置き配とは、配達物等を対面で受け渡しせず、玄関先等へ置いていく配達方法である。
概要
一般的に配達物等の受け渡しは、伝票への署名・捺印と引き換えに荷物を受け取る対面方式で行われるが、受取人が多忙などの場合は対面での受け渡しが困難な場合がある。置き配は、そのような利用者が荷物を受け取りやすくするための手段のひとつである。
諸外国では既に、受取人が不在の場合荷物を玄関先に置いていく運用が一般的に行われていたが、日本においては防犯意識から一部の利用者以外にはほとんど浸透していないのが実情であった。だが2019年頃から、アマゾンジャパンが置き配を正式なオプションとして採用。その翌年には新型コロナウイルス蔓延の背景を受けて、対面で受け取らずに済む置き配が注目を集め、一般への認知度が上がった。
メリット
- 在宅できる期間が短くても配達してもらえる。多くの配達業者では受取可能な時間が限られている利用者向けに配達時間の指定ができるようになっているが、朝は早くて8時から、夜は遅くて21時までの範囲でしか指定できない場合がほとんどで、しかも指定可能な枠内で配達員がいつ来るかはランダムなため、指定可能な時間内に少しでも受取不可能な時間が含まれている場合は配達不可で持ち帰りされてしまう場合があった。置き配する旨を指定しておけば、そのような利用者でも配達物を受け取りやすくなる。
- 対面でのやり取りをしなくてもよい。利用者によっては、家の中を見られたくない・身だしなみが整っていない・作業中で手が離せないなどの理由で、在宅していても出られない・出たくない人が存在する。置き配は対面でのやり取りが不要なので、そのような利用者にはうってつけといえる。感染症の拡大防止対策にもなる。
デメリット
- 盗難のリスクがある。実際にとある集合住宅に泥棒が侵入し、玄関先に置き配された荷物が盗難に遭う被害が発生してニュースになったことがある。盗難リスクを減らすために、配達時間の指定を併用するのもひとつの手である。なお置き配を正式なオプションとして採用しているアマゾンジャパンなどでは、万一盗難に遭った際の補償がついている。
- 荷物を置いた場所や天候状況によっては、雨に濡れたり風で吹き飛ばされてしまう場合がある。気の利いた配達員であれば、濡れないようにビニールで覆ってくれたりすることもあるが、荷物到着予定日時が悪天候の予想される場合、不安であれば置き配をしないように指定するか、あるいは宅配ボックス・物置等の天候の影響を受けにくい場所を届け先に指定すると良い。
- 在宅していても置き配される場合がある。前述の通り対面でのやり取り不要なのが置き配の売りのひとつだが、逆に言えば、置き配を指示した場合は在宅時でも置き配で対応されることが多い。不在時だけ置き配対応してほしい場合は、配達員に個別に相談するか、それが難しい場合は玄関先に張り紙などをして周知すると良い。
- 存在しない場所・配達員が入れない場所を届け先に指定しても無意味。宅配ボックスのない住居で届け先に宅配ボックスを指定したり、オートロック付き集合住宅で届け先に玄関を指定しても、存在しない場所・配達員が入れない場所に置き配はできないので、不在時は持ち帰り対応されてしまう。
- また当然ながら、代金引換の荷物や冷蔵・冷凍の荷物等は置き配を利用することができない。
各事業者の対応状況
2023年現在、日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便などの大手運送業者やデリバリープロバイダ、Amazon・楽天などの大手ECサイトやFANCL・ZOZOTOWN・ユニクロ・アスクル・Uber Eatsなど様々な業者が置き配に対応している。
ただし、置き配を利用するには運送業者・EC両方が置き配に対応していて、かつ置き配可能な提携を結んでいなければならない。そのため、例えばAmazonで商品を注文して置き配を指定したとしても、担当する運送業者によっては置き配の指定が無効になってしまう場合がある。
関連項目
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