アーマード・コア ネクサス(ARMORED CORE NEXUS)とは、フロム・ソフトウェアから発売されたPS2用ロボットアクションゲームである。
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アーマード・コアシリーズの8作目であり、それぞれ転機を齎した区分である初代、2系、3系と続く4番目のシリーズ一新が図られた今作は、初のナンバリングではないタイトルを持つ。略称はNX(NeXus)、ACNXなど。
本編であるエヴォリューションと、過去作のミッションをリメイクしたアペンド・ディスクのレヴォリューションの二枚組み。
パーツ・グラフィックこそ3シリーズの流用だが、それ以外の部分において多数の変更と新要素が追加されている。
以前のシリーズではダミー扱いであったり、端数が切り捨てられていたりと事実上形骸化していたパラメータが見直された。ちゃんと一ケタ台から反映されるように変更されている。
特徴的なシステムの変更(新要素)に、“熱量”の概念がある。
それまでは被弾とオーバード・ブーストによる発熱、ラジエーターによる冷却のみが有効であったが、本作では自身の機動力の要であるジェネレータとブースターにも発熱が追加され、またラジエータの緊急冷却時にはエネルギーを余分に消費するように改められた。これにより、脚部や頭部といった外装パーツに設定されていた冷却性能の値の重要性が高まり、快適な機動力を得るための「重量」「消費電力」と肩を並べる新たな要素となった。特にこれまでは高出力一択であったジェネレータやブースターについて、より適切なパーツの組み合わせが求められ、選択の幅が広がっている。
一部のコアに新たな新機能が追加され、小型の武器を“格納”することができるようになった。現在手に持っている武器を投棄する事で装備を変更するもので、当然出撃中に格納し直す事は出来ないが、総合的な弾薬の保持量から長期戦闘が可能となった(但し、過去のシリーズに比べて武器の装弾数が大幅に削減されているため、格納機能があるからといって安易な無駄撃ちが許されるほど難易度が低下した訳ではない)。
パーツの変更点では、初期パーツの売却が出来なくなり、逆に初期パーツ以外ならば独自のチューンナップが施せるようになった点が挙げられる。チューンナップにかかる費用は有料であり、簡単に手を出す事は出来ないが、パーツの長所を伸ばしたり、短所を補うといった形で新たなアセンブリの幅が見出せるようになった。
他にも、本作から実弾系武器の「マガジン」という概念も追加された。これは武器ごとに設定されたマガジン装弾数ごとにリロード時間が挟まれるというもので、単なる威力やリロード以外にも武器の性能を個性化した意欲的な要素である。評価は分かれるところで、リアリティがあり、対戦バランスを取る重要な要素……との声がある一方で、爽快感がなくなった、リロードの演出が無いからリアリティに欠ける、一定時間待つだけで再び装弾数分連射できるのはおかしい、明らかにガトリング系の武器なのにマガジン……といった声も根強い。
システムにおいても新要素が追加されている。本作では、ミッション直前にセーブし失敗時にロードしてやりなおす、といった行動を取るとペナルティが科せられる。これの実体は、ゲーム終了選択時のセーブのみを正規とし、ゲーム継続中のセーブはあくまで仮として扱うもので、仮の状態のデータをロードすると違反扱いされるといった仕組みである。これは、シナリオにおけるミッション派生を重視し、安易なセーブ&ロードを抑制してよりリアリティを求めた結果の措置と考えられているが、ユーザー間での評価は賛否両論である。というのも、セーブ&ロードが出来ないという事は、ミッションの事前情報には含まれない予想外の事態に対して慎重にならざるを得ないという事であり、考え得る限りの汎用性を追及した(定番の)アセンブリでの出撃を余儀なくされてしまう為である。更に、このシステム自体が、セーブデータ領域が二つあれば簡単に回避できてしまうといった弱点をも抱えている。その後のシリーズでは撤廃される事となった。
強化人間についてはプレイヤーが成る事は不可能になったが、本作から「ブレード光波」のみ誰でも使用できるように改められ、実用性はともかくブレード武器の個性化が図られている。
意欲的な本作ではあるが、ゲームバランスにおいては調整不足とする評価が多い。まず、初心者が適当に高性能な(高価な)パーツを装備しても、性能が向上するどころか、逆にちょっと動かしただけで熱暴走を始めてしまう。また、脚部パーツの積載量の余裕が移動速度に大きく関与するよう仕様が変更された影響で、鈍重なはずの重量機体が普通の軽量機体より早くなる事態も起こってしまった。本作では熱の概念以前に機体の移動速度が低下し、特に初期装備がこれまでの重量級に相当するほど重い動きに仕様が変更されており、過去シリーズの経験者であれば、上手い落としどころを見つけて漸く「これまでの中量級程度の機動力を確保できた」というレベルである。こういった様々な要因により、期待されていたアセンブリの多様性は発揮されず、結局は「使えるパーツの組み合わせ」が定番化してしまっているのが実情である。この辺りは「熱管理シミュレーター」「熱暴走させたら勝ち」という蔑称が端的に現している。
但し、本作は演出面が強化されているという点から見れば決して過去シリーズに劣るとは言い切れない。無論、ゲーム性において難があるのは事実だが、失敗は次回以降に修正されており、新要素に踏み出した一歩目としての功績は大きいといえるだろう。エンディングは全て続編であるアーマード・コア ラストレイヴンに繋がる。今作だけではシナリオに伏線や決着もなく、またラストレイヴンまでの間にナインブレイカーの発売を挟んでいる事もあり、発売当時は凄絶な議論を呼んでいたが、現在では総合的な評価が見直されている。
本作でも上位ランカーは老若男女問わず強化人間ぞろいである。初代シリーズの経験者、ないし本作のレヴォリューションのリメイクシナリオの経験者であれば、強化人間の哀しい実態、そしてそれに対する抵抗も生まれようというものだが……そんな人体実験被検体の連中があーだこーだとドラマを広げる中、唯一の真人間である主人公こそが強化人間の如く冷徹に任務を遂行している事実に、レイヴンの風刺的な面が見受けられる。
ランク一位を守るレイヴン。強くあろうという一心でレイヴン稼業をしている。
愛機デュアルフェイスは全身が骨ばったクレスト製で統一されたパーツに黒一色という質実剛健な渋い機体。
ただし、一撃に乏しいライフル、命中させづらいグレネード二門、当てにくいブレードというシステムに嫌われた武装揃い。
特に二門のグレネードは重量過多の原因であり、両肩同キャノンという構築は「ジノる」という嘲笑の言葉を生んだ。
例によって彼との戦闘は不可避であり、プレイヤーはこういったランカーと(悪く言えばゲーム的に)強制的に戦わなければならない。シリーズ通しての理不尽のお約束であり、疑問の種。
主人公と同期のレイヴン。
やや自信過剰な節はあるが、類稀なセンスで短期間で上位ランカーに食い込む確かな実力の持ち主。
愛機オラクルは本作オープニングで市街戦・空中戦・閉所戦とめくるめくあらゆる状況で活躍している姿が見られる。
中盤のアリーナ戦で彼に勝つと「その力で何をする気だ!」と罵られるが、初っ端から強化人間になっているヤツに言われたくないものである。
ラストレイヴンで成長した彼を見て感慨したシリーズプレーヤーも多い。
あらゆる企業からの依頼を高い遂行率でこなすエースレイヴン。
肉体派揃いのレイヴンの中では珍しく知略にも長けており、自由人というレイヴンとしての有り様に高潔である人物。ラストレイヴンでもそのカリスマ性は衰えなかった。
愛機フォックス・アイは……大百科の彼の記事を読むことを強くお勧めする。
アーマード・コアを駆る傭兵(レイヴン)を統括する派遣組織。
傭兵という個人業をバックアップするため、専属オペレーターの派遣、パーツ・弾薬の販売等を一括して行う。
ただし、レイヴン戦力の平等配分という名目のもと、癒着を防ぐため企業専属を禁止している。
ちなみに、主人公専属のオペレーターは女性。例によって冷淡で事務的な人物。
最大規模の企業。表立って覇権拡大に向けて動く。
製品は先端主義を貫き、特にEN系武器への防御力が高い。また、付加機能コアの種類が多彩である。
反面、装備負荷も相応に高く、バランスを取るのが難しいパーツが多い。
シェア2位で、ミラージュに嫌悪感を示しつつも、その隙を狙い力を蓄えている企業。
製品は無骨な外観と同じく質実剛健という言葉が相応しい。汎用性が高く、操作性重視のものが多い。
しかし、実弾防御に尖りやすいという欠点を抱えやすい、特化型が組みにくいという欠点もある。
シェア3位で「技術のキサラギ」を謳う。
ミラージュ・クレスト両企業との正面衝突は避け、水面下で覇権の拡大を狙う。
パーツの性能はミラージュ以上に尖っており、扱いづらいと見るか、特化型として魅力を見出すかが分かれる。
なによりも巨大生物兵器AMIDAを生みだしたことで変態企業の名をほしいままにしている。
サークシティに本拠地を置く新興企業。
特にその周辺の新資源とそれの開発力により、他企業から目を付けられることとなる。
企業群管理機構。
企業の過剰な競争を抑止する目的の組織だが、発言力が小さい。
プレイ動画
アーマード・コア系MAD黎明期の作品詰め合わせ
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最終更新:2025/12/12(金) 20:00
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