クイックディスクとは、かつて存在した磁気ディスクの一種である。ファミリーコンピュータのディスクシステムで採用されたディスクカードが有名である。
概要
1984年にミツミ電機と日立マクセルの共同開発で誕生した。ディスクのサイズは2.8インチと小さめ。
磁性体を塗られた薄いディスクを使っている点ではフロッピーディスクと同じであるが、同心円ではなく渦巻き状に記録面が作られている。そのため、フロッピーディスクのようにランダムアクセスができず、データを読み取る際には最初から順々に検索していく必要がある。
読み書き速度では、当時パソコンの主流だったデータレコーダ(音楽テープを使用)よりも遙かに高速であったが、フロッピーディスクよりも劣っていた。
採用例
ドライブとして内蔵されていたのは、シャープのMZ-1500であった。ほかにMZ-700、MZ-2200用の外付けドライブも販売されたが、MZ-2500においては3.5インチFDDを搭載したことで、クイックディスクは普及しなかった。
一方でファミリーコンピュータでは、1986年にディスクシステムとして特殊形状のジャケットに入ったディスクカードとして販売、当時のROMカセットよりも大容量で、500円で別のゲームに書き換えられることから一定の普及を果たした。
しかし同年に128KB(1Mビット)を超えるROMカセットゲームが出たことで、メリットの一つである大容量という特性はすぐに失われた。また、バッテリーバックアップによるデータ記録、独自の拡張音源の搭載などで、ディスクシステムならではのメリットは次々と失われ、1989年頃には再びROMカセットが主流となった。
関連動画
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関連項目
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