はい、「三橋貴明の明るい経済教室」第1回ですね。このコーナーでは一般の人がわかっているようで分かっていない国民経済についていろいろと話をしていきたいと思います。私がやりますので例によってグラフとかフリップをたくさん使って目で見れば分かる感じで説明していきたいと思っております。本日のフリップはこちらです。
チャンネル桜の経済討論でもよく使っているんですが、これ一枚で国内のお金の流れというのをほとんど説明できるんですね。このGPD(Gross Domestic Product)日本語で言うと国内総生産ですけども、所得ってありますけど、これ大変面白い指標で、実はGDPというのは国民の生産した付加価値、サービスの供給もありますが、付加価値の合計であり、同時に国民がお金を払った支出の合計であり、同時に国民が受け取った所得の合計でもあるんですね。経済用語で言うと生産面のGDP、支出面のGDP、分配面のGPD、この三つは常に等しいというのがGDPですね。中国みたいにバラバラって変な国もありますけど日本は基本的に同じです。
これは何を言いたいかというと、GDPというのはたとえば政府がお金を支出しました、消費とか投資とかで、そうすると増えるんですね。あるいは国民が消費や投資をしたと、それでも増えます。それが同時に誰かの所得であるかということです。その所得から政府は徴税、社会保険料の支払いを含みますけど、徴税という形で持っていっちゃうんですね。実は税金というのは「政府に分配された所得」という言い方ができます。政府に持っていかれた残りのお金が可処分所得といって国民のところに残ります。皆さんの源泉徴収票でいうと「手取り」ってやつですね。所得から所得税と健康保険量とかが引かれた手取り、私たち国民・企業はここからまた支出をするけども、しない場合もあります。これは貯蓄ということで貯蓄がたまっていくと。
実は政府は徴税以外にもお金を得る方法がありまして、そのうちの一つが貯蓄から借り入れる「国債発行」ですね。実は日本政府が国債発行して大量のお金借りてますけど、これは元をたどると実はぐーっと戻ってきてGDPなんですね、GDPから国民に残った貯蓄、可処分所得から貯蓄としてためられたものを政府が借り上げているという話になります。この貯蓄から借りているのは政府だけではなくて、私たち国民も借りてます。銀行融資とか住宅ローンとか。政府は借りた、あるいは徴税したお金をGDPとして支出したり、あるいは所得移転、生活保護とか年金とかで国民に分配するというような流れになっているんですね。
何を言いたいかというと結局政府の徴税とか国債発行の原資、元となるお金はGDPしかないんですよという話です。GDPが増えないと増税をしても翌年のGPDが減ってしまって政府は減収になるということになります。逆にGDPが増えているときには、これは増税した方がいいですね。ちょっと景気を抑えなくちゃいけないということですけどね。さっき話したようなお金の流れの循環というのは、常識なんですよ、常識。ところが今の政治家さん、特に民主党の政治家さんたち、こういうこと分かって増税とかそういうこといってるんですか?と。
もう一個フリップ出しますが、日本の名目GDPは1980年からバブルにかけては順調に増えていましたが、橋本政権の緊縮財政、増税と公共投資削減、それ以降横ばいと、デフレが深刻化したわけですけどもね。こんな状況で増税をした日にはまたまたマイナス成長、そして政府は減収になるということになってしまいますよということになります。今日は国家の中のお金の流れ、これをざっとお話いたしましたけれども、次回はもっと踏み込みまして「お金って何」「そもそもお金って何なの」っていうことをお話したいと思います。ありがとうございました。
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最終更新:2025/12/27(土) 05:00
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