SCP-6871 単語

マタタクマニ

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SCP-6871とは、シェアード・ワールドSCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。

名は『In the Blink of an Eye (く間に)』。

概要

SCP-6871の記事を見ると、ひとでその異様さに気づくことだろう。というのも、ページ上部、普段であれば『SCP財団』と書かれているところには、かわりに『Global Occult Coalition』と表記されている。そう、『世界オカルト連合』。らが財団のライバル組織であり、アノマリーを収容ではなく破壊する正常性維持機関である。なぜ、財団の文書であるにも関わらず、ここには世界オカルト連合ロゴがデカデカと掲載されているのだろうか。

また、特別収容プロトコルも、『SCP-6871の実行方法と材料に関する情報O5評議会 管理者のみに制限されます。認可の人物がこの情報を入手しようとした場合はその場で終了します。』とある。「管理者 (the Administrator)」とは今の財団のトップであるO5評議会ではなく、財団の理念っている何者かである。そんなめいた存在がわざわざ前面に出てこないといけない状況とは何なのだろうか。


では、解説を開始しよう。SCP-6871とは、人間や物体、現を基軸タイムラインから消去できる奇跡儀式である。適切に実行すると、そのタイムラインでの対による行動が遡及的に消去され、置換されることになる。奇跡論的儀式とは簡単に言えば魔術儀式のことであり、遡及的に、ということはその人が存在した事実が、その人がやってきたことを含め一切合切なくなるということ。仮にトーマス・エジソンを消去すれば電球歴史は大幅に変わるだろうし、ジョン・レノンを消去すればロック歴史大分狂うであろう。

実際に、財団は除外サイト-01と呼ばれるサイト内でこの儀式を実行した。この除外サイト-01とは「タイムライン上で現実改変が起きても、そのを受けない」ようにスクラントン現実錨を使って現実強度を高めに高めた、「ここだけは何も変わらない」サイトである。実験の際には儀式の実行者の他にO5評議会メンバー2名、財団のデータベース管理を担当する組織「記録情報保安管理局(RAISA)」のトップ研究者1名(報告書の注釈ではギアーズ博士が担当)、そして「管理者」がここに駐在し、儀式を与える対は必ずサイト外にある人や物を定する、という、物々しい態勢がとられていた。果たしてこの規則は最後まで遵守されたのだろうか? 実験ログを追ってみることにしよう。

最初のころは、とある博士コーヒーを買うのに使った1ドル紙幣を消去することで、その博士が一日仕事に身が入らずイライラする、くらいの小さな変化であった。また、儀式を行った人そのものを消すとそれまでの儀式もなかったことになった。よって、簡単に (儀式実行者のDクラス職員は消えてしまうが) 現実を軽い気持ちで変できると踏んだのだろう――。後に実験担当者は次々に財団の博士を消してみた。2人の博士を消した後、ブライト博士まで消しにかかった。最初はブライト博士を消去してみたが、何度消しても宿が新たに出現したので、SCP-963を消してみたところ、ブライト博士の意識とともに、達成してきた研究進捗がすべて消失。もちろん、実験担当者を消せばもとに戻るものの、この時点で「管理者」は疑念を抱いたのであろう。この実験が続行されれば、取り返しのつかない事態に陥るぞ、と。「管理者」はSCP-6871そのものを消去しようとしたが、「タイムパラドックスが起きるから駄だ」と止められたようだ。

それもそうだと「管理者」は断念したようだが、その後あろうことか、本来直接実験に関わってはいけないはずのO5-12SCP-682 (不死身の爬虫類) を消去することを試みた。SCP-682は消去されるがらのクソトカゲがそんな程度で負けるわけがなく、数後に収容セルに再出現し、「哀れ」と言い残した。O5-12はこれに懲りず、今度はSCP-1000 (ビッグフット) を消去する。結果として、夜闇の子らは消え去り、人類は地球上の最初の支配種となった。人類社会は見違えるように発展を遂げ、多数の格実体や卓越した先進技術の統合といった世界がそこにはあった。素晴らしいことではあるのだが、これは明確に財団の理念に反している。加えてO5-12の実行した内容はO5評議会の形ではない独断によるものだったらしく、結果としてO5-12を消すことが決定された。しかしその後驚くべきことに、O5-2が自分たちの直属の機動部隊である機動部隊アルファ-1 ("レッドライトハンド")を消去したのである。

これはとんでもない事態を引き起こしてしまった。何しろ、財団の全科学職員の2%と全機動部隊の1.5%消失したのだから。おそらく、機動部隊アルファ-1の行動により守られていた人たちであったのだろう。財団は多くの人材を失ってしまうことになった。だが、O5はついでに消えてしまったカオスインサージェンシーこそを手柄としたのか、これを不問にしてしまったようだ。もしかすると、O5-12を消去したのが正しく「管理者」の命を受けたアルファ-1だったのかもしれない。そして、その造反に対して評議会側が怒ったのだろう。――すなわち、評議会はこの時点で狂い始めていた。

続いて、世界オカルト連合事務総長D.C.アルフィーネを消去した。これによって、世界オカルト連合自体も消滅し、財団は世界要な常組織となった。世界オカルト連合の代わりに財団のライバルになったのは、あろうことかサーキック・カルトであった。評議会は身内贔屓かこの事態も不問にし、O5-3サーキック・カルト導者たる崇高なるカルキスト・イオンを消去した。

結果、人類社会器時代に逆行した。O5評議会メンバーとともに。

どうやら、崇高なるカルキスト・イオンの存在は世界に発展をもたらしたものでもあったようだ。よくよく考えれば崇高なるカルキスト・イオンによって奴隷たちがダエーバイトに叛乱を起こし、人類が自由を勝ち取ったのだから、それがなければ人類はうまく発展できなかったのだろう。また、崇高なるカルキスト・イオンの存在はダエーバイトリンクするので、『ドラえもん』でいうところの大阪理論よろしく崇高なるカルキスト・イオンが産まれ得ない現実を作ろうとした結果ダエーバイトも存在せず、更に原始サーキック・カルトと対立していた初期メカーニズムも連鎖的に消滅、その後進である壊れた神の教会も生まれなかったために発展をもたらす要素が全てくなり、原始社会だけが何千年も続くことになったのかもしれない。

ともあれ、これは壮大なやらかしである。管理者は責任を取って、今度こそ何かを消去した。

こんなことを許してしまってすまない。本当に、本当にすまなかった。


SCP-6871 - SCP財団exitより,2023/01/18閲覧

ある日、世界オカルト連合の中の正体不明の廃墟を発見したという民間人の報告を受けてそこに向かう。そこには、『除外サイト-01』という文字が記されていた。それは築2000年以上は経過しており、『SCP財団』なる異常の収容に特化した世界的組織のものであるとそのディープウェルアーカイブからは確認できた。

そのような名前の組織や、実在することを支持する拠は存在しない。

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