要な場面ではいきなり畏まった江戸方言となる。これを業界では講談の七不思議というらしい。

また、講談に似た演芸で、浪曲(浪節)というものがある。浪曲は、三味線バックに拍子木などで調子をとり、節をつけながら語るものである。一方、人物の台詞などは講談のように朗々と語る。

これが浄瑠璃、義太夫節となると人物の語りなども含め、全てに節がつき、ほとんど歌のようなものである。

つまり、こういう並べ方ができるだろう

(語りが浄瑠璃 > 浪曲 > 講談 > 落語 (台詞

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