アーマード・コア ネクサス 単語


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アーマードコアネクサス

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アーマード・コア ネクサス(ARMORED CORE NEXUS)とは、フロム・ソフトウェアから発売されたPS2用ロボットアクションゲームである。

検索タグは[ACNX]

概要

アーマード・コアシリーズの8作目であり、それぞれ転機を齎した区分である初代、2系、3系と続く4番目のシリーズ一新が図られた今作は、初のナンバリングではないタイトルを持つ。略称はNX(NeXus)、ACNXなど。
本編であるエヴォリューションと、過去作のミッションをリメイクしたアペンド・ディスクのレヴォリューションの二枚組み。
パーツ・グラフィックこそ3シリーズの流用だが、それ以外の部分において多数の変更と新要素が追加されている。

  • ダミーパラメータの見直し
  • 新操作方法の導入
  • 熱量の仕様変更によるアセンブリ定石の見直し
  • コアへの小型武器「格納」の導入
  • 初期パーツの売却不可とチューンナップ要素の導入
  • パーツ・パラメータの日本語化
  • 実弾系武器の「マガジン」仕様の導入
  • 安易なセーブロードへのペナルティ仕様の導入
  • 強化人間の廃止(プレイヤーのみ)

シリーズとしての相対的な評価

本作は「意欲作」「調整不足」「クソゲー」等の批評が目立ち、(シリーズにおいて)全体的に評価が低い部類に入る。 客観的にはニコニコ動画における投稿数の他に対戦大会の開催数とその規模・模様、そしてPSPへの移植に本作の続編であるACLRが先にリメイクされる等があり、これだけでも本作の取り扱いの難しさを窺い知る事ができる。

新要素の導入は、固定化したシリーズへ一石投じ、新たな方向性を見出そうと模索した結果であると推測できるが、 醍醐味であるはずのアセンブリの自由度やプレイ時の爽快感の実質的な低下、アリーナなどのおなじみのシステムの劣化は「新生」を謳う本作に期待していた多くのファンを失望させ、 且つ、アセンブリ調整のシビアさ(熟練者・マニア向けのハイリスクな高い熱中度バランス)と、FPSの宿命である高難度の操作方法により新規プレイヤーへのハードルも依然として高いまま解消されなかったという二つの難点が事実上の評価に繋がっている。

主な問題点

熱暴走

本作の特徴であり議論の種にされる筆頭要素で、ブースターが驚異的な熱量を自機に与える事、そしてラジエータが緊急冷却時にコンデンサのエネルギーを消費するよう改められた事によって発生する様々な事態の総称。

熱パラメータのバランスが劣悪で、アセンブリに熟練していないと機動力の要であるブースターを使うだけで熱暴走が発生し、ラジエータの緊急冷却によってあっという間にエネルギー残量が尽きるという事態に繋がってしまう。当然、被弾による発熱も加算されるため、対戦では熱暴走がチャージングに直結し、動けない所を蜂の巣にされるというパターンに陥りやすい。本作が「熱管理シミュレーター」「熱暴走させたら勝ち」等と呼ばれる所以である。

機動性の調整不足

脚部パーツの積載量の余裕が移動速度に大きく関与するよう仕様が変更された影響で、積載に余裕のある重量機が同量を積載した軽量機よりも速くなるという矛盾が発生している。また、過去シリーズと比較すると、コンデンサのブースタ持続時間、 根本的な移動スピードなども軒並み低下しており、スピード感あるバランスを期待したシリーズ経験者の不興を買っている。熱仕様によって非常に扱いにくくなった【オーバード・ブースト】もこれに拍車をかけている。

火器管制

FCSのサイト修正がシビアに変更された事に加え、これまでのシリーズで初期装備だったライフルが「WS」(WIDE&SHALLOW、サイト範囲は広いが射程が短い。本作の日本語化に伴い「広角」へ名称を変更)から一段階下の「標準」となった事により、ロックオンサイトがかなり狭くなっている。このため過去シリーズと比較しても敵の捕捉が困難で、しかも本作では序盤から捕捉の難しい航空戦力と戦う場面もあり、難易度が高い。

また、全体的に武器装弾数が減少調整を受けている(3との比較では初期ライフルが200→120、パルスライフルが150→50と激減)。これはEOや格納機能、左腕銃を生かす為の処置である事が窺えるが、この調整により単一火器での攻略が非常に困難なものとなり、格納や投棄、予備携行等も含めて火器管制の煩雑さが増してしまい、操作性のハードルを高めてしまっている。

火器管制におけるアセンブリでは武器だけでなく、左腕銃の台頭に伴い追加されたサイト並列処理能力や、新パラメータである捕捉範囲、照準精度、調整時間など追加された様々なパラメータも複雑に絡み合う形になっている。火器管制に留まらず、本作では全体的に重要パラメータが多く、それぞれ一定のレベルを満たさない場合の弱体化が著しい上、維持する調整が非常にシビアに設定されている。

ミッション・シナリオの不出来

EVOLUTION DISC

ストーリー及びシナリオの時間軸は、ミッションの成否と関係なく進行する。本作では従来のシリーズと異なり、契約金(前払い報酬)の設定されたミッションが多く、また報酬金額そのものも全体的に高額に設定されているので、失敗でも赤字になる事が少ない。失敗時のストーリー進行も含め、本作が初心者にオススメされるのはこれが理由である。

しかし、成功報酬がパーツであったりするミッション等、プレイヤーとしてはやり直さずにはいられないミッションが存在したり、契約金だけを目当てにした方法(開始直後即座に任務放棄する等)を採った方が快適にプレイできる等、様々な問題も発生している。

  • マルチエンディングではない
  • その意思が、すべてを変えられません
  • 状況把握の前にミッションが始まり、開始直後からいきなり攻撃を受ける等の理不尽な場面が目立つ。
  • レイヴンポイントがあまり意味をなさず、失敗や途中放棄のペナルティが殆どない。
  • 依頼に音声がなくなり、私情がカットされ、単純な説明のみの味気ない文章となった。
  • シナリオの分岐は殆どないが、敵の種類や数の変化など細かい派生がやたらと多い。
  • 後のACLRで活躍するレイヴンがメールによって簡単に通知されるのみで、戦場での演出がない。
  • 物語が、脈絡のない非常に唐突な次回作への伏線で強制的に幕を閉じてしまう。

……以上から、ストーリー性は中途半端という印象が強い。

REVOLUTION DISC

ストーリーが存在せず、各々のシナリオの補足と共にその内の一部のミッションを遊べるといった趣を持ち、これらはAC2AAの縮小・オムニバスと捉えても良い。ただしシナリオ数はさほど多くなく、ムービーが目立つ。

  • ミッション総数約40。
  • エピソードごとの繋がりがミッション中でも説明されないため、シナリオが理解不能。
  • 逆側視点で描かれたリバースサイドと正規視点ミッションの関連が分かりにくい。
  • ナインボールに関連するミッションが皆無。
  • ファンタズマのエピソードが多い中、PPラスボスのファンタズマと戦えない。
  • シナリオやエピソードに関係したミッションが少ない。
  • ファンがリメイクを期待していたミッションが少ない。
  • 一部のレイヴンの扱いがリメイクの域を超えている(ある意味長所)。
  • NXオリジナルレイヴンが多く、リメイク元の空気があまり感じられない。
  • 報酬がまったく得られないため、EVOLUTION DISCのデータを持ち込む必要がある。

特に、初めて遊ぶプレイヤーにとってシナリオの説明不足は辛い所である。

フリーミッション

クリア後はこれまでと同様、自由にミッションを選択できる特殊なモードが追加される。入手していない隠しパーツのあるミッションが分かる等、親切な設計に見直されているが、隠しパーツの存在するものも含め全てのミッションがプレイできる訳ではなく、また任務の成否に関わらず失敗扱いとなってしまう(これはファンの間では仕様ではなくバグとされる)。

フリーアリーナ

今作ではアリーナの形式が変わり、プレイヤーが対戦相手を選ぶのではなく、レイヴンズアークが元締めとして興行を仕切る形式となっており、事実上ミッションとほぼ変わらないものとなった。世界観から浮いていた問題が解消されたが、逆にこれまでのシリーズのような資金稼ぎや操作に慣れる練習等が出来なくなった。

従来の形式のアリーナはクリア後に特殊なモードとして追加されるものの、プレイヤーが最初から上位ランクに位置している為にランクを上り詰めていく達成感に欠ける他、対戦ステージを選ぶ事ができない、トップランカー・ジノーヴィーなどミッション中で戦うレイヴンを前の周で倒すと(ランキングから消えてしまい)対戦できなくなってしまう等の致命的な欠点を抱えている。

その他

ガレージのシステム的な退化

ビジュアルは進化したものの、表示FPSの半減により過去シリーズより表示の滑らかさが失われた他、パーツの購入時・売却時に型番リストが表示されなくなり、入荷されたパーツや売りたいパーツを探すのが困難になる等、インターフェース面においては全体的にユーザービリティを無視した改悪が目立つ。

ブレードの弱体化

威力の低下、消費エネルギーの増大、ブレードホーミングの激減、果ては浮遊型や高機動型、そして異常な長射程を誇る敵の増加などにより、主力武器としての活躍おろか弾切れの保険としても頼りない存在となった。対戦でも接近戦における刹那的なロマンを求めるプレイヤーの不興を買っている。

マガジン制とリロードシステム

実弾武器の大半に設定されている新要素。連続で発射できる弾数が限定されており、マガジン装填を待たなければ次の弾丸が発射出来ないというもの。しかし、折角のリロードを生かしておらず演出等が皆無である事、実在武器では有り得ないマガジン(10発で再装填が必要なガトリング、残弾や弾倉を無視した自動給弾等)が存在する事、設定された時間撃たないだけで視覚的・聴覚的な伝達がないまま自動的に再装填が完了している事など、あまりにも特定の武器の弱体化・均一化を目的とした仕様である事が透けて見える為、ロマンが足りないとされる。

中途セーブ禁止システム

終了しタイトル画面まで戻らなければまともなセーブが出来ない仕様となっており、ペナルティもさほど大した影響を及ぼさない。契約金泥棒などを助長した事もあり、本作のファンからも非難されたシステムで、後のシリーズで撤廃されている。

企業名とパーツ・グラフィックの流用

企業構図は基本的には3シリーズがそのまま反映されており、パーツは殆どが流用であるため、新デザインを期待したプレイヤーからは不評だった。

パーツ売却時の「中古」制の導入

一度でも使用したパーツは中古となり、売却時に減額される(ガレージでのテストは除外)。そのため、『実戦で使い勝手が悪かったので値段据え置きで交換』ということができなくなった。

長所

本作は、過去シリーズからの進化の名に違わず、進化を続けるオープニング、ミッション開始前に挟まれるデモなど演出面において大幅に強化されているという長所を持つ。 一新されたメニュー画面は世界地図を背景としたGUI方式となり、レイヴンズアークから配信される情報によって世界情勢を読み取るストーリー等、手法としては斬新で面白い試みがなされている。

本作がゲーム性において難があるのは事実だが、失敗は次回以降に修正されており、集約点としてACLRの存在を考えれば新要素に踏み出した一歩目としての功績は大きい。また、アクションゲームのカテゴリで見た場合、総合的な完成度は決して低くはない。 対戦ツールとしても、シビアな熱を取り巻く環境を如何に制御できるか等の遊び方が可能である。

登場人物・勢力

ジノーヴィ

ランカーのトップに君臨するレイヴン。強くあろうという一心でレイヴン稼業をしている。乗機のデュアルフェイスは全身が骨ばったクレスト製で統一され、パーツに黒一色という渋い機体であるが、一撃に乏しいライフル、命中させづらいグレネード二門、当てにくいブレードというシステムに嫌われた武装を満載している。特に二門のグレネードは重量過多の原因であり、両肩同キャノンという構築は「ジノる」という嘲笑の言葉を生んだ。

ジャック・O

あらゆる企業からの依頼を高い遂行率でこなすエースレイヴン。肉体派揃いのレイヴンの中では珍しく知略にも長けており、自由人というレイヴンとしての有り様に高潔である人物。……のはずなのだが、ACLRでのあまりの弱さから「弱王」などと呼ばれ、これを皮切りに強烈なネタレイヴンにされてしまった。詳細は「ジャック・O」を参照のこと。

レイヴンズ・アーク

アーマード・コアを駆る傭兵(レイヴン)を統括する派遣組織。傭兵という個人業をバックアップするため、専属オペレーターの派遣、パーツ・弾薬の販売等を一括して行う。ただし、レイヴン戦力の平等配分という名目のもと、癒着を防ぐため企業専属を禁止している。ちなみに、主人公専属のオペレーターは女性。例によって冷淡で事務的な人物。

ミラージュ

最大規模の企業。大っぴらに勢力拡大を目論んでいる。製品は先端主義を貫き、特にEN系武器への防御力が高い。また、付加機能コアの種類が多彩である。反面、装備負荷も相応に高く、バランスを取るのが難しいパーツが多い。

クレスト

シェア2位で、ミラージュに嫌悪感を示しつつも、その隙を狙い力を蓄えている企業。製品は無骨な外観と同じく質実剛健という言葉が相応しい。汎用性が高く、操作性重視のものが多い。しかし、実弾防御に尖りやすいという欠点を抱えやすい、特化型が組みにくいという欠点もある。

キサラギ

「技術のキサラギ」。巨大生物兵器AMIDAを生みだした変態企業。ミラージュ・クレスト両企業との正面衝突は避け、水面下で勢力拡大を狙う。パーツの性能はミラージュ以上に尖っており、扱いづらいと見るか、特化型として魅力を見出すかが分かれる。

ナービス

サークシティに本拠地を置く新興企業。特にその周辺の新資源とそれの開発力により、他企業から目を付けられることとなる。

O.A.E

企業群管理機構。企業の過剰な競争を抑止する目的の組織だが、発言力が小さい。

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