AMBITIOUS JAPAN!
700系新幹線電車とは、新幹線車両である。
JR東海とJR西日本の初の共同開発車両。共同開発の理由は「適度の製造・保守コストで東海道・山陽新幹線の高速化を図る」為。簡単に言えば500系の製造コストが高すぎた事の反省である。そして阪神・淡路大震災で新大阪駅~姫路駅間が不通になった際にお互いに他社の車両を整備した経験から共通化したほうがいいという事でもある。
500系には及ばないが最高速度は285km/h(山陽区間。東海道は270km/h)。この車両の登場により東海道から100系が駆逐され、のぞみ号主体のダイヤ編成が晴れて実現した。
後継のN700系と共に主力車両として東海道・山陽新幹線で活躍していたが、N700Aへ置き換えられてJR東海では既に全車廃車、JR西日本でも2020年3月ダイヤ改正をもって16両編成は定期運用が無くなっている。
尚、開発当時の形式名は「N300」。また、ドクターイエローの923形は700系をベースにしている。
台湾高速鉄道の700T型は700系をベースとしているが、12両編成・最高速度300km/hとなっているなど違いもある。
先輩である300系と500系では乗り心地や居住性に問題があったため、それを改善するために改良が施された。
500系ではスピード重視のため空気抵抗の少ない円筒形の車体を採用しているが、それ故壁際の圧迫感が強く、また定員を300系に近付けるため座席間隔が若干狭くなっていた。それを改善するため300系と同じく箱型の車体としており、座席配置も300系と全く共通である。また、冷暖房の効きが悪かった300系と違いダブルスキン構造を採用している。
一方、高速走行時に激しい揺れや振動問題を起こした300系の弱点を踏まえ、500系に引き続き車体間ダンパやセミアクティブサスペンションを採用し、乗り心地を大幅に良くしている。空気ばねやヨーダンパも新たに開発されたものを採用し、これらの一部は300系の後期製造車にもフィードバックされた。
モーターは全編成定格出力275kwのものを搭載しているが、C編成とB・E編成では違うモデルのものを搭載している。C編成はJR東海オリジナルのものを採用し、後期編成からはグリーン車の騒音を軽減するためWNドライブ駆動をとりやめTD平行カルダン駆動を採用している。一方B・E編成のモデルは500系用のモーターの同等品を使用している。台車も同じく500系と同じものを採用しているなど、足回りは基本スペックだけ揃えてあるだけで東海編成と西日本編成はまるっきり異なるものとなっている。
座席はスプリングの代わりに重ねたポリウレタンを使用して軽量化。運転席の座席にはスポーツカーでお馴染みのレカロ製のセミバケットシートを採用し、長時間着席する乗務員を腰痛から守る。
C編成。1997年に試作編成(9000番台。新製時はC0編成)が落成、1999年に営業運転を開始。100系を置き換え、のぞみ号・ひかり号・こだま号で活躍した。製造総数は60編成計960両。なお試作編成の1号車・923-9001は2014年1月2日からリニア・鉄道館で保存・展示されている。
全廃直前の2020年3月時点の配置状況は下表の通り。
「AMBITIOUS JAPAN!」キャンペーン時には車両には「AMBITIOUS JAPAN!」と書かれたシールが貼られていた。
2012年以降、寿命を迎えた車両から順次N700A(N700系1000番台)に置き換えられている。
またC編成のうち部品取り車を含めた9編成(C4、C11~18)がJR西日本へ譲渡され、300系3000番台を置き換えた。C4編成は博多総合車両所で長期留置後に部品取り解体されている(廃車日時は2011年7月4日)。
なお、JR西日本に譲渡されたC編成は車内チャイムが「いい日旅立ち・西へ」へ変更された他、全検時にB編成に準じる形で一部塗装が変更されるなどしていた。
その後N700系4000番台8編成(F2~9)により置き換えられ、2017年2月に全廃された。
2015年10月22日のJR東海プレスリリースにおいて、平成31年度(2019年度)末にN700Aへの統一により700系C編成の置き換えが完了する事が明らかにされ、予定通り2020年3月のダイヤ改正をもって全車引退となった。なお3月8日にさよなら運転を行う予定だったが、新型コロナウイルス禍によってイベントは中止され、記念装飾が施されて最後に残った2編成も3月中に廃車解体された。
廃車された車両から発生した物品(座席・方向幕・銘板・テーブル・運転席用セミバケットシートなど)は、JR東海が開設した部品販売サイトにて販売されている。特にセミバケットシートは、レカロ製というブランド価値や、1編成につき2つしか発生しない事から、一番高額になっている。
※ちなみに、JR西日本に譲渡された編成がC11~18なのは下のB編成及びC18までとC19以降ではグリーン車の駆動装置が異なっている為。
| 車両所 | 配置編成 |
| 東京交番検査車両所 | C53 |
| 大阪交番検査車両所 | C54 |
B編成。2002年運用開始。主にのぞみ号・ひかり号・こだま号で活躍。2001年から2006年にかけて15編成計240両が製造された。
尚、3000番台ではJR700ロゴが先頭車両に入っている為見分けが付きやすい他、方向幕・席種表示がLED表示器化され、車体下部に博多総合車両所のクレーンに対応した切り欠きがあるなど、随所にJR西日本の個性が出ている。これはN700系では見ることが出来ない。
0番台同様、3000番台についてもJR西日本の中期経営計画においてN700系4000番台8編成(F2~9)導入後にも順次導入が計画されている為、N700Aにて置き換えられる。
2017年9月から廃車が始まっており、C編成の置き換えが完了する2020年3月ダイヤ改正以降もしばらくは残るが、すでに定期運用はなくなっており、これも2020年中に全て置き換えられる。
※2020年3月時点の編成。ただし稼働できる状態にあるのはB4~B6の3編成のみで、順次廃車が進められている。
| 車両所 | 配置編成 |
| 博多総合車両所 | B3〜B6、B10~B12、B14 |
E編成。2000年運用開始。主にひかりレールスター・こだまで活躍するグレー塗装、8両編成の700系。16編成計128両。
ひかりレールスターにおいて指定席車となる4~8号車がゆったりした2×2列シート(サルーンシート)になっており、8号車の724形には4人用個室が4室設けられている。
後継となるN700系7000番台S編成の運用開始後は100系に代わり「こだま」としての運用が中心になっている。「こだま」運用時は7・8号車も自由席になるため、8号車の個室は使用できなくなる。
なお、「レールスター」の名称が列車案内にて使用されるのは「ひかり」運用の時のみであるが、「こだま」や救済臨「のぞみ」に使用される際にはファンから「こだまレールスター」「のぞみレールスター」と呼ばれる事もある。2016年4月15日には新下関駅発の「さくら」運用にも充当され「さくらレールスター」が登場した(なお、行き先案内の列車名表記はE編成に「さくら」表示の設定がない為「こだま」だった)。
E編成の多く(E1~E15)は2001年度以前に製造されたものであり、大半の車両が新幹線車両の基本的な耐用年数(13年)を大きく超えているが、延命工事等が行われているかどうかは定かではない。「こだま」運用中心となって走行距離が短くなったことで寿命が延びている可能性も考えられる。
2020年3月時点でも全車健在であり、置き換え計画も具体化していない。
※ちなみに、7000番台開発の為にJR西日本はJR東海協力の元でC1編成を8両化して走行試験を行なっていた。
| 700系7000番台 ひかりRaki☆Suta |
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最終更新:2025/12/11(木) 05:00
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