倒さなければ、倒される。
極限の状況の中で22人の傭兵たちは、自らの命を懸けて戦い続ける。
タイムリミットの24時間後に、己が生き残ることを信じて。
『アーマード・コアラストレイヴン』(ARMORED CORE LAST RAVEN)とは、フロム・ソフトウェアから発売されたPlayStation2 / PlayStation Portable用カスタマイズメカアクションゲームである。
外伝的作品の『フォーミュラフロント』やモバイルシリーズを除けば、ACシリーズ通算10作品目。そしてこれまでのレイヴンACシリーズの最終作となった、節目の作品である。
前々作『アーマード・コア ネクサス』(以下、『NX』)で導入された新操作や新システムがより洗練され、ストーリー面では『アーマード・コア3』(以下、『AC3』)から続く物語の完結を描いており、まさにシリーズの総決算的作品といえる作品(次作『アーマード・コア4』以降は、世界観や操作方法が根本から見直されリニューアルされた)。
『NX』で、その大味すぎる調整でレイヴン達を慄かせた「熱暴走」の要素などが、大幅に改良されたほか、各部位に耐久度が設定され、これによって性能劣化が起こる「部位破壊」の導入によってさらに戦略性が増した。また、マルチエンディングなど『NX』で期待されたものの導入されなかった要素が追加され、パーツ数も大幅に増加しており、全体として『NX』をブラッシュアップした正統進化版となったと言ってよい。
しかし、シリーズでも特に高い難易度と、パーツバランスの劣悪さで悪評も高い。
パーツ数自体は多いのだが、そのせいでいわゆる「産廃」パーツが少なからず生まれている。また、「部位破壊」導入の結果、脆すぎて足の速さが殺された「フロート型」と、鈍すぎてほかのパーツを危険に晒すことになった「タンク型」の2つは、カテゴリーそのものがほぼオワコンと化してしまった。
また、この大味さはまるごと対戦にも反映されてしまっていたため、対戦バランスも悪かった。前作『アーマード・コア ナインブレイカー』が良調整だったこともあって、今作での対戦はさっぱり盛り上がらなかった。
2010年には『アーマード・コア ラストレイヴン ポータブル』のタイトルでPSPに移植された。
こちらは、『ACLRP』と略されることが多い。
PS2版を忠実に再現した移植作だが、ボタン数の都合上操作性が低下しているにも関わらず、難易度やパーツ調整も忠実なままであったため、難易度はかなり高い。また、キーコンフィグで操作方法を調整しても、「パージ」=「パーツ切り離し」に使用するコマンドは変更できないため、設定によってはパージが出来ない。今作はパージの重要性が高いため、PS2版を遊んだレイヴンからはこの点で評価が低い。
ただし、敵AIが弱体化しているため、相対的に難易度はPS2版と同等かそれ以下となっているという声もある。ストーリーモードも、一切ペナルティ無しでコンティニューできるようになったため、クリアが容易になっている。
ちなみに、『アーマード・コア5(当時)』に使用できるプロダクトコードが封入されていたが、当初2011年に発売されるはずだった同作が、詳しい告知もなしに長期にわたって延期されたため、結局このコードは使わずじまいになるのではないかと危惧する声もあった。
最終的に、『アーマード・コアV』となって同作は1年越しに発売され、かなり間隔は開いたものの、無事、このコードを用いたキャンペーンが行われた(シリーズおなじみ「月光」のオリジナルバージョンが入手できると言うものだった)。
旧世代の遺産が人類にもたらしたのは、繁栄などではなかった。
新興企業ナービス領で発見された「新資源」──旧世代兵器は、地上に壊滅的な打撃を与えた後、その出現と同じく、唐突に姿を消した。かつて世界を支配していた企業は力を失い、各地で物資を巡る争いが頻発する。破壊と混乱の中で疲弊した各企業は、単独での支配権の確立は困難だと判断、自らの権益を守るため連合統治機構「アライアンス」を設立した。
それから半年、アライアンスが徐々にその機能を発揮し始め、世界に新しい秩序が生まれようとした矢先、行方不明となっていた旧レイヴンズ・アーク総帥「ジャック・O」が、武装勢力「バーテックス」を率いてアライアンス打倒の声明を発信する。ジャックは「レイヴンによる新たなる秩序の創出」という理想を掲げ、自らの本拠地「サークシティ」の所在を明らかにし、全てのレイヴンに集結を呼びかけた。
アライアンスはジャックに同調する全てのレイヴンに賞金を懸け、バーテックスの切り崩しを計る。ジャックもまた自らの敵に回ったレイヴンに同様の措置を取ると表明し、レイヴン達はお互いの賞金を狙い戦闘を繰り返した。そして、バーテックスの予告したアライアンス襲撃決行まで残り24時間となったとき、生き残りのレイヴンは22人となっていた。
果たして、最後に生き残るレイヴンは?
プレイヤーの選択によりストーリーは分岐し、最終的に6種類の結末を迎えることになる。
今作は『NX』の直接的続編である。
『NX』からわずかに半年ほどしかすぎていない時代が舞台となっており、引き続き登場する用語や組織・人物が非常に多く、シリーズの中でも、続編として前作との関わりが特に深い作品である。
そのため、『NX』をやっていると世界観などの把握が容易になるが、ストーリー自体はそこまで深く繋がってはいないので、この作品からプレイしても問題は無い。
むしろ、どれも個性的な登場人物と、優位を得るべく戦う二組織の対立状態と言う比較的わかりやすい世界情勢のおかげで、従来作よりも妄想力フロム脳の必要性が低いわかりやすい展開になっており、世界観に入り込めるという点に関しては新規プレーヤーにも勧められるストーリーである。
シリーズを通して見ても、24時間というタイムリミットの中で戦うという短時間のストーリーは唯一無二である。
また、過去の作品では、歴史伝記のように、世界情勢を主人公という傭兵が傍観するような展開であったが、本作では主人公を含めた個人の物語に焦点が当たっており、過酷な世界を生きるレイヴン達のドラマティックな生き様が描かれる。
撃破された場合、また最初の時間からやり直すことになる(一応コンティニューできないわけでもないが)。
主人公の行動が情勢に影響を及ぼすため、ミッションをこなすごとに、世界情勢が刻一刻と変化していく。
結末はシリーズ初のマルチエンディングを採用しており、どの勢力に加担したかなどの条件によって、6つのエンディングに分岐する。
AC戦(いわいる中ボス戦)が非常に多い、機体の速度に対し作戦領域が小さい、シリーズ恒例のローディング後の弾薬補給・AP回復が無い、という仕様のおかげで、ストーリーモードの難易度はシリーズ屈指を誇る。
『アーマード・コア2 アナザーエイジ』と並び、シリーズ初心者には決してお勧めできない。
特に、中枢進入におけるジナイーダ(通称ラスジナ)、パルヴァライザー最終形態の鬼畜っぷりはシリーズ屈指であり、あのナインボール・セラフと並ぶ程である。
それでも「高難易度上等!俺はこれから始めるぜ!」と言ってのける剛毅な新米レイヴンには、一番最初の3つのミッションのうち、最も報酬の高い「管理局強行偵察」というミッションを選ぶことを強く推奨する。
↑パーツ無購入縛りでミッションを攻略するシリーズ。この作品でレイヴン入門するプレーヤーにとってミッション選択方針は参考になるだろう。
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最終更新:2025/04/24(木) 12:00
最終更新:2025/04/24(木) 11:00
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