Apple税とは、iOSでApple経由でアプリ内課金した時に発生する、Appleの取り分である。
ハードウェアの分野では「アスク税」など代理店の取り分が「税」に散々揶揄されてきたが、スマホのソフトウェアの分野でも似たようなことが起きたことから、話題に挙げられるようになった。
当然、Androidでもアプリ内課金すればGoogleの取り分が発生するが、こちらはGoogle税と呼ぶことはない。というのも、Google税は国境を越えて商取引を行うネット企業の租税回避(あえて言い換えるなら「マネーロンダリング」)の阻止の方に使うためである。
概要
まず、Appleのアプリ購入・アプリ内課金の手数料は以下の通り。
開発者 | 課金タイプ | 継続期間 | 割合 |
---|---|---|---|
通常 | 1回限り(アプリ購入・アプリ内課金) | 30% | |
サブスクリプション | 1年以下 | 30% | |
1年超 | 15% | ||
小規模 | すべて | 100万ドルまで15% それを超えた場合は通常と同じ |
ここでいう「小規模」とは、App Store Small Business Programに登録している開発者である。条件は以下の通り。
詳細はこちらを参照せよ。ちなみに純売上100万ドルというのは、15%手数料を前提にしても2023年1月現在の為替レートで1億5000万円が動いているということになる。
ちなみに、Androidのアプリ内課金の手数料は以下の通りである。
課金タイプ | 15%のサービス手数料ティア | 割合 |
---|---|---|
定期購入 | 全て | 15% |
それ以外 | 加入 | 100万ドルまで15% 100万ドル超は30% |
未加入 | 30% |
15%のサービス手数料ティアの詳細に関してはこちらを参照せよ。
何はともあれ、Appleに決済代行してもらう形で課金を提供すると、このように15%ないしは30%もの手数料が発生するわけで、その分運営の取り分が減少してしまう。だが、スマートフォンアプリ内での購入は、原則としてアプリ内課金を通さなければならないという規則があるため、この手数料から逃れることはできない。
一方、Web経由で決済する場合、自前で決済代行業者もしくは信販会社と契約し、クレジットカード決済の繋ぎ込みの実装をする必要があるが、代わりに支払う手数料はその代行業者もしくは信販会社の手数料のみで良い。例えば、Stripeという決済代行業者の場合、手数料は3.6%である。
ここの差分がApple税と呼ばれる箇所である。もちろん、彼らの決済サーバもタダではないし、無料アプリを支えるという大義名分があるのもわかるが、だからといってこれに対してはいはいそうですかと黙ってるだけではない人もいるわけだ。ではどうするのかというと、
などの対応をするわけだ。これにより、アプリ内課金ではなく、Web上への課金へ誘導することができる。Web上で勝手に支払いをするのであれば、それはもはやAppleなどの管轄外なわけで、知ったことではない、ということである。
もちろん、スマートフォンアプリでしか提供できないアプリケーションがこの手数料から逃れる手段はない。
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