日本時間2017年4月11日、Windows Vistaのサポートが終了しました。 |
Windows Vistaとは、マイクロソフトから2007年1月に発売されたIBM-PC/AT互換機用オペレーティングシステムである。
概要
ニコニコ動画内では他のWindowsと同様に、効果音で音楽を演奏してみたり、エラーを出しまくってみたり、各種ベンチマークとして使われている。
OS構造の見直し、セキュリティの強化、画像処理方法の変更等によって下位互換性が悪い、重い(システム要件が高い)、などと不人気ぎみである。おそらく一般的なユーザーで一番の不人気となっているのはUAC(ユーザーアカウント制御)のうざさだろう。
とはいえUACを切ることはお勧めできない。簡単に言うとVistaが丸裸状態になる。
従来、NT系OSは、安定性、堅牢性、セキュリティを重視していたが、インターネット対応や9x系OSの利便性やマルチメディア要素を取り入れた結果、不安定要素を多く抱えるようになった。
特に個人ユーザーが、管理者権限をパスワードなしにして利用することが多いため、簡単に不正アクセスやシステムへの変更を行うウイルスを容易に実行させる温床となってしまった。
Vistaはそれを刷新するため、細かいセキュリティ管理ができるように構造から見直した大改造、というか中身ほとんど別物なバージョンアップであったが、それゆえにユーザー目線では上記にあるような弊害を生むことにもなった。
また、比較対象のXPがリリースから5年を経ていたため、アップグレードするにしても5年でのハードウェア性能の進歩の差は大きく、特に初期やSP1導入時のパソコンではスペックが足りないことが多く、アップグレードしてもとても重くなる問題が多く発生した。
Vistaの評価として「重い」というものがあるが、これは発表当初、特にメーカーものPCにおいて、オンボードGPUの性能が在って無いが如きに近いものが非常に多かったという問題がある。
VistaのAeroはXPのLunaなどと異なり、グラフィクス処理系を基本的にGPUに任せてしまう構成になっており、このためPCにはある程度の性能があるGPUが搭載されていることが必須である。
しかしながら特にビジネス用途においてはそれまでGPUの性能が顧みられることはほとんど無かったという問題があり、このことをきちんと周知されていなかった、あるいはきちんと勉強していなかったアーリーアダプター層が低性能なGPUを搭載したPCに無計画に導入したことで悪評が広まったという面は否定できない。
その後オンボードGPUの性能が向上したことで、この問題は現代のPCではほぼ解決されている。後述するWindows7が出る頃に発売されたPCを中古で購入してVistaをインストールすると、オンボードGPUにも関わらず意外とサクサク動くというのはこの影響である。
また、Windowsの動作性能を向上させる手軽な方法として「メモリを増設する」という手法はよく知られているが、Vistaは起動時によく使用されるプログラムをメモリに一気に読み込んで動作の軽量化を図っている(Superfetch。なお7以降にも存在する)ため、メモリを増設するとかえって起動に時間がかかるようになることがある(しばしばこの様子を指して「Vistaはどんなにメモリを搭載しても不足する」と言われるが、これはこの機能の存在を失念している)。
根本的な対策としては、高速なメモリー、CPUに切り替えることくらいである(一般ユーザーからすれば買い換えレベルである)、もしくはランダムアクセス性能の高いSSDを搭載するなどがあったが、低容量で高価だった当時は現実的ではなかっただろう。
そもそもWindows Vista搭載PCは、スタートメニューの電源ボタンの初期値が「スリープ」(ハイブリッドスリープ)に割り当てられていることからも解る通り、長時間使用しない時以外はハイブリッドスリープを使うのが基本であり、頻繁にシャットダウンすることを根本的に想定していない。このことがきちんと周知されていたとは言えないのが不幸の一つであろう。
次期OSであるWindows 7は、Vistaのマイナーアップデートである。内部バージョンはそれぞれNT6.0、NT6.1にあたり、Windows XPとWindows 2000の関係と同様である。
この頃になると、十分なCPU性能、メモリー容量が確保されたため、Vistaほどの不評を買っていないが、XPからの乗り換えユーザーにとっては「使いにくい、元に戻せ」という声も多くみられた。そのWindows7も2010年代半ばになってようやく世間に浸透し、安定した使いやすいOSであると広く認識されてきた頃に今度はWindows10のリリースに伴う無償アップデートのサービスが始まり…その後に起きた騒動は言わずもがなである。これらのOSのモデルチェンジ前後に起こる苦情やトラブルはもはや恒例行事と化しつつある。
とりあえずSP2を適用することで相当マシになる。また、ある程度のGPU性能があることが必須であるが、妙に動作が重いという場合はグラフィクスドライバをAero対応バージョンに(可能であれば)更新することや、廉価なものでもいいのでグラフィクスカードを導入すると動作が軽くなることが多い。
マイクロソフトのセキュリティパッチの配布が行われるサポート期限は、2017年4月11日までとなっている。
エディション
- ※日本で発売されるもの
エディション名 | 概要 |
Home Basic | 他のエディションと違い、Aeroに非対応。低価格PC用。 |
Home Premium | 一般向け。 |
Business | ビジネス向け。Home Premiumのマルチメディア機能が無い。 |
Enterprise | 大企業向け。一般には提供されない。 |
Ultimate | 最上級者向け。 |
その他
- セキュリティ機能の開発に際してはアメリカ国家安全保障局(NSA)が関与しており、この情報が2007年に報道されると、マイクロソフト側もNSAの関与を認めた。
- Windows 7発売直後、秋葉原電気街では、Vistaが処分特価セールされる光景が見られた。ちょっと哀れではある。
関連動画
関連項目
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