女子高生コンクリート詰め殺人事件とは、1988年11月~1989年1月にかけて、東京都足立区綾瀬で起こった殺人事件。猥褻誘拐・略取、監禁、暴行、強姦、殺人、死体遺棄事件の略称である。
概要
犯行は計画的に行われた。
事件を起こした少年4人はまずバイクに乗った仲間Cが被害者の女子高生を蹴り飛ばし、倒れたところに主犯格の少年Aが声をかけ助ける。「危ないから送ってやる」と被害者を騙し、周辺の倉庫で「自分はヤクザの幹部だ」等と脅した上、ホテルに連れ込み、強姦した。
その後、Cの自宅2階に監禁する。集団によりレイプ(少年4人以外にも多数行為に参加している)、陵辱行為、1m以上の高さから被害者の腹に向けてダンベルを落とす等の暴力行為、タバコやシンナーを強制的に吸わせる、ろくに食事も与えず、ゴキブリや尿、大便などを食べさせていた。
隙をついて被害者は警察に電話をかける、が、Aに気づかれてしまい失敗に終わった。さらにこの事で、暴行や陵辱行為がエスカレートしてしまう。
手の甲をライターで焼く、鉄球の付いた棒で殴りつける、激しく顔を殴打し腫れ上がった顔をみて笑いあうなど、およそ人とは思えない残忍な行為が監禁から41日間繰り返し行われ、最後はギャンブルに負けた腹いせに、自力で立てない程衰弱した被害者を2時間に渡り暴行し、死に至らしめた。
朝になり、死体の処理に困った少年達は被害者の死体を毛布に包み、旅行カバンに詰めた後、Aが調達したドラム缶にセメントを流し込み、海に沈めるために車に乗せた。
しかし、ここにきて怖くなった少年たちは当時の江東区若洲15号地若洲海浜公園整備工場現場空き地にドラム缶を放置。現場を去った。
その後Aが別件の強姦事件で逮捕され、事件が発覚する。
事件のあまりの残虐さに、取材を担当した報道陣たちは怒りで拳を震わせて目を赤くし、殺人事件など珍しくもないはずの警察官たちも激しい憤りを覚えたようでみな殺気立っていたという。
未成年なので実名報道はされないはずだったが、週刊文春は「野獣に人権はない」と断言し実名報道に踏み切った。編集者たちは犯人が出所したらまたやるとこの時点で読んでいた。
被害者の葬儀では同級生たちが脇目もふらずに大泣きしており、いかに事件が悲惨かが見て取れる。
判決の詳細
主犯格の少年Aには懲役20年、少年Bには懲役5~10年の不定期刑、少年Cには懲役5~9年の不定期刑、少年Dには懲役3~4年の不定期刑の判決が下された。
どうしてあんなに判決が軽かったのかと言うと、よく勘違いされがちだが少年法だけでなく本事件の6年前に採用された「永山基準」が関わっている。この判例の「被害者の数」と「犯人の年齢」によるものも大きい。
この基準の施行以後、1人殺害で死刑になった例は6人のみであり、この手の1人の人間に対しての残虐な事件での司法の理不尽さがまざまざと見せつけられている。
2004年、服役し出所した少年B(33歳)は知人男性への逮捕監禁致傷で逮捕され懲役4年の判決を受けている。
2013年には少年Aが振り込み詐欺の受け子をしていた容疑で逮捕されるが、完全黙秘を貫いたため不起訴処分となり、その後消息不明となっている。
さらに2018年8月には少年C(45歳)が会社員の男性に車の止め方で言い争いになり警棒で殴りナイフで刺す殺人未遂事件を起こしている。裁判ではなぜか傷害事件に変更され、保護観察処分で済んでいる。
唯一再犯をおかさなかった少年Dは、2021年5月に自宅で呼吸困難に陥り死亡した。享年49。
ネット上ではお笑い芸人のスマイリーキクチが犯人の一人であるというデマが広がり、警察沙汰にまで発展している。(関連項目参照)
関連項目
親記事
子記事
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