全国企業短期経済観測調査とは、日本銀行が四半期ごとに公表している上場企業・中小企業への業況調査である。通称日銀短観。海外でも "Tankan" と呼ばれる。
概要
日本の経済状態を知る手がかりとして、国内のみならず海外の市場関係者からも注目される指標。調査は毎年3・6・9・12月の下旬、公表は4・7・10月の初旬と12月の中旬に行われる。日本全国27業種、資本金2000万円以上の民間企業約21万社のなかから、約1万社を抽出し調査する。調査はアンケート方式で、書面もしくはオンライン上で回答する。
回答率が毎回100%に近いこと(2018年12月発表の短観では99.6%)、経営者の最新の判断が反映されるため、最新の景気動向・景況感を反映したものとして、市場に大きな影響力を持つ。
調査項目
- 判断項目
「最近」(回答時点)および「先行き」(3ヶ月後)の2時点について、3段階の選択肢から企業の判断に最も近いものを回答する。1段階目の選択肢を選んだ企業の割合から、3段階目の選択肢を選んだ企業の割合を引いたものが指数として発表される。- 業況判断……選択肢【良い/さほど良くない/悪い】
景気の状況について企業の判断を回答する。「良い」と判断した企業の割合から「悪い」と判断した企業の割合をひいたものを業況判断指数(DI)といい、特に注目度が高い。発表時にニュース等で触れられるのも主にこの指数である。例えば全社が「良い」と回答すれば100、「良い」と「悪い」が同数なら0、全社「悪い」と回答すれば-100となり、プラスであれば景気が上向いていると判断される。 - 国内での製商品・サービス需給……選択肢【需要超過/ほぼ均衡/供給超過】
- 海外での製商品需給……選択肢【需要超過/ほぼ均衡/供給超過】
- 製商品在庫水準……選択肢【過大~やや多め/適正/やや少なめ~不足】
- 生産・営業用設備……選択肢【過剰/適正/不足】
- 雇用人員……選択肢【過剰/適正/不足】
- 資金繰り……選択肢【楽である/さほど苦しくない/苦しい】
- 金融機関の貸出態度……選択肢【緩い/さほど厳しくない/厳しい】
- CP(コマーシャル・ペーパー)の発行環境……選択肢【楽である/さほど厳しくない/厳しい】
- 借入金利水準……選択肢【上昇/変わらない/低下】
- 販売価格……選択肢【上昇/もちあい/下落】
- 仕入価格……選択肢【上昇/もちあい/下落】
- 業況判断……選択肢【良い/さほど良くない/悪い】
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年度計画
半期ごとの計画(予測)計数および実績計数を調査。前年度比がパーセンテージで発表される。 - 物価見通し
以下の項目の1・3・5年後の見通しについて、回答企業の判断に最も近い選択肢を回答する。消費税など制度変更の影響を除いて回答するよう依頼されている。- 販売価格の見通し
- 物価全般の見通し
- 新卒者採用状況
年度の計画(予測)計数および実績計数を調査。6・12月の調査のみおこなわれる。- 新卒採用社数
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関連項目・リンク
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