G11とは、西ドイツ(当時)のH&K社によって開発された無薬莢(ケースレス)弾を用いた自動小銃(アサルトライフル)である。
概要
口径 | 4.73mm |
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銃身長 | 540mm |
使用弾薬 | 4.73mm×33ケースレス弾 |
装弾数 | 45発/50発(箱型弾倉) |
全長 | 750mm |
重量 | 4300g |
発射速度 | 460発/分(フルオート) 2000発/分(バースト) |
銃口初速 | 930m/秒 |
有効射程 | 400m |
開発年代 | 1980年代 |
普通の銃で使用する弾薬は真鍮や軟鉄製の薬莢を使用するために、それだけで大量の資源を必要とする。
特に真鍮の材料となる銅や亜鉛は、電機部品や配管等にも使用する為に重要な物資であり、有事ともなれば優先して収集される物品の一つである。
それを空薬莢として戦場にばら撒いて帰るのは非常にもったいない。
また、金属製である為に運搬の際の重量的負担にそれなりに影響し、空薬莢の散乱は隠密行動では命取りになる事もありうるし、そうでなくともできれば床はきれいな方がいい。
このような面を考え、薬莢を無くせばコストパフォーマンスが高く、軽便で、更に排莢のプロセスを銃器から取り除く事ができれば構造も単純化できるのでは?という発想から、ケースレス弾とその運用銃G11は誕生した。
ケースレス弾を使用する事によって空薬莢が出なくなり、排莢プロセスが無い事でバーストで毎分2000発という極めて高い連射力を得、さらに弾丸の携行量が増え、弾薬製造のコストが安く抑えられるというまさにいいことづくめ。
まさしく究極のアサルトライフルが誕生しませんでした・・・
結局当時の技術では、てか多分今の技術でも薬莢は必要なのである。
まず、射撃による熱の問題。
通常の弾薬なら薬莢で熱が遮断され、逃がされる為に相当無茶な撃ち方をしなければ熱問題に因る暴発などは起きない。
しかしこの銃の場合装薬がむき出しで、しかも弾倉の配置が銃身上であり熱の影響を受けやすく、暴発の危険性が高かったようだ。
そして、保存問題である。
弾薬はデリケートなもので、例えば通常の薬莢式の物でも、保管の際は密閉された箱や缶詰等の湿気を遮断できる状態で、ある程度の空調、最低でも日陰で風通しの良い場所で保管しなければならない。
それを装薬むき出しにしているのだから耐侯性はよいと言えるものではなく、弾込めクリップを兼ねた密閉の専用ケースでの保管であったとはいえ、前線に出たら通常の銃と変わらない弾倉で弾を持ち運ばねばならず、軍務に耐える動作確実性を得る事はできなかったようである。
更に、期待されていた生産性も良いとは言えず、本格量産前とは言え1マガジンの弾薬コストが約5万円と言う価格となってしまい、結局この計画自体中止された。
いらないと思った物を無くしたら、自分自身がいらない子になったG11なのであった。
必要になるケース(事例)がレスだったんやなwww(渾身のギャグ)
しかし、ケースレスは完全に捨てられた訳ではなく、21世紀にもMR-Cと呼ばれるケースレス弾を使用するアサルトライフルが開発されたようだ。もちろんG11と同じ問題で消えたが(ケースレス弾的な意味で)。
また、この4.73mm弾を転用したのがMP7用の4.6mm弾とされており、研究自体は実があったようである。
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