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『アーマード・コア(ARMORED CORE)』とは、フロム・ソフトウェアが発売した初代PlayStation用アクションゲーム、及び作中に登場する機動兵器の名称である。
ファンからの通称は「初代AC」「無印AC」「PSAC」など。続編の『プロジェクトファンタズマ』と『マスターオブアリーナ』との3作をまとめて「PS三部作」「初代三部作」などとも呼ばれる。
最終戦争を生き残った人々が暮らす巨大地下都市を舞台に、プレイヤーは機動兵器アーマード・コア(AC)を駆る傭兵となって、世界の支配権を争う企業や、様々な武装勢力から依頼された薄汚いミッションをこなしていく。
「舞台は先が見通せない(=遠景を描画しないで済む)閉鎖空間」「トリガーボタンによる左右平行移動と上下視点移動」「敵機追従(ハードロック)機能を外したFPS的操作方法」など、フロム・ソフトウェアが『キングスフィールド』シリーズで培った3D一人称視点ゲームの製作ノウハウをフルに投じて製作されている。その一方、ロボットアクションということで高速かつ空中戦も可能な3次元的操作感覚と、射撃戦を重視したロックサイト(照準補助)仕様が導入され、操作ボタン配置こそ『キングス』とほぼ同じながら、ゲーム性は一変している。ゲームステージ(ミッション)も遠未来世界ということでバリエーションに富んでおり(地上・空中などの非閉鎖空間も工夫して表現されている)、強い爽快感を持ったゲームに仕上がっている。
本作以降、ACシリーズは10作を超えるロングランシリーズとなるが、アクションシリーズ10作目『ラストレイヴン』までの基礎となるゲームシステムは本作の時点で全て完成されている。シリーズ第一作目にして作られたこのシステムが、ゲーマーから大きな支持を集める要因となったことは言うまでもない。
プレイヤーキャラクターとなるACは「頭部」「コア(胴部)」「両腕部」「脚部」「ジェネレータ(動力部)」「ブースタ(推進器)」「FCS(照準装置)」の7部位に分割され、ここに汎用的な射撃兵器である「右腕用武器」、格闘用レーザーブレードの「左腕用武器」、ミサイルなどの砲撃兵器である「肩部武器」を搭載することで完成する。各パーツには複数のステータスが設定され互いに影響する作りとなっており、脚部の積載量やジェネレータのエネルギー出力などの制限を考慮しながらパーツを換装し、ユーザーそれぞれに適応した機体を作り上げていくことになる。
これらのパーツは基本的に、ミッションクリア後に依頼主から支払われる(一部、クリア前に前払してくれる人もいる)報酬金を使って購入する。しかし単にクリアすると報酬全額が貰えるわけではなく、ミッション中に消費した弾薬の費用や、自機ACパーツの総金額と被ダメージに応じて算出される修理費用、その他ペナルティに応じた特別減算が差っ引かれる。このシビアな「傭兵生活シミュレーション」要素により、独特のサイバーパンク的世界観が形作られている。
「出撃回数に応じて受諾できる依頼が更新されていく」「特定ミッション失敗でゲームオーバーになる以外、ミッション成功/失敗に関わらずゲームが進行する」「キャラクタービジュアルはなく、無機質なメールで世界観が伝えられる」というストーリーテリングの基礎も本作で完成している。ボイスメッセージの数は決して多くないが、それ故にインパクトの強い台詞回しも多く、シリーズ通して語り継がれている名場面も多い。
また、エンディングこそ1種類のみだが、分岐点までにどの勢力の依頼を多く遂行したかによって、依頼の更新パターンが2種類から選ばれる(つまり実質2パターンのシナリオが存在する)、周回プレイを意識した作りになっているのも特徴。複数のシナリオが用意されているのは、意外にも『ラストレイヴン』までの間、本作しか存在していなかった。
数々の硬派な仕様・演出はヘビーゲーマーを強く意識してはいるが、実際のプレイ感覚はそれほど厳しくはなく、ライトユーザーにも十分対応している。画面分割対戦や、通信ケーブルを用いた通信対戦も徐々に盛り上がっていき、フロム・ソフトウェア主催の公式対戦会も開催された。
誤解されがちだが、初版とそれ以降の版で収録データに変更はない。「隠しパーツのWG-1-KARASAWAが誘爆する版としない版がある」というのはデマである。
『大破壊』と呼ばれる、最後の国家間戦争によって、人類は地上からその姿を消した。
災厄を生き延びた僅かな人々は、破壊されつくした地上を捨て、
その住処を地下へと移していった。
膨張した人口を支えるべく、各地に建造されていた地下都市が、
人類に残された大地となったのである。
人はその始まりの時と同じく、自らの過ちによって楽園を失った。
半世紀後。
人類は再び繁栄を迎えていた。
「国家」という概念はすでに無く、それに代わって人々を導き、
あるいは支配したのは「企業」だった。
自由競争の名のもとの苛烈な競争の原理は、
世界を急速に回復させはしたものの、それに伴う歪みも、
また確実に増大していった。
貧富の格差、テロリズムの横行、人種差別…
人類が生み出した壁は、なお消えずにいた。
支配者となった「企業」はより強い権力と金を求め、
そこに争いが絶えることは無かった。
報酬によって依頼を遂行し、何にも組みしない傭兵。
彼らは「レイヴン」と呼ばれていた。
レイヴンズ・ネストに所属する傭兵たちの総称。何にも縛られず、金のみで生き方を選ぶその有様が、自由に飛び回り腐肉を漁る「ワタリガラス」の様だという皮肉から呼ばれるようになった。
ネストから斡旋される合法/非合法問わない依頼や、ネストが要人相手の賭博興行として主催するACバトルへの出場で食い扶持を稼いでいる。基本的に依頼主に使い潰されるだけの存在であり、戦場で敵同士として遭遇することも日常茶飯事のため、レイヴン同士の仲間意識は皆無。
勘違いされやすいが「ACのパイロット=レイヴン」ではない。企業所属のACパイロットも存在する。
地下都市ネットワーク「ナーヴ」を介したレイヴンの支援ネットワーク組織。ACの管理やパーツ販売の仲介、依頼主からの依頼仲介を一手に引き受ける。レイヴンと依頼人の関係には一切干渉せず、例えレイヴン同士が殺し合うことになってもお構いなし。
その実態には謎も多い、というか謎しかないが、事実上ネットワーク上のみに存在する性質上手出しができない上に、絶対中立と外部非干渉を貫きながら「金さえ払えばどんな依頼でも受ける」スタンスが重宝され、地下社会ではなくてはならない存在と化している。
所属レイヴンは戦績順にランキング付けされている。プレイ内容によってはプレイヤーもランキング入りして順位を上げることが出来る。
地下最大都市アイザックシティに本社を置く、世界トップクラスの複合企業体。自社による都市の独占的管理体制を公言してはばからない上に、裏では市民統制の為に自作自演のテロ活動すら行っている。それ故に潜在的な敵勢力は多い。
設定では大破壊の18年ほど前に創設された企業とのこと。トップの総帥以下、社長、取締役会、査問会、各部門のトップで構成されるピラミッド型組織。更に数多くのグループ企業や、支社の計20種に上る下部組織がある。
「技術のムラクモ」。工業系中心の大企業。特にACパーツ分野ではクロームをも凌ぐ技術を持つ。新技術や宇宙開発に貪欲で、大破壊以前の技術復元にも躍起。
クロームに対して公然と反発する数少ない企業であり、アイザックシティ近辺において頻繁に衝突しているほか、かつてクロームが支配権を握っていたザムシティの再開発を積極的に進めている。
設定では、技術に長けるものの単独規模に劣る&反クロームの企業体が大破壊後に合併して作った企業とのこと。本拠地はアイザックシティの南に接するアヴァロン・バレー(しかしゲーム中ではクローム側の依頼ばかり起きる地区であり、本当に本拠地なのか疑いたくなる)。また、製造メカの製品名は全て和名で統一している。
各企業が有する警備組織で、それぞれの企業の支配下エリアの治安維持を担当する。企業直轄の軍との戦力差は歴然で、近年妙に戦力を充足させている武装組織にも歯が立たなくなりつつある。
上役たる企業には逆らえず、武装組織にはいいように叩かれ、謎の新兵器に蹂躙される可哀想な存在だが、そんなことはどうでもいいレイヴンにとっては、ちょうどいい小遣い稼ぎ先でしかない。
クロームと提携する生化学系メーカー。業界では確固たる地位を築いているが、それもクロームの後ろ盾あればの話である。また、何かと黒い噂も絶えない。
「荒廃した地上世界の再生」を目的とする非営利団体で、世界でも指折りの科学者達が所属している。大破壊以前の軍事施設の調査なども担当しており、度々セキュリティメカに手こずってレイヴンに救援を求めてくる。
だが、実像については不透明な面が多く、クローム側からは胡乱な目で見られている。
武闘派と名高い武装組織。「人類の地下世界からの解放」を旗印としており、アイザックシティを中心に数々の非合法活動を行っている。エンブレムがドイツ第三帝国臭い。
クローム製ムラクモ製問わず多彩な武装を揃えているが、どこから入手したのかクローム社の新兵器も投入している。後はもうおわかりですね?
「企業支配からの解放=反クローム社」を掲げる武装集団。エンブレムには「DICTUM FACTUM(言われ、そして行われた)」の格言を掲げる。
活動規模こそ小さいが、武装の充実ぶりではイミネント・ストームを凌ぐと言われている。ここまで書けばもうおわかりですね?
ぶっちゃけると「主要」と言える人物はそんなにいなかったりする。
つまりプレイヤーである「あなた」である。それ以外の設定は冗談抜きで一切存在せず、コマンド入力などで意思表示する機会も一切与えられていない。自由自在にロールプレイを楽しもう。
申し遅れましたが、私、
あなたの担当となりました「R」と申します。
おつきあいが長くなるか短くなるかは、全てあなたの腕次第ですが。
それではまた。
レイヴンズ・ネスト職員。プレイヤーのマネージャーとして、様々な情報をメールで送ってくる。
メールの末尾は決まって「それでは、また。」
我々はいつまでも争っているわけにはいかん。
この世界には一刻も早く強力な指導者が必要なのだ。
全人類を導き、管理する存在がな。
ミッション後にメールを送ってくる人。レイヴンを完全に捨て駒扱いする居丈高な文面が目立つが、ミッションによってはプレイヤーの腕を認める豪快なメッセージを送ってくる上、プレイヤーを自社の切り札として重用するようになる。
あそこの方々の考えは、強引すぎるのです。そう思われませんか?
全ての人類が、再び地上へ帰るためには正しい導き手が必要です。
あの方々は、それにはふさわしくないのですよ。
ミッション後にメールを送ってくる人。敬語で、レイヴンに対しても丁寧だが、ムラクモ流選民思想が強く、何かと毒がにじみ出ている。終盤になるとその高慢さは更に加速する。
俺にとって、今回ばかりは金じゃない。面子の問題だ。
腕の立つ奴なら誰でもいい。待っている。
黄色い重量二脚AC「スレッジハマー」を駆るレイヴン。任務成功率はさほど高くない。
白い軽量二脚AC「ヴァルキュリアC」を駆るレイヴン。女性らしい。
序盤のミッションで敵として登場する。一度間合いに捕まると、CPU仕様に超強化された散弾砲(スラッグガン)で瞬殺してくる初見殺し要員。
ムラクモの研究施設から脱走した元レイヴン。強化人間手術「プラス」の次世代レベル被検体だったが、錯乱状態となり、ACを奪い暴れまわっている。
貴様は あの列車の
・・・・・
好都合だ 決着をつけようか!
赤い中量二脚AC「ワイルドキャット」を駆るレイヴン。腕利きだったが、ある任務を失敗してから豹変し、誰彼見境なく攻撃を仕掛ける狂犬となった。
あるミッションでプレイヤーと護衛対象に襲い掛かる。ここで彼にやられると、後日のACバトルで再戦することになる。
| ARMORED CORE | ||
| PlayStation | 初代AC | プロジェクトファンタズマ | マスターオブアリーナ | |
| PS2 | 2系 | AC2 | 2 アナザーエイジ |
|---|---|---|
| 3系 | AC3 | 3 サイレントライン | |
| N系 | ネクサス | ナインブレイカー | フォーミュラフロント | ラストレイヴン | |
| PS3 X360 |
4系 | AC4 | フォーアンサー |
| V系 | ACV | ヴァーディクトデイ | |
| 第8/9世代機/Steam | Ⅵ ファイアーズ・オブ・ルビコン | |
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最終更新:2025/12/09(火) 08:00
最終更新:2025/12/09(火) 07:00
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