概要
もともとは、古代メキシコでシャーマンが神より御告げを授かる、つまりはそれを摂取することによりトランス状態になる為のものであった。
時代は移り1950年代になると、キノコ研究者のR・ゴードン・ワッセンが現地の調査でこれらのキノコを発見し、さらにLSDの研究・開発で良くも悪くも有名なホフマン博士が、それらのキノコに幻覚を及ぼす成分が含まれていることを突き止める。氏はこの成分にそれぞれ、「シロシビン」、「シロシン」と名をつけた。
そうして、マジックマッシュルームは世界に広く認知されるようになったのである。
発見からその後
その後しばらくして、LSDでサイケデリックな幻覚を見ることが大衆の中でブームになり、マジックマッシュルームもこうした用途に使われた。
このブームはヒッピー文化の形成、フラワーパワージェネレーションの誕生、絵画や音楽などの芸術にも影響を及ぼした。かのジョン・レノンも、こうした文化の中でLSDを体験したと言われている。
しかし、LSDは1968年にアメリカで麻薬として規制され、日本でもそのわずか2年後に麻薬として法律で所持・販売・使用が禁止された。
一方で、マジックマッシュルームにも似たような効果がありながらそうした出来事の中でも規制されることはなく、流通経路は限られながらもむしろLSDの代替品として、LSDの終焉後もひっそりと売買や使用が続けられていった。
そして伝説へ…
栽培の簡単だったマジックマッシュルームは、1990年代よりサブカル系雑誌などで取り上げられており、これらの状況は事実上の野放しだった。細々とした流通経路もインターネットの普及により爆発的に広がり、使用者もそれに伴い増加していった。
しかし、2001年のある日、当時人気のあった俳優がマジックマッシュルームの摂取により、騒ぎを起こしたのち入院するという事件が起こる。
この時の販売者の対応が、あたかもマジックマッシュルーム使用へと興味を煽動するかのようものであった。そのため世間的に反発も強まり結果として、日本国内では翌年2002年に麻薬として法規制され、所持・使用などが全面的に違法になった。
マジックマッシュルームが事実上の終焉を迎えることになったのはLSD規制から、実に30年ほど後のことである。
また規制の内容は地域によって変わるものの世界中で同様の規制が行われており、マジックマッシュルームは違法薬物としての側面が大変強くなってしまった。
作用
- 肉体的作用
脱力感や悪寒、吐き気や腹痛などを催す。摂取後1時間ほどでこれらの症状は治まる。
- 知覚的作用
視覚の歪み、皮膚感覚の鋭敏化、色彩の鮮明化や聴覚の歪みなどが挙げられる。LSDとよく似た作用だったため、代替品として用いられることになった。
- 感情的作用
感情の波が激しくなり、情緒不安定になる。多くは幸福感をもたらすが、摂取した人間の経験によりパニック症状に陥ったり、ネガティブな偏執にとらわれることもある。
一部は日本にも自生していますが、違法であるだけでなく、肉体的に、また精神的に大変重篤な影響を及ぼすため絶対に摂取しないでください!
その他
有名なワライタケもシロシビンを含む、れっきとしたマジックマッシュルームの仲間である(ただし有効成分は少なめ)。
つまりワライタケを食べて笑い出すというのは漫画でよくある、普通の笑いが止まらなくなるようなものではなく、ラリって笑い出すという実際には漫画に載せてはいけないような状態である。
関連動画
関連項目
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https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E3%83%9E%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%A0