倒さなければ、倒される。
極限の状況の中で22人の傭兵たちは、自らの命を懸けて戦い続ける。
タイムリミットの24時間後に、己が生き残ることを信じて。
『アーマード・コアラストレイヴン』(ARMORED CORE LAST RAVEN)とは、フロム・ソフトウェアから発売されたPlayStation2 / PlayStation Portable用カスタマイズメカアクションゲームである。
外伝的作品の『フォーミュラフロント』やモバイルシリーズを除けば、ACシリーズ通算10作品目。そしてこれまでのレイヴンACシリーズの最終作となった、節目の作品である。
前々作『ネクサス(ACNX)』での大味すぎる調整でレイヴン達を慄かせ、前作『ナインブレイカー(ACNB)』で改善された「新・熱量システム」と、それに関連する機体内装パーツに大きな調整が入ったのが最大の特徴。ブースタ・ジェネレータ・ラジエータの選択の幅が広がる一方、ブースタに新設定された「加速度パラメータ」によって自機の挙動が変化し、良くも悪くも操作セオリーはACNBから一変した。自機の体感スピードも大幅に高速化している。
『3 サイレントライン(AC3SL)』で導入された武器破壊システムの発展形として、ACには各部位に耐久度が設定され、減少すると性能劣化が起こる「部位破壊システム」が導入。自機の当たり判定もパーツ毎に設定、かつ厳密化された(このためシールド装備が軒並み役立たずと化した)。
ストーリーでは初代AC以来となるルート選択要素と、シリーズ初のマルチエンディング(計6+隠し1)を取り入れている。主人公の行動が情勢に影響を及ぼし、世界情勢が刻一刻と変化していくのも特徴。『ACNX』でカットされたミッション・ブリーフィングも復活し、テキストメッセージ数も大幅増加。全体として『NX』をブラッシュアップした正統進化版と言ってよい。
敵メカの爆散時にダメージ判定がある、中ボス戦にあたる対AC戦が非常に多い、シリーズ恒例だったデータロード後の弾薬補給・AP回復が無い、そして自機の速度に対して戦闘領域が狭くエリアオーバーしやすい仕様のおかげで難易度は歴代シリーズでも特に高い。特に『中枢進入』におけるジナイーダ(通称ラスジナ)、全エンディング確認後の隠しミッションに登場するパルヴァライザー最終形態の鬼畜っぷりはシリーズ屈指である。
『2 アナザーエイジ』や『AC3SL』と並んでACシリーズを初めて遊ぶ人にはお勧めできないタイトルだが、それでも「高難易度上等!俺はこれから始めるぜ!」と言ってのける剛毅な新米レイヴンには、一番最初の3つのミッションのうち、最も報酬の高い「管理局強行偵察」というミッションを選ぶことを強く推奨する。
その一方で「N系」全体に漂う調整不足感は拭いきれていないのも実情。特に戦闘領域が狭い点については無駄に難易度を上げている上に爽快感を削いでいることから批判されやすい。更に自機高速化と慣性仕様の変更、ミサイル誘導性能の弱体化によって、対AC戦ではとにかく弾が外れやすい。対戦会では一部の高弾速武器ばかりが選択される結果となった。
部位破壊システムも成功したとは言い難く、攻撃が脚部に集中しやすいフロート型脚部は機動力の高さを簡単に殺されるようになり価値消滅。前作から一律弱体化されたタンク型脚部も大変扱いづらくなってしまった。
2010年には『アーマード・コア ラストレイヴン ポータブル』のタイトルでPSPに移植された。
こちらは、『ACLRP』と略されることが多い。
ボタン数の都合上操作性が低下しているにも関わらず、各種設定がほぼ原作通りに移植されたため、難易度が上昇している。また、キーコンフィグで操作方法を調整しても、「パージ」=「パーツ切り離し」に使用するコマンドは変更できないため、設定によってはパージが出来ない。今作はパージの重要性が高いため、原作を遊んだレイヴンからはこの点で評価が低い。
ただし、敵ACの機動ロジックが弱体化しており、ミサイルの誘導性能が大幅に強化されたことで「敵から逃げ回りながらミサイル攻めする」攻略法が通用するようになったため、操作性を除けば相対的難易度は原作と同等かそれ以下となっているという声もある。ストーリーモードも、一切ペナルティ無しでコンティニューできるようになった。
ちなみに、『アーマード・コア5(当時)』に使用できるプロダクトコードが封入されていたが、当初2011年に発売されるはずだった同作が、詳しい告知もなしに長期にわたって延期されたため、結局このコードは使わずじまいになるのではないかと危惧する声もあった。
最終的に、『アーマード・コアV』となって同作は1年越しに発売され、かなり間隔は開いたものの、無事、このコードを用いたキャンペーンが行われた(シリーズおなじみ「月光」のオリジナルバージョンが入手できると言うものだった)。
旧世代の遺産が人類にもたらしたのは、繁栄などではなかった。
新興企業ナービス領で発見された「新資源」──旧世代兵器は、地上に壊滅的な打撃を与えた後、その出現と同じく、唐突に姿を消した。かつて世界を支配していた企業は力を失い、各地で物資を巡る争いが頻発する。破壊と混乱の中で疲弊した各企業は、単独での支配権の確立は困難だと判断、自らの権益を守るため連合統治機構「アライアンス」を設立した。
それから半年、アライアンスが徐々にその機能を発揮し始め、世界に新しい秩序が生まれようとした矢先、行方不明となっていた旧レイヴンズ・アーク総帥「ジャック・O」が、武装勢力「バーテックス」を率いてアライアンス打倒の声明を発信する。ジャックは「レイヴンによる新たなる秩序の創出」という理想を掲げ、自らの本拠地「サークシティ」の所在を明らかにし、全てのレイヴンに集結を呼びかけた。
アライアンスはジャックに同調する全てのレイヴンに賞金を懸け、バーテックスの切り崩しを謀る。ジャックもまた自らの敵に回ったレイヴンに同様の措置を取ると表明し、レイヴン達はお互いの賞金を狙い戦闘を繰り返した。
今作は『NX』の直接的続編である。
『NX』からわずかに半年ほどしかすぎていない時代が舞台となっており、引き続き登場する用語や組織・人物が非常に多く、シリーズの中でも、続編として前作との関わりが特に深い作品である。
そのため、『NX』をやっていると世界観などの把握が容易になるが、ストーリー自体はそこまで深く繋がってはいないので、この作品からプレイしても問題は無い。
むしろ、どれも個性的な登場人物と、優位を得るべく戦う二組織の対立状態と言う比較的わかりやすい世界情勢のおかげで、従来作よりも妄想力フロム脳の必要性が低いわかりやすい展開になっており、世界観に入り込めるという点に関しては新規プレーヤーにも勧められるストーリーである。
シリーズを通して見ても、24時間というタイムリミットの中で戦うという短時間のストーリーは唯一無二である。
また、過去の作品では、歴史伝記のように、世界情勢を主人公という傭兵が傍観するような展開であったが、本作では主人公を含めた個人の物語に焦点が当たっており、過酷な世界を生きるレイヴン達のドラマティックな生き様が描かれる。
撃破された場合、また最初の時間からやり直すことになる(一応コンティニューできないわけでもないが)。
↑パーツ無購入縛りでミッションを攻略するシリーズ。この作品でレイヴン入門するプレーヤーにとってミッション選択方針は参考になるだろう。
メカニック作中登場事項二次創作・ネタ・その他
|
キャラクター |
| ARMORED CORE | ||
| PlayStation | 初代AC | プロジェクトファンタズマ | マスターオブアリーナ | |
| PS2 | 2系 | AC2 | 2 アナザーエイジ |
|---|---|---|
| 3系 | AC3 | 3 サイレントライン | |
| N系 | ネクサス | ナインブレイカー | フォーミュラフロント | ラストレイヴン | |
| PS3 X360 |
4系 | AC4 | フォーアンサー |
| V系 | ACV | ヴァーディクトデイ | |
| 第8/9世代機/Steam | Ⅵ ファイアーズ・オブ・ルビコン | |
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掲示板
451 ななしのよっしん
2025/04/29(火) 21:09:57 ID: w/pbl7Mvql
452 ななしのよっしん
2025/04/29(火) 21:16:17 ID: GK3ppQ1E35
本作をクソゲー呼ばわりしてる層のはソウルボーン系が馴染めない層と被ってそう
本作はゲームオーバーになっても直前からすぐやり直せるから、トライ&エラーはやりやすいし、アクション面もだいぶ快適、アセンブルもパーツ上方修正と潤沢な初期資金でだいぶマシ
これをクソゲーという奴はゲーム舐めてる
……それはそれとして変に難しいし、シリーズ伝統の不親切部分はそのままだし、部位破壊とか言うカス要素追加されてるけどな!!!
マジでNXのステージデザインのまま、挙動とパラメータだけ換えてくれればよかったんだが…
453 ななしのよっしん
2025/07/20(日) 16:58:25 ID: xtYRt9QgOV
部位破壊がオフに出来ないから、対人という点ではクソ呼ばわりも文句は言えん
他にも自機が高速化しすぎて弾が当たらないから使われる武器がかなり減ったし、フレームはほぼ一択に陥った
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/09(火) 15:00
最終更新:2025/12/09(火) 15:00
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