白仁天単語

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白仁天(はく じんてん、韓：백인천(ペク・インチョン))とは、韓国国籍の元プロ野球選手のことである。

概要

1943年11月27日生まれ。中華民国江蘇省で生まれ、1945年から大韓民国のソウルで育つ。

7人兄弟の3番目の子であり、兄の影響でキャッチボールなどを始め中学2年頃から愛読していた野球雑誌の影響で長島茂雄に憧れを抱く。

京東高校に進学し、本格的に野球を始める。国内で圧倒的な実力を誇るチームにおいて1年時より活躍し、日本に遠征した際にも活躍。ちなみに入学当初は投手であったが、捕手が白のボールを取れないということで捕手にコンバートしている。また、野球以外にもスピードスケートの選手としても活躍した記録も残っている。

日本での遠征試合の活躍もあり明治大学から誘われ本人も留学を希望していたが、徴兵制度を終えていないことや当時の日韓関係もあり、結局国内に留まった。

1962年、韓国農業銀行に入社。台湾で開催されたアジア野球大会に捕手として韓国代表に選出され、本塁打を放つなど活躍、日本戦でも2本の2塁打を放った。

大会後、当時は韓国と台湾を結ぶ直行便がなかったため、トランジット先として東京を訪れる。このとき、大会での白の活躍に目をつけていた東映フライヤーズが獲得を狙い接触、白もこれを了承し東映との間に仮契約を結んだ。

この契約は白がチームを抜け出し一人でこっそり結んだものであったため、代表監督や韓国野球の会長から激怒されたが、日韓関係の改善や韓国野球の強化を目論んだ政府、更には韓国国民の後押しもあり正式に東映入団が決まった。

入団初年度の1962年は環境の違いに苦しみ一軍出場はなし。2年目の1963年に20試合に出場。3年目の1964年には後半戦辺りから正捕手の座を奪取。4年目の1965年には116試合に出場し打率.267、14本塁打と活躍。

この頃打撃面では活躍を見せていたものの、インサイドワークに不安があり、水原茂監督から外野手に転向を命じられた。

1972年にはリーグ3位の打率.315、19本塁打、20盗塁と好成績を残す。

1975年、太平洋クラウンズへ移籍。この年、故障に悩まされながらも打率.319の成績を残し、規定打席ちょうどで首位打者に輝き、初のベストナインにも選出された。なお、規定打席ちょうどでの首位打者はNPB史上初であった。

1977年にロッテオリオンズへ移籍。

1979年、首脳陣との衝突もあり一時引退を決意したものの山内一弘監督の説得もあり現役続行。この年、プロ入り18年目にしてキャリアハイとなる打率.340を残す。

1981年、近鉄バファローズへ移籍。同年限りで近鉄を退団。

近鉄退団後は「韓国で野球を広める」事を目標に韓国へ帰国。

1982年に発足したKBOリーグのMBC青龍に選手兼任監督として入団。この年、現在でもKBO歴代最高記録である打率.412をマークし、KBO初代首位打者に輝く。

しかし翌年1983年に姦通罪で逮捕されシーズン途中で監督解任され、チームから放出された。

釈放後、離婚が成立し告訴も取り下げられ、三美スーパースターズにて選手兼コーチとして復帰。しかし、打撃の感覚を失い成績は低迷。1984年、現役引退。

引退後はKBOリーグの様々なチームでコーチや監督など指導者として活動。李承燁などを育成した。

人物・エピソード

60年代から70年代のパ・リーグを代表する選手のひとりとして長らく活躍した俊足巧打の外野手。積極的な打撃と勝負強さを持ち味としていた。

捕手から外野手へ転向を伝えられた際、白は「捕手として限界を感じていたので正直嬉しかった」と当時の心境を語っている。ちなみに肩は非常に強く、盗塁阻止率は4割を越えていた。

非常に頭に血が上りやすい性格であり、審判と口論したり、相手選手と乱闘することも度々見られた。

韓国にルーツを持つ張本勲からは弟分として可愛がられ、日本文化に馴染めなかった入団当初はよくアドバイスをもらっていた。

通算成績

打撃成績

獲得タイトル・記録

• 首位打者：1回（1975年）
• ベストナイン：1回（1975年）
• シーズン打率：.412（1982年）　※KBOリーグでの記録、KBO歴代最高

関連項目

• プロ野球
• NPB/KBOリーグ
• 東映フライヤーズ
• 太平洋クラブライオンズ
• ロッテオリオンズ
• 近鉄バファローズ 
• 大韓民国
• 張本勲
• プロ野球選手一覧

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