「もしかしてウチ……田舎にすんでるのん?」
田舎とは、
- 都市ではない所。都会ではないところ。地方や村。
「東京にも田舎はある」「自販機がカフェ代わりというレベルの田舎」「田舎モン」 - 都会か田舎かどうかに関係なく、自分の生まれ故郷。出身地。「俺の田舎は広島の郊外だ」「おめぇ田舎はどこだ?」
- 素朴、粗野、野暮、粗暴という意味の接頭語。「田舎そば」「田舎侍」
概要
人口が少なく、高層建造物も少ないところ。
多くの場合は村(農村・漁村)、山奥、離島、
また郡部(住所が〇〇郡××町)である。
地理学的には平野部に対し、中間部と山間部、総称して中山間部という。また、平野部のうち、農業など耕地利用が一定数を占める場所をそう定義している場合もある。
生活には車が必須だったりする事が多く、自家用車を持たないと生活不能に陥る。周囲にコンビニ・スーパー、遊び場、病院、駅・バス停が無かったり、あってもそこまでが遠い、本数が非常に少ない、廃線になる、大きな町まで非常に多くの時間がかかるなど。
また、自然に囲まれているのも良いが、インフラが後手に回っていたり、対応が追いつかないエリアも少なくなく、土砂崩れや河川の氾濫などの災害被害を受けやすい。酷い時は集落ごと孤立する場合も少なくない。事件や急病の際には警察や救急車の到着や病院への搬送にも時間がかかりやすいし、ドクターヘリも夜間や悪天候は飛べず、運用するだけでも千万円以上の非常に多くの費用がかかる。
また家屋にムカデや小動物が侵入してくる事は日常茶飯事。中途半端に田舎のイメージを持つと「田舎に△△なんてない」「××が○○ならまだ田舎ではない」といった指摘が入ることもある。
人口流出
また、娯楽というよりレジャー施設も少ないので、若者は都会に過剰な妄想を抱き、次々に都市部へと流出した。特に豪雪地帯はその影響が深刻であり、三八豪雪など豪雪を体験したエリアほど若者の流出が起こり、過疎化は大きな社会問題として表面化した。さらに、今日では高齢化、人口減少に悩まされており、若い世代の労働力確保にも苦労し、自治体や民間企業に雪かきなどを依存せざるを得ない状況を作ったりもしている。力の無い村落は近隣の市や町への吸収合併を余儀なくされる。
だが、それらを差し引いたとしても田舎の過疎高齢化は、産業構造が大きく変わったことが要因である。かつては農山村でも仕事や雇用先が確保されていたために、そこで生活することができていたが、戦後の自由化などによって農山村が疲弊、更に賃金格差なども相まって今に至る状態となっている。
基準
どこからが田舎でどこからが都会か?…という点には明確な基準はないが、地理学では概ねこう定義していることが多い。
ただ、そんな学などない輩がわざとらしく「東京、大阪、名古屋以外田舎」「東京と各都道府県の県庁所在地以外田舎」など様々なことを言う人がおり、それをめぐってどちらが都会か、また田舎かそうでないかという不毛な論争が起きている。中には名古屋も田舎だろとか言う人もいる。
基本的には都会のほうが上という、捻れたコンプレックスから来る選民思想によって、田舎は蔑称として使われることもあるが、それはあくまで田舎に暮らしていた人間が、その閉鎖的、排他的なコミュニティに耐えきれず、自分から田舎を捨てた連中のコンプレックスにまみれた戯言とされることも。
だが昔から大都市圏に住んできた人にとっては、田舎はあまり悪いイメージで捉えず、むしろ隣の花は赤いという諺の通り、「自然に恵まれた憧れの地」という良いイメージを抱いている人もいる。それで、定年後に都会から田舎に移り住んだり、子育てのため、あるいは雑踏に疲れた人が田舎に移り住む人も少なくない。
田舎への誘致
このような人を取り込むべく地方都市の中には定年した人を呼び込む政策をとる時自治体も多く、たとえば徳島県神山町、大分県臼杵市など田舎暮らし対策で軌道に乗っている自治体もある。ただやはり基本的には人は田舎から都会に流れるので過疎(人手不足)に苦しむ地域も多い。
格安/無料の一軒家や畑、仕事つきといった様々な特典に釣られて都市部から引っ越してくる者もいるが、それが、元から田舎に住んでおり、閉鎖的で排他的なコミュニティや地域ルールを築いている人との軋轢を生んだりしているため、理想と現実の差に嘆く姿も多々見受けられる。あと、インフラ格差についてであるが、小学校まではともかく、中高からの養育がかなり障壁になることが多い。そのため、田舎とまでは行かないが、地方都市ぐらいにとどめる、いわばJターンやIターンを行う人も多い。
つまり田舎とは
- A:昔から都市部に暮らす人: 自然に恵まれた憧れの地
- B:田舎から都市部に来た人: もう嫌だと捨てたために、何もない場所。この連中が見下しを行う。
- C:元から田舎にいる人: 不便さもあるが、良いところも多いためにとどまっている場所。自虐ネタには使うことはある。
この3つの主観が錯綜している状態であり、特に都会に住む人はAとBが混在しているために、これらの人が「田舎」という言葉を使うと、Cにとってはどっちが発している言葉かわからないために、更に混乱を招くことになる(まあ、Aが見下すことはないからわかるのだが)
移住する場合
田舎=悪ではないし、田舎以外への引っ越しにも共通することだが…
必ず移住先やその周囲の環境、交通機関、子供が生まれたり病気や運転や歩行が困難になった後の事や行政のサービス支援体制などを楽観せずよく考える、失敗談や事例等も検索してから移住するといった選択は非常に重要である。一つに固執せず複数の選択肢を持つのも重要。
移住先に関わらず運が悪いと「なんとかなる」「調べるのがめんどくさい」のツケを支払う場合もある。
旅番組、ドキュメンタリー番組での田舎
テレビ東京系列で放送されていた番組『田舎に泊まろう!』を始めとして、リゾート化されていない田舎を旅行する番組は一定の需要がある。
また、日テレ系列で放送されている番組『ザ!鉄腕!DASH!!』では田舎の道の駅を巡って捨ててしまう食材を探し料理する「0円食堂」などの企画が行われている。かつては、村を開拓するという名目で田舎生活を満喫する「DASH村」の企画も行われていた。
このような番組がなくならないのは、田舎が日本の原風景という認識が依然強く、都会に住む人にとってある種の憧れの対象になっているからだろう。
田舎を舞台とした創作
田舎が舞台のアニメなどもしばしばあり、特に近年は「君の名は」などで増えており、聖地巡礼型特需を見込んで、広島県尾道市や長野県小諸市などすすんで協力する自治体も少なくはない。そのようなことがあるとにわかに観光客が増えたりする。そのような動画もニコニコでは見られる。
都会と比べてほのぼのとした日常をテーマにした作品も多いが、その一方で古い因習にとらわれた田舎の旧時代性・閉鎖性・田舎ならではの問題をテーマにした作品も多い。
都会から田舎に来た人間が美しい自然に癒されたり、祖父祖母と再会したり、田舎の風習に戸惑ったり、知らずにタブーを犯してしまったりなどして騒動が起こる作品も多く、あるいはその逆に田舎に住み都会にあこがれる若者が因習を打破しようとしたり、進学や就職で都会に出てギャップに苦しんだり、里帰りして旧友と再会したり在りし日の事を思い出すなどのパターンもよくある。
都会から来た主人公と田舎に住むヒロインという組み合わせでボーイミーツガール物も作りやすい。都会と田舎のギャップによるすれ違いは物語を作るうえで使いやすいうえに視聴者や読者の共感を得やすいのである。また、別に異性でなく同性の友人との出会いでも同様の事は言え、友情物語も多数存在する。
自然を生かしたアウトドア系のイベントはもちろん、その趣味を扱った作品とも親和性が高い。
ホラー作品など、(犯罪行為を含めた)恐ろしい秘密や風習を扱うものは因習村とも呼ばれる場合もある。田舎や村そのものが開発されたり、ダムの底に沈んでしまう、そのエリアから逃げられずに怪物や脅威に追われるといった問題が差し迫る場合も。
田舎を舞台とした作品
- おおかみかくし
- おおかみこどもの雨と雪
- 君の名は。
- くまみこ
- 山賊ダイアリー
- 屍鬼
- 水夏
- SIREN
- SNOW(ゲーム)
- だがしかし
- となりのトトロ
- のんのんびより
- バイオハザード(4・VII)
- ばらかもん
- ひぐらしのなく頃に
- ポヨポヨ観察日記
- ヨスガノソラ
関連動画
関連項目
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- 0pt
- ページ番号: 5456324
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