サトノアラジン単語

11件

サトノアラジン

3.5千文字の記事

掲示板へ

記事編集

サトノアラジン(Sat ono Ala ddin)とは、2011年生まれの日本の競走馬・種牡馬である。鹿毛の牡馬。

主な勝ち鞍
 2016年:京王杯スプリングカップ(GⅡ)、スワンステークス(GⅡ)
2017年:安田記念(GⅠ)

生産者はノーザンファーム、所有者はサトミホースカンパニー。管理調教師は池江泰寿(栗東)。

概要

血統背景

父ディープインパクト、母*マジックストーム、母父 Storm Catという血統。父は説明不要。母は米国馬でGⅡ1勝。引退後繁殖牝馬として輸入された。実は牝系が下総御料牧場の基礎牝馬である星旗と繋がっていたりする。1歳上の全姉にエリザベス女王杯を勝ったラキシスがいる。
母父は1980～90年代に米国で一時代を築き、種付け料の最高額記録を塗り替えるほどの活躍を見せた大種牡馬。BMSとしても活躍馬が多いが日本では父ディープインパクトとの相性が抜群で、本馬のほかダービー馬キズナ、海外 GⅠ2勝エイシンヒカリ、桜花賞馬アユサンなど多くのGⅠ 馬がこの血統である。

生まれた頃にはディープ産駒が日本を席巻し始めており、セレクトセールでは1億3000万円の高額で落札された。

2歳～3歳

2歳8月に新潟競馬場でデビュー。断然人気に応え中団から軽く促されただけで大外を突き抜け、余裕たっぷりに3馬身半差をつける快勝。これで一気に注目を集めたが、一呼吸置いたGⅢ 東スポ杯2歳Sでは巧く立ち回った先行馬に追いつけず5着に惨敗する。関西に戻ってのGⅢ ラジオNIKKEI杯2歳Sも3着に敗れ、3戦1勝で2歳を終える。

3歳初戦は共同通信杯。岩田康誠に乗り替わったこのレースでは中団から早めの競馬を試すが、最後に甘くなり3着に敗れ、またしても賞金加算に失敗。春クラシックへの挑戦権を賭け2400mに距離延長して挑んだ自己条件戦ゆきやなぎ賞もスローの逃げに嵌められ2着に敗戦。まだ成長途上とみた陣営は春のクラシックをパスすることを決断、成長促進を兼ねて休養に入る。

3ヶ月ほど休んで夏の中京で復帰。2000mに距離を戻した初戦の500万下は2番手から上がり最速で2馬身ぶっちぎり、小倉へ転戦しての1000万下も3番手から上がり最速で3馬身ぶっちぎりと素質の違いを見せつけ2連勝。しかし再び距離延長した神戸新聞杯は4着、抽選が通って出走した菊花賞も6着と大敗、1800mまで戻った1600下の逆瀬川Sも先行したら差しレースになってしまい6着。大器の片鱗は見せながら結果を残せずにクラシックシーズンを終える。

4歳

4歳初戦は3月の武庫川S。デビュー戦以来のマイルながら、前が残る中を10番手から上がり最速で迫り、勝ち馬には逃げ切られたが2着に突っ込む。

続いて関東遠征した春興Sは前2頭の行った行ったになるかというところを上がり32秒7の鬼脚できっちり差し切り8ヶ月ぶりの勝利。OP初戦のモンゴル大統領賞も後方から上がり最速でぶち抜き2連勝する。

これで本格化…かと思われたが、GⅢ エプソムカップは同じ父ディープ×母父 Storm Catの素質馬エイシンヒカリに逃げ切られ2着。秋まで休養を取って挑んだGⅢ 富士Sはダノンプラチナとの末脚勝負に敗れまた2着。GⅠ マイルCSはモーリスに悠々と押し切られ、出遅れたイスラボニータにも差されて4着。初海外の香港カップは全く勝負にならず11着惨敗。成長の跡を見せつつも重賞戦線では勝ちきれずにこの年を終える。

5歳

5歳初戦はマイルに戻ってGⅢ ダービー卿CT。2番人気に支持されたが直線入り口でやや置いて行かれたのが致命傷となり3着に敗戦。次走GⅡ 京王杯スプリングカップでは初の7ハロン戦に挑み、後方待機から上がり32秒4の強烈な末脚で1馬身半差の勝利。念願の初重賞勝利をレースレコードのおまけつきで飾る。しかしGⅠ 安田記念はロゴタイプが作ったスローペースに末脚を封殺され4着。

秋はスワンSから始動し、同じ勝負服のサトノルパンとの末脚勝負を制して重賞2勝目を挙げる。しかし1番人気に支持されたマイルCSはまたも前残りに祟られ5着。再度遠征した香港マイルも7着とGⅠには届かずじまいで終わる。

6歳

じっくり休養を取り前年制した京王杯スプリングカップで戦線復帰。再度1番人気に支持されたが、重馬場が合わなかったか後方から流れ込むだけの9着に敗れてしまう。

この大敗が効いたか、安田記念では7番人気まで転落。ただしモーリスが現役を去ってマイル戦線が主役不在の中であり、単勝12.4倍と人気はやや割れていた。
鞍上の川田将雅はこのレースも後方待機の競馬を選択。しかしこれが前年覇者ロゴタイプが刻んだハイラップにハマり、直線大外を猛然と駆け上がる。最後の坂では逃げたロゴタイプが後続を突き放して逃げ切ろうとしていたが最後にもう一伸びして追い詰め、ゴール板寸前でクビ差かわして勝利。6歳にして悲願のＧⅠ 勝利を成し遂げた。

秋は毎日王冠から始動し、後方から上がり最速でリアルスティールのクビ差2着。充実を印象づける。
しかし天皇賞(秋)は台風で記録的な超不良馬場。鞍上の川田が「少しでも雨が降るといい走りをするのが難しい馬」と語るほどの雨嫌い、しかも内枠を引き当ててしまっては競馬にならず、鞍上の川田も無理をさせず後方で回ってくるだけの最下位18着。とはいえ最低限の負担で乗り切った…のだが、馬の気持ちが切れてしまったのかマイルCSで12着、香港マイルで11着と大敗。年齢もありこれで引退となった。

引退後

引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入り。同年からニュージーランドへもシャトルされることとなった。しかし多士済々のディープ産駒の中で重賞3勝ではやや実績不足であり、OP馬がようやく数頭という状況。2023年にはブリーダーズスタリオンステーションへ移動しており早くも暗雲が立ちこめた。

ところがシャトルされていたニュージーランドでは活躍馬が続々登場。中でもPen nywekaはニュージーランドとオーストラリアのオークスを連覇する出色の成績を残した。同シーズンには2歳世代からも重賞馬 Tokyo Tycoon(GⅠ1着は薬物検出で取り消された)が現れ、2022/23シーズンの2歳リーディングサイアーとセカンドシーズンリーディングサイアーをWで獲得。これを受けて、ニュージーランドでの種付け料は日本と同額の100万円から一気に400万円まで高騰した(日本では据え置き)。

血統表

ディープインパクト 2002 鹿毛	*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛	Halo	Hail to Reason
			Cos mah
		Wishing Well	Understanding
			Mount ain Flower
	*ウインドインハーヘア 1991 鹿毛	Alzao	Lyphard
			Lady Rebecca
		Burghclere	Bus ted
			Highclere
*マジックストーム 1999 黒鹿毛 FNo.16-h	Storm Cat 1983 黒鹿毛	Storm Bird	Northern Dancer
			South Ocean
		Terling ua	Secretariat
			Crimson Sai nt
	Foppy Dancer 1990 鹿毛	Fappiano	Mr. Prospector
			Killaloe
		Water Dance	Nijinsky II
			Lui ana