「Synthesizer V AI Mai」とは、歌声合成ソフトウェア「Synthesizer V」用のAI歌声データベースである。
概要
2022年11月10日にSynthesizer V Studio Proのバージョン1.8.0b1に合わせてリリースされた歌声データベースで、Synthesizer V Studio Proのユーザーは無料で入手することができる。
※2025年に発売された「Synthesizer V Studio 2 Pro」ではMaiを含む3種類の中から1点選ぶ形になっている。[1]
Synthesizer Vの歌声データベースはSynthesizer Vを開発しているDreamtonics社以外にも様々な企業から発売されているが、この「Mai」はDreamtonics社自身が提供している。その関係で、Synthesizer Vユーザーへのサービス、あるいは利用促進という面もあってかMai自体は無料で提供されている。もちろん利用するにはSynthesizer V Studio Pro本体が必要である。
公式Twitterでは「ハリのあるポップな歌声が特徴で、ダンスミュージックからアイドル系、特にJ-Pop全般に適しています」としている。
商用利用については「MaiはDreamtonicsの他の歌声データベースと同じライセンス条件が適用されるため、Maiを使って作成した作品の商用利用に制限はありません。」とのこと。[2]
公式の「キャラクター設定」や「画像」などは発表されていない。キャラクターイメージ画像を公開している人(例えば「Froggy」氏
など)もいるが、これは個人が歌声からのイメージで描いた非公式のものである。
Maiの音声提供者は公開されていなかったが、2023年3月15日にシンガーソングライターの橘田ほのかであることが発表されている。
その他
Maiは「Synthesizer V Studio Pro」の新バージョン「1.8.0b1」専用としてリリースされたが、このバージョンでは新たに「今までの歌唱合成エンジンを大きく進化させたDiffusion Probabilistic Models(DPM)ベースの歌声合成技術に対応」したと発表されている。
DPM(Diffusion Modelsとも)技術は近年画像生成AIにおいて使用され有名になったものだが、これを歌唱合成技術に応用したものであるらしい。「これまで以上に自然な発音とニュアンスの再現、ビブラートを中心とした正確な音程を実現します。」とのこと。
要するに、先発の歌声データベースらと一線を画している「Mai」の能力は「この技術に対応した最初の歌声データベースであるから」という面もあるかと思われる。ちなみに、先発のAI歌声データベースも順次更新されてこのDPM機能に対応していく予定であるそうだ。
関連動画
関連リンク
- Synthesizer V | Dreamtonics株式会社
- Synthesizer Vに超強力な女性ボーカル、Maiがまもなく登場。もうAIと人間の違いは認知できないレベルに
(ウェブサイト「藤本健の “DTMステーション”」の2022年11月2日記事) - AI歌声合成に命を吹き込むSynthesizer V 1.8.0発表。歌姫Maiの歌声データベースは無料で公開へ!
(ウェブサイト「藤本健の “DTMステーション”」の2022年11月10日記事)
関連項目
- Synthesizer V
- ソフトウェアシンガー
- AI
- NovelAI Diffusion / Waifu Diffusion (どちらもDiffusion Probabilistic Models(DPMs)を用いた画像生成AI)
脚注
- *Synthesizer V Studio 2 Pro|製品情報|AHS(AH-Software)

- *Synthesizer V Studio 1.8.0b1 アップデート | Dreamtonics株式会社

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