エールフランスとは、フランスの航空会社である。同国のフラッグ・キャリアとなっている。
概要
フランスのみならず、欧州最大の航空会社である。世界でも4番目に位置する。フランスの航空会社を1933年に統合する形で発足し、初期の頃から植民地帝国を構成する各保有領土を中心とし、広大な路線網を構築した。現在のハブ空港はパリの表玄関であるパリ=シャルル・ド・ゴール空港。
フランスの植民地の多くが失われた今日でも、六大州(アジア・ヨーロッパ・アフリカ・北アメリカ・南アメリカ・オセアニア)全ての方面に航空路線を飛ばしており、営業エリアは世界屈指である。
現在では「エールフランス-KLM」としてオランダのフラッグ・キャリアであるKLMオランダ航空と持株会社方式で経営統合を果たしている。同グループは航空会社グループでは世界最大の収益を誇っている。
エアバスの本社がフランスにあることから、機材では同社との結び付きが強く、A300からA380に至るまでエアバス全機材の導入歴がある。そしてエアバス機の比率が現在でもかなり高めとなっている。
ただしボーイングのB747-400とB777を現在も使用し、過去にはB737を導入するなど、他の会社の機材も導入している。リージョナル機では子会社が仏伊の合弁で造られたATR42やATR72、それにボンバルディアCRJ、エンブラエルERJなどを使用している。
過去にはブリティッシュ・エアウェイズ(英国航空)と共に超音速旅客機「コンコルド」を運用する航空会社ともなっていた。
国内線では格安航空会社(LCC)や高速鉄道TGVを運行するSNCF(フランス国鉄)などと競合関係にあるが、後者とは提携も結んでおり、ドイツのルフトハンザドイツ航空がICE等を用いて行っているのと同様、TGVの列車に自社の国内線の便名を割り当てて共同運行を行っている(TGVエアー)。
TGVはシャルルドゴール空港空港にも乗入を行っており、エールフランスの航空便との接続も図られている。
日本への路線は東京国際空港(羽田空港)、成田国際空港、関西国際空港に乗り入れている。
また1975年から1995年までは朝日放送制作の長寿番組「パネルクイズ アタック25」の賞品が「エールフランスで行くパリ」だったこともあり、その方面での認知度もあるといえる。
主な事件・事故
- エールフランス007便離陸失敗事故(1962年6月3日、死者130名)
パリ=オルリー空港での離陸時に、水平安定板の故障で正常に離陸できず滑走路をオーバーランした事故。民間ジェット旅客機で100名以上の死者を出した初の事故であり、死者130名は当時、単独機では史上最悪の事故であった。現在もエールフランスでは447便に次ぐ2番目の死者数の事故。 - エールフランス296便事故(1988年6月26日、死者3名)
航空ショーでのデモ飛行で滑走路上を超低空飛行していたA320型機が、そのまま滑走路の先の森に突っ込んだ事故。A320型機は初の旅客フライトでいきなり事故を起こしてしまった。また大勢の観客の前で起きたため、墜落までの鮮明な映像が残されている珍しい事故。原因は飛行計画の不備によるパイロットエラーとされたが、機長はブラックボックスが改竄されたと主張している。 - エールフランス8969便ハイジャック事件(1994年12月24日-26日、死者7名(乗客3名、犯人4名))
ウアリ・ブーメディアン空港でエールフランス機が武装イスラム集団(GIA)4名によってハイジャックされた事件。2日後にマルセイユ・プロヴァンス空港でフランス特殊部隊が突入、ハイジャック犯4名を射殺して解決したが、解決までに乗客3名が犠牲になった。 - コンコルド墜落事故(2000年7月25日、死者113名)
便名はエールフランス4590便だが、コンコルド唯一の墜落事故のため一般的にこう呼ばれる。離陸時に滑走路に落ちていたDC-10の部品を踏んで破裂したタイヤの破片が燃料タンクを破壊、エンジン火災を引き起こして離陸直後に近くのホテルの建物へ墜落。乗員乗客109名全員と地上の4名が死亡した。この事故で長期間の運航停止になったことと、翌年のアメリカ同時多発テロの影響でコンコルドは姿を消すことに。 - エールフランス358便事故(2005年8月2日、死者なし)
悪天候の中の着陸で、パイロットエラーにより機体が滑走路をオーバーランし大破炎上。迅速な脱出と救助により、43名が負傷したものの、奇跡的に乗員乗客309名全員が生還し、「奇跡の脱出」などと呼ばれた。 - エールフランス447便墜落事故(2009年6月1日、死者228名)
ニコニコではいろんな意味で有名な事故。詳しくは当該記事(リダイレクト先)を参照。
関連動画
関連項目
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