ウケグチノホソミオナガノオキナハギとは、長い名前の魚である。
概要
ウケグチノホソミオナガノオキナハギ | |
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目 | フグ目 |
科 | カワハギ科 |
学名 | Anacanthus barbatus |
英名 | Bearded leatherjacket |
学名はAnacanthus barbatus。カワハギ科に属するカワハギの仲間である。
最大35cm程になり、インド洋・太平洋西部熱帯域(インド西部~インドネシア、オーストラリア北西部)の沿岸に生息しているが、日本では見つかっていない。
カワハギの仲間としては非常に細長い体形で尾鰭も長く、名前以外も面白い魚である。その体型と褐色の模様で周囲の海藻・海草に擬態していると思われる。
口は上を向き、長いヒゲが付いている。これがそれぞれ「受け口」「翁」の部分の由来である。
和名は全部で17文字。一見ふざけた名前に見えるが、漢字にすると「受け口の/細身尾長の/翁ハギ」で、この魚の外見を忠実に表している。また5・7・5調になっており覚えやすい。
日本に生息していない魚にこのような名前がついているのには理由があり、命名者の魚類学者である尼岡邦夫教授によれば、後の混乱を防ぐためにウケグチ(略)を含む当時の新しい漁場(南シナ海)の魚に和名を付ける際、「どうせならそれまで一番和名が長かった『ミツクリエナガチョウチンアンコウ』(16文字)より長い名前をつけたかった」というノリ事があったというもの。
後に尼岡教授と友人との間の冗談として「オマエハソレデモカワハギカ」という下の句が付いたらしい。
現地でも特に食用にならないため、その生態は良く分かっていない。
日本ではサンシャイン水族館や下関市立しものせき水族館「海響館」で見ることができる。
おまけ・長い名前の生き物
- スベスベマンジュウガニ - 11文字。この位は序の口に過ぎない。項目参照。
- トゲアリトゲナシトゲトゲ - 12文字。項目参照。
- ヨーロッパタヌキブンブク - 12文字。ウニの仲間。日本にはいない。項目参照。
- ポンポンメクラチビゴミムシ - 13文字。京都府・大阪府にしかいないメクラチビゴミムシの仲間。
- ニセクロホシテントウゴミムシダマシ - 17文字。ゴミムシダマシという甲虫の仲間。
- タケトビイロマルカイガラトビコバチ - 17文字。寄生バチの仲間。
- フウトウカズラヤドリクダアザミウマ - 17文字。アザミウマという小さな昆虫の仲間。
- セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ - 19文字。アブラムシの仲間。
- チュウジョウクビアカモモブトホソカミキリ - 20文字。カミキリムシの仲間。
- オガサワラチビヒョウタンヒゲナガゾウムシ - 20文字。小笠原諸島固有種のゾウムシの仲間。
- リュウキュウジュウサンホシチビオオキノコムシ[1] - 22文字。日本の昆虫では最長。オオキノコムシ科の甲虫の仲間。名前から沖縄(琉球)産な模様。
- エンカイザンコゲチャヒロコシイタムクゲキノコムシ - 24文字。が、もう使われていない和名らしい。
- ミツクリエナガチョウチンアンコウ - 16文字。下記のジョルダン(略)を除けば日本で見つかる魚では最長。項目参照。
- ケナシヒレナガチョウチンアンコウ - 16文字。ただし学名のない未記載種。
- ウケグチノホソミオナガノオキナハギ - 17文字。本文参照。
- ジョルダンヒレナガチョウチンアンコウ - 18文字。ただし和名が使われないことも。
- ニューギニアヤリガタリクウズムシ - 16文字。特定外来生物。
- プエルトリコヒメエメラルドハチドリ - 17文字。鳥類では最長。日本にはいない。
- ニューギニアヒメテングフルーツコウモリ - 19文字。哺乳類では最長。日本にはいない。
- ニューカレドニアオナガフルーツコウモリ - 19文字。哺乳類最長タイ。日本にはいない。
- ステッドファストテングフルーツコウモリ - 19文字。哺乳類最長タイ。日本にはいない。○○フルーツコウモリは大体こんな感じ。
- カリフォルニアオオミミナガヘラコウモリ - 19文字。哺乳類最長タイ。日本にはいない。コウモリは長い。
- リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ - 21文字。アマモの別名。殆ど長い名前を挙げる時にしか使われていない。
地名や人名、餌となる生き物の名前が入ると長くなるので、ウケグチノホソミオナガノオキナハギは例外な方だと言える…かもしれない。学名や英名のカタカナ表記だともっと長くなる生き物も多い。
関連リンク
関連項目
脚注
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